ノーベル賞のテーマ投資、関連銘柄のその後の業績は?

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ここ数年、毎年のように日本人のノーベル賞受賞者が出ています。それも物理学賞、化学賞、生理学・医学賞といった、いわゆる「理系」の領域での受賞が多いのは、日本の基礎研究の底力が垣間見える結果と言えるのではないでしょうか。2017年は、4年連続での日本人の受賞はなりませんでしたが、日本出身のカズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞したことは、みなさんご存知でしょう。

今回は、ノーベル賞という最高峰の栄誉を与えられた研究を基盤とする事業や、ノーベル賞に関連した事業を行っている企業を中心に取り上げます。

ノーベル賞関連企業は、受賞直後はマスコミに多く取り上げられます。しかし、意外にもその後の動きは置き去りになってしまっていることが多いようです。そもそも、関連企業の業績がどうなっているのかも見ていくことにしましょう。

ざっくりいうと

  • ノーベル賞関連企業は、受賞直後はマスコミに多く取り上げられるが、意外にその後の動きは置き去りになりがち。
  • ノーベル賞という最高峰の栄誉を与えられた研究を基盤とする事業や、ノーベル賞に関連した事業を行っている企業を中心に取り上げていきたい。
  • ノーベル賞を受賞した研究や、その研究を基盤とした開発が事業に組み込まれることで、その企業は競争優位を確立することができる。

1 なぜ今、ノーベル賞なのか

まず、2000年以降の日本人ノーベル賞受賞者を簡単に振り返ってみましょう(敬称略)。

  • 2000年:白川英樹(化学賞)
  • 2001年:野衣良治(化学賞)
  • 2002年:小柴昌俊(物理学賞)、田中耕一(化学賞)
  • 2008年:南部陽一郎(物理学賞)、小林誠(物理学賞)、益川敏英(物理学賞)、下村脩(化学賞)
  • 2010年:根岸栄一(化学賞)、鈴木章(化学賞)
  • 2012年:山中伸弥(生理学・医学賞)
  • 2014年:赤崎勇(物理学賞)、天野浩(物理学賞)、中村修二(物理学賞)
  • 2015年:梶田隆章(物理学賞)
  • 2016年:大隅良典(生理学・医学賞)

注:南部陽一郎氏は受賞時は米国籍、中村修二氏は現在米国籍を取得。

こうして並べてみると、2014年以降は3年連続の受賞です。日本の研究分野での存在感が薄れているとの指摘も増えていますが、いかに日本の「理系」が世界の先端を走ってきたのかがわかります。

10月はノーベル賞の発表タイミングということもあり、改めてノーベル賞に注目してみましょう。

2 アナリストが注目するポイントとは

日本人が関わってきた研究がノーベル賞として評価されること自体、とても喜ばしいことですが、そうした研究が事業に直結していたり、大きく関係していたりする場合もあります。事業を通して、大きな社会貢献を果たしていることもあるのです。

ノーベル賞を受賞した研究や、その研究を基盤とした開発が事業に組み込まれることで、その企業は競争優位を確立することができます。ノーベル賞受賞と接点を持つ企業を評価する際には、そうした競争優位をベースにして事業を行っている企業の業績がどう進捗しているのかは、最も重要なポイントとなります。

3 ノーベル賞関連銘柄とは

たとえば、野衣良治氏の研究では、高砂香料工業(4914)は不斉合成法によるl -メントールの工業化に成功しています。

また、小柴昌俊氏のニュートリノの研究には、浜松ホトニクス(6965)の光電子増倍管が寄与しています。

さらに、田中耕一氏は計測機器メーカー・島津製作所(7701)の研究者として、質量分析のための「ソフトレーザー脱離イオン化法」を開発しています。

3.1 高砂香料工業

高砂香料工業は、社名の通り香料を主体に製造および販売をするメーカーです。皆さんにもなじみ深い飲料水やお菓子などに加えられる香料を取り扱っています。

香料は、フレーバーとフレグランスの大きく2つに分けられます。両者の違いは、フレーバーは食品香料、フレグランスは非食品(たとえば香水や化粧品、トイレタリーなど)に使われるという点です。

また、同社は香料事業だけではなく、不斉合成技術、均一性触媒、フロー連続技術などによりファインケミカル事業も展開しています。同社の事業地域は日本だけではなく、米国、欧州、アジアなど世界中に広がっています。

では、業績はどうでしょうか。過去5年間、経常利益で見るとブレはあるものの、一度も当期純利益の赤字はありません。また、総資産に対する純資産の比率も2017年3月期では49%と比較的健全な状況と言えます。

3.2 浜松ホトニクス

浜松ホトニクスを一言で説明するのは難しいですが、「光」を扱う技術、すなわち光技術を核とした技術企業であると言えます。

事業は、電子管事業、光半導体事業、画像計測機器事業という3つのセグメントに分かれています。浜松ホトニクスが製造するデバイスは非常に多様な製品に使われており、身近な機器ではX線CTやPET、歯科用X線などが有名です。

同社は「光の可能性の追求」というテーマの中で、立体ディスプレイのためのレーザーやレーザー核融合といった非常にチャレンジングな目標を持っています。その他にも、今後到来するIoT社会でのセンサーネットワークなども事業機会にしたいと考えているようです。

では、浜松ホトニクスの業績はどうでしょうか。過去5年間、業績に多少のブレは見られますが、高収益率を維持しています。また、過去5年間で当期純利益の赤字はありません。総資産に対する純資産の比率は2016年9月期で78%と、非常に堅固な財務体質と言えます。

3.3 島津製作所

島津製作所はX線診断機器でなじみのある方も多いかもしれませんが、売上と利益の多くを占めるのは計測機器です。営業利益面で見れば、計測機器の収益でほぼ全社を語れる水準です。

業績面で過去5年を振り返っても、業績は右肩上がりで、当期純利益も拡大を続けています。、総資産に対する純資産の比率も2017年3月期で64%と財務体質も強固です。

3.4 LEDやiPSはどうか

今回取り上げたテーマ以外に注目しておくべき事業では、まずLEDが挙げられます。関連銘柄としては豊田合成(7282)、スタンレー電気(6923)などがあります。

また、やはり大きな期待を持たれているのはiPS細胞ではないかと思います。まだ大きく業績に貢献するレベルではありませんが、武田薬品工業(4502)、大日本住友製薬(4506)、富士フィルムホールディングス(4901)などが、すでにiPSに積極的で、研究所設立や関連企業の買収などを行っています。

4 テーマ投資への投資を検討するなら、フォリオ、松井証券、SBI証券

ところで、今見てきたような「ノーベル賞」など、株式市場で注目されている「テーマ」に投資する手法は、一般的に「テーマ投資」と呼ばれます。

最近では、個人投資家がテーマ投資を簡単に始められるサービスが次々に登場しています。

4.1 FOLIO(フォリオ)のテーマ投資

今最も注目を集めているのはFOLIO(フォリオ)のテーマ投資でしょう。フォリオは、日本株式を取り扱う独立系証券会社として10年振りに業界への新規参入を果たした次世代ネット証券です。フォリオのサービスの特徴は、フォリオが準備した様々な投資テーマを10万円から購入することができるという点です。

株式市場で注目されているテーマはもちろんのこと、テーマ型投資信託でも品揃えがないテーマに投資できるうえ、フォリオの投資テーマには、フォリオが選んだ10銘柄が含まれており、同一テーマ内で銘柄分散がされています。また、10万円から購入できる点も、テーマ投資の初心者のみならず、投資そのものが初めての人にとってもありがたいサービスだといえます。

2017年11月15日からはフォリオβ版の一般公開がスタートしました。フォリオのサービスのイメージをさらに詳しく知りたいという方は以下の動画をご覧ください。

>>フォリオβ版のアカウント登録(無料)

4.2 松井証券の「テーマ投資ガイド」

松井証券は、日本のインターネット証券(ネット証券)の老舗、元祖ともいうべき存在です。松井証券の口座を開設(無料)すると、「テーマ投資ガイド」を利用することができます。

ここではテーマ投資を一覧にしているほか、過去72時間のアクセス数に応じた「アクセスランキング」、24時間前から現在までのアクセス数増加による「急上昇テーマランキング」、テーマ別騰落率ランキングを見ることができます。

また、各テーマをクリックすると、そのテーマに関係する銘柄がリストアップされているほか、株価や騰落率、関連度なども表示してくれています。関連度はテーマ投資の初心者はわかりにくいので、どの銘柄がよりそのテーマに関係しているのかが一目で理解できて便利に使えるところがメリットです。

銘柄分析と投資判断を自分でしなければなりませんが、そこは自分でやってみたい、という人には向いているサービスといえるでしょう。

>>松井証券の口座開設(無料)

4.3 SBI証券「S株Now!」

日本のネット証券で最大の口座数を持つSBI証券。そのSBI証券が2017年9月30日より、単元未満株(S株)による少額テーマ投資サービス「S株Now!」を開始しました。

「S株Now!」では、単元未満株(S株)を活用することで10万円から投資をすることが可能となっており、フォリオの提供するテーマ投資と同様に比較的少額から投資金額から始めることができます。購入コースとしては10万円、20万円、30万円の3コースが用意されています。

ちなみに、各テーマの銘柄は、みんかぶグループのエムサーフ社による分析に基づき、成長が期待される10社が選ばれています。ちなみに松井証券のサービスでもエムサーフ社のサービスが活用されています。

買付手数料は0.5%(税別)と、フォリオと同水準です。はじめてテーマ投資に挑戦する人にとっても使いやすいサービスを提供してくれているといえそうです。

>>SBI証券の口座開設(無料)

5 日本株への投資を検討するなら

先に挙げた日本株の概況は次の通りとなっています。

高砂香料工業(4914)

最低投資金額(円) 388,500
単元株数(株) 100
1株当たり配当(前期実績・円) 50
配当利回り(会社予想・%) 1.16
株主優待 なし
最安の手数料で取引できる証券会社
(1取引ごとの手数料・税抜)
1.ライブスター証券(180円)
2.GMOクリック証券(241円)
3.カブドットコム証券(250円)
時価総額(百万円) 78,292

※最低投資金額、時価総額、配当利回りは2017年10月13日現在

浜松ホトニクス(6965)

最低投資金額(円) 361,000
単元株数(株) 100
1株当たり配当(前期実績・円) 34
配当利回り(会社予想・%) 0.94
株主優待 なし
最安の手数料で取引できる証券会社
(1取引ごとの手数料・税抜)
1.ライブスター証券(180円)
2.GMOクリック証券(241円)
3.カブドットコム証券(250円)
時価総額(百万円) 604,783

※最低投資金額、時価総額、配当利回りは2017年10月13日現在

島津製作所(7701)

最低投資金額(円) 227,400
単元株数(株) 100
1株当たり配当(前期実績・円) 20
配当利回り(会社予想・%) 0.97
株主優待 なし
最安の手数料で取引できる証券会社
(1取引ごとの手数料・税抜)
1.ライブスター証券(180円)
2.GMOクリック証券(241円)
3.カブドットコム証券(250円)
3.マネックス証券(250円)
時価総額(百万円) 673,264

※最低投資金額、時価総額、配当利回りは2017年10月13日現在

豊田合成(7282)

最低投資金額(円) 283,700
単元株数(株) 100
1株当たり配当(前期実績・円) 53
配当利回り(会社予想・%) 1.97
株主優待 なし
最安の手数料で取引できる証券会社
(1取引ごとの手数料・税抜)
1.ライブスター証券(180円)
2.GMOクリック証券(241円)
3.カブドットコム証券(250円)
3.マネックス証券(250円)
時価総額(百万円) 368,838

※最低投資金額、時価総額、配当利回りは2017年10月13日現在

スタンレー電気(6923)

最低投資金額(円) 403,500
単元株数(株) 100
1株当たり配当(前期実績・円) 36
配当利回り(会社予想・%) 1.04
株主優待 なし
最安の手数料で取引できる証券会社
(1取引ごとの手数料・税抜)
1.ライブスター証券(180円)
2.GMOクリック証券(241円)
3.カブドットコム証券(250円)
時価総額(百万円) 711,371

※最低投資金額、時価総額、配当利回りは2017年10月13日現在

武田薬品工業(4502)

最低投資金額(円) 614,000
単元株数(株) 100
1株当たり配当(前期実績・円) 180
配当利回り(会社予想・%) 2.93
株主優待 なし
最安の手数料で取引できる証券会社
(1取引ごとの手数料・税抜)
1.ライブスター証券(340円)
2.GMOクリック証券(436円)
3.SBI証券(487円)
時価総額(百万円) 4,855,821

※最低投資金額、時価総額、配当利回りは2017年10月13日現在

大日本住友製薬(4506)

最低投資金額(円) 154,900
単元株数(株) 100
1株当たり配当(前期実績・円) 20
配当利回り(会社予想・%) 1.29
株主優待 なし
最安の手数料で取引できる証券会社
(1取引ごとの手数料・税抜)
1.ライブスター証券(97円)
2.GMOクリック証券(98円)
3.カブドットコム証券(180円)
3.マネックス証券(180円)
時価総額(百万円) 616,347

※最低投資金額、時価総額、配当利回りは2017年10月13日現在

富士フィルムホールディングス(4901)

最低投資金額(円) 446,300
単元株数(株) 100
1株当たり配当(前期実績・円) 70
配当利回り(会社予想・%) 1.68
株主優待 富士フイルムヘルスケア商品トライアルキットなど
最安の手数料で取引できる証券会社
(1取引ごとの手数料・税抜)
1.ライブスター証券(180円)
2.GMOクリック証券(241円)
3.カブドットコム証券(250円)
時価総額(百万円) 2,296,775

※最低投資金額、時価総額、配当利回りは2017年10月13日現在

6 まとめ

いかがでしたか?今回はノーベル賞受賞に関連する企業を見てきましたが、このように研究と事業が結びつくことで、さらに難しいテーマに取り組む企業が増えていくことも考えられます。こうした技術を持つ企業には、今後も注目していきたいですね。

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