株価は何故、日々、上下するのか?
株価が上がる時、下がる時の要因を実需要因と虚偽要因に分けて、注意しておくべき点など、心構えを中心にお話してきました。ここから先は、株価の変動要因をもう少し具体的に見ていきたいと思います。
ファイナンス論などの教科書を読むと、株価は業績等に基づく企業価値(ファンダメンタルズ)を反映したもので、配当割引モデル、DCF(ディスカウントキャッシュフローモデル)などから理論的に説明が可能とされています。なんだか難しいですね。
一方、上場企業の株価は、日々、上下していますね。同じ株価が数日間続くことはほぼ稀なことです。理論的にもとめられる株価が、どうしてこのように毎日変化するのか?という素朴な疑問が持たれます。
株価に影響を与える様々な要因
株式に限らず、FX(外国為替保証金取引)、債券、商品(コモディティ)など「市場」で取引される商品の価格は日々変動しています。
その理由として第一に挙げられるのは、ファンダメンタルズ(理論的な価値)が、様々な外的要因(景気、金利、為替、税制、政策、自然災害など)の影響を受けるためです。
株式の場合は、企業の個別要因(新製品開発、新規事業、経営者交代、不祥事、買収など)も、ファンダメンタルズに影響を与える要因となります。
第二の理由は、テクニカル要因、あるいは、株式の需給関係の変化(外国人買い、公的資金の買い、増資、自社株買い、持合い解消など)です。株式に限らず、市場で取引される「財やサービス」は、“売りたい人”が“買いたい人”よりも多ければ下落し、その逆であれば上昇するからです。
「市場メカニズム」が正しく機能していることを前提にすれば、株価は、正しくファンダメンタルズを反映しているはずです。ただし、現実には市場も間違えることが多々あります。市場を信じるなということではなく、市場も失敗することがあるということを前提に、ファンダメンタルズ、テクニカルの両面から、株価を判断していくことが大切です。そこで、必要以上に売られた株式を買う、あるいは、実態以上に買われてしまった株式を売ることが、株式投資の王道となります。
次回以降も、株価に影響を与える様々な要因を具体的に紹介し、その時に、どのようなスタンスで対処していくことがよいのかを解りやすく解説していきたいと思います。
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