PBR(株価純資産倍率)とは?よく使われる株価指標を知っておこう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

株式投資を始めるにあたって、その株が割安なのか割高なのか、何を基準に判断したらいいのか最初はよくわからないかもしれません。株式投資には、企業の業績や株価を比較する尺度となる株価指標と呼ばれるものがあります。株価指標は、あくまでも判断の目安であり、絶対的なものではありませんが、多くの投資家がこれを参考にして投資を行っているのも事実です。そこで、まずはどのようなものかを知っておきましょう。

ここでは、代表的な株価指標の一つであるPBR(ピービーアール)について解説します。

【ざっくりいうと】

  • PBRは『株価純資産倍率』のことです。一般的には、PBRの数値が高いほどその銘柄の株価は割高で、低いほど割安だと考えられています。
  • PBRの目安は1倍とされています。ただし、成長株と言われる銘柄や、純資産が少ない銘柄のPBRは高くなる傾向があります。逆に純資産が多い銘柄など、恒常的にPBRが低い銘柄もありますので、単に高いから割高、低いから割安とも言い切れないことに注意が必要です。
  • PBRは投資のプロでも扱いが難しい指標です。日ごろからニュースなどで情報を収集し、PBRに慣れていくことが大切です。日経新聞などで、PBRに注目した投資について解説していることもありますので、記事を読みながら感覚をつかんでいくのが良いでしょう。なお、楽天証券に口座開設をすると、日経テレコンを無料で利用できるので、日経新聞を実質無料で読むことができます。

1 PBRとは

まず、PBRの意味や計算方法など、基本的なことを押さえておきましょう。

1.1 PBRとは―純資産面から株式の価値を判断する指標

PBR(price book-value ratio)とは、『株価純資産倍率』のことであり、以下の式によって算出することができます。一般的には、PBRの数値が高いほどその銘柄の株価は割高で、低いほど割安と考えられています。

PBR = 株価 ÷ 一株あたり純資産額(BPS)

あるいは

PBR=時価総額 ÷ 純資産

トヨタ自動車(7203)を例に用いて計算してみましょう。トヨタ自動車の2016年6月28日の株価(終値)は4,975円、BPSが5,513.08円となっているので、4,975÷5513.08≒0.90となり、PBRは0.90倍と計算できます。

この式で用いられている一株当たり純資産額とは、株主の持ち分である純資産を発行済株式数で割ったものであり、会社が解散した場合に株主に分配される一株あたりの金額を表しています。つまり、PBRとは、その会社が保有している純資産(総資産から負債を引いたもの)に対して、市場が何倍の評価をしているかを表しています。

もう一つの代表的な指標であるPERがフローである利益と株価との比較により、収益面から会社の状況を判断する指標であるのに対して、PBRはストックである純資産と株価との比較により、資産面から判断する指標なのです。

1.2 PBRの調べ方

では、実際にPBRはどのように調べればよいのでしょうか。決算報告から該当する数字を拾う、あるいは算出し、上記の式に当てはめて計算することも可能ですが、それはあまりにも面倒です。実は、PBRは最もよく利用される代表的な株価指標の一つなので、Yahoo!ファイナンスや証券会社のウェブサイトなどから、無料で簡単に調べることができます。

2 PBRを用いて投資をしてみよう

では、実際に投資するにあたって、PBRをどのように用いればよいのでしょうか。この章では、PBRの目安と注意点についてご説明します。

2.1 PBRの目安は1倍

一般的に、PBRの目安は1倍とされています。PBRが1倍、すなわち株価と一株当たり純資産額が等しいということですが、これは投資金額と解散価値(会社が解散した時に株主が得られる価値)が等しいということを意味しています。理論上は会社が解散することによって投資した金額以上の金額が戻ってくることはないということから、1倍が目安と考えられているのです。PBRが株価の下支え要因となり、底値(損をしない株価)を探るのに適していると言われるのはこの理由からです。

ただし、投資を行う際には、一つの拠り所とも言える数値基準である1倍以外にも確認しておくべき点があります。例えば、長期的な不況下では全体的に株価が低迷することにより、市場平均PBRが1倍を下回ることもありますし、市場が「この会社は(利益を増やして)純資産を大きく積み増していくのは難しいだろう」と考える場合は、1倍を大きく割り込むこともあります。Yahoo!ファイナンスで「低PBRランキング」を見ると、地方銀行がずらっとでてきます。思わず唸ってしまいそうです。

出所:Yahoo!ファイナンス

投資を行う上では、1倍という目安はありながらも、市場との比較や同業種内・競合他社との比較、その会社の時系列での推移との比較といった相対的な基準も確認し、その会社が本当に今割安なのかを判断することが大事です。

2.2 PBRが1倍を下回る会社には投資すべき?

2.1で述べたとおり、一般的なPBRの評価基準は1倍であり、これを下回るほどより割安とされます。PBRが1倍以下であれば、理屈の上では、会社が解散した時に投資金額以上の金額が戻ってくるので、利益を獲得することができます。また、会社が解散しなくても、投資した後に市場も割安と判断し、株式が買われて株価が上昇することによってPBRが1倍に近づいていけば、利益を得ることができます。

しかし、低PBRだからといって、そのまま単純に投資するのは危険です。PBRの分母である一株あたり純資産は、決算数値から取得される過去の既に確定した数値であり、将来予想の視点は入っていません。一方で分子である株価には将来予想の視点が含まれています。つまり、もしその会社に大きな経営不安や将来赤字が予想される場合、また資産が不良債権などにより実際はもっと少ないと考えられる場合等、株価には反映されるものの一株当たり純資産には反映されず、低PBRとなる可能性があるのです。そこで、業績や資産内容、将来予想に問題はないか、市場や同業他社、その会社の過去等の数値と比較して相対的に判断することが大事になってきます。

もしも、優良銘柄にも関わらず何らかの一時的な事象によって1倍割れしており、将来改善する期待が大きいようであれば、PBRはその銘柄に対して「買い」の判断をする一つの材料になり得ます。

2.3 高PBR銘柄とはどのようなものか

一方で、高PBR銘柄とはどのようなものでしょうか。実は、過大評価されて株価が高く割高なものばかりではありません。例えば、今後の成長が期待され、将来純資産が増加することを予想されている会社や資産内容が良く含み益のある会社などは、高PBRであっても割高で投資の対象として好ましくないとは言い切れないものもあります。いわゆる成長株と言われるものです。一概に高PBRが割高で投資対象として望ましくないとも言い切れないのです。

ただし、PBRが4倍、5倍というように、1倍から大きくかい離している場合のPBRの扱いは、投資のプロでも難しいものです。PBRだけで判断せず、ROE、PERなど、複数の指標をみて判断するようにしてください。

【コラム】PBR=ROE×PERの関係からわかること

ここまで、PBRについて解説してきましたが、PBR単独ではなく他の指標と組み合わせるとより精緻に割安かを判断することができます。以下の式は、代表的な株価指標であるROE(株主資本利益率)、PER(株価収益率)とPBRの関係を表したものです。

PBR=ROE×PER

なぜこの式が成り立つかを見てみましょう。ROEとPERを以下のように変形していくと、PBRの式になります。

この式から、低PBRである場合、ROE×PERも低いことがわかります。ROEが高くPERが低いのであれば、その銘柄は本当に割安である可能性が高いですが、ROEが低くPERが高い場合には、あまり利益が期待できないことが予想され、低PBRであっても決して割安とは言えません。

このように、他の株価指標との関係を用いると、より精度の高い判断ができるのです。

3 PBRの使いこなしは難しい。新聞記事などで知識を補強しよう

このように、PBRは投資にあたって注目される指標ではあるものの、単に「高いから割高」「低いから割安」と言い切ることができない、投資のプロでも扱いが非常に難しい指標です。そのせいか、PBRに関連する記事は、日経新聞でも頻繁に目にします。

強気になれない日本株、割高銘柄買い戻しの異変」(2016年6月28日 電子版)

踊り場のROE経営(下)資本コストを意識」(2016年6月25日 朝刊・電子版)

伸び悩む「解散価値」 PBRでも測れぬ底値」(2016年6月16日 電子版)

PBRをうまく使うには、日ごろから情報収集をして知識を蓄積していくことが重要だといえます。日経新聞電子版の記事は月10本まで無料で読むことができますが、情報取集に使い始めるといささか心もとなく感じます。しかし、ここでネット証券を活用すれば、日経を実質無料で読むことができるのです。

ネット証券は、顧客サービスの一環として情報提供サービスを行っています。日経を読むのであれば、おすすめは楽天証券です。楽天証券に口座を開設(無料)すると、無料で「日経テレコン(楽天版)」を使うことができます。

>> 楽天証券の公式ページで口座開設する(無料)

「日経テレコン(楽天版)」では、以下のことができます。しかも、楽天証券の口座開設・口座維持費は無料です。活用しない手はありませんね。

  • 日経速報ニュースの閲覧
  • 日経(朝刊・夕刊)、日経産業新聞、日経MJ、日経地方経済面、日経プラスワンの閲覧(3日分)
  • 過去1年分の新聞記事検索(日経各紙および速報ニュース)

詳細に興味がある方は、「日経新聞が無料で読み放題? ネット証券のお得な活用法」をご覧ください。

4 まとめ

このように、PBRは最もよく使われる重要な株価指標の一つですが、あくまでも資産面から判断する尺度であり、収益面など投資をする上で必要となる尺度は他にもあります。投資判断をする上では、PERなどいくつかを見た上で総合的に判断するようにしましょう。

オススメ記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る