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「ゼロサムゲーム」の意味とは?
株式市場については、初心者向けの「株式市場って何のこと?」でも、簡単な概要を魚市場の例を用いて説明しました。ここでは、もう一歩、二歩くらい踏み込んだ状況を説明します。みなさんは「ゼロサム」或いは「ゼロサムゲーム」という言葉を聞いたことがありますか?「ゼロサム」とは、英語で表記すると、Zero-sumとなります。「ゼロサムゲーム」とは、ゲーム理論において用いられる基本理論で、「複数の人が相互に影響しあう状況の中で、全員の利得の総和が常にゼロになる」というものです。平たく言うと、「損得は合計すると常にゼロになる」というものです。実は、この理論、株式市場にそのまま当てはめることが出来るのです。
全ての“損得勘定”は合計すると「0」になる
この「ゼロサムゲーム」をもう少し具体例を用いて説明しましょう。サッカーの試合を想定して下さい。昔は、サッカーは男子だけのスポーツでしたが、最近はなでしこジャパンの活躍で、女子サッカーの人気は男子以上とも言えましょう。サッカーは2つのチームが戦うものですが、その試合が2-1だったとします。勝利チームは、得点が2、失点が1ですから、合計で+1点。敗戦チームは、得点が1、失点が2ですから、合計で-1。この両チームの“損得勘定”みたいなものを合計すると、「+1」と「-1」の合計になりますから「0」となります。この理論が「ゼロサム」です。野球、バスケットボールのような得点が明確な試合は勿論のこと、柔道やフィギュアスケート等も全て、戦った選手(チーム)の“損得勘定”を合計すると「0」になります。
株式市場も全く同じ、利益と損失を全て合計すると「0」になる
株式市場は、正しく、この「ゼロサムゲーム」なのです。株式投資で利益を得た人がいれば、必ず損失を出している人がいます。そして、その参加者全員の“損得勘定”を合計すると、ゼロになるのです。仮に、あなたが株式投資で大きな値上がり益を実現(=利益確定)したとすると、世界の何処かに必ず、値下がり損失(=損切り)を計上した人がいるのです。当然、その逆も正しいことになります。あなたが損失を出したら、世界の何処かに必ず、利益を出した人がいます。つまり、株式市場で繰り広げられている株式投資は、一種の「ゲーム」であると言えるのです。
ゲームに参加した以上は勝利を目指そう
みなさんがゲームをやる時、例えば、オセロゲーム、TVゲーム、対戦型の携帯ゲーム、何でもいいのですが、いつも勝利を目指しているはずです。それと同じように、株式投資は一種のゲームという考えに基づいて、勝利を目指すことが求められると言えましょう。株式投資の勝利は、言うまでもなく、値上がり益の実現(=利益確定)に他なりません。自分の勝利を目指すということは、言い換えると、他人を負かすということです。つまり、株式投資というゲームでは、他人は競争相手(ライバル)であることを、重々認識しないといけないのです。
競争相手があなたを貶めようとする可能性がある
でも、あなたのような礼儀正しい人格者は、他人を貶めようとは思わないでしょう。しかし、他の人(投資家)は、あなたを貶めようとする可能性があります。いや、既にあなたを貶めようとしているかもしれません。株式投資の場合、こうしたライバルを貶めようとする動きは、様々な形で出てきます。「あの株はこれから上がりそうだ」「この株は暴落するから、今買ったら危ないぞ」「これから大変な不況になるぞ」等の根拠のない噂話や偽情報で、あなたを混乱させようとしているかもしれません。このように書くと、「そんな馬鹿な」「大袈裟だ」「そんな話こそが偽だろう」と思う人も多いでしょう。でも、そうした貶め策は、知らず知らずのうちに、降りかかってきます。あなたが毎日、ネットやSNSで得ている情報にも、そうした類は入っているかもしれません。そして、このような“攪乱情報”が増殖して、株価を動かしている場合が少なくないのです。
今のうちに自分自身の投資スタイルを確立させよう
こうした「ゼロサムゲーム」に勝利する、つまり、株式投資で利益を得るためには、他人に惑わされない自分自身の投資スタイルを確立することが、最も重要になります。この自分自身の投資スタイルを確立するのは、初心者では難しいですし、確立しないと上級者への道も厳しいものとなります。是非、中級者レベルのうちに実践しましょう。様々な攪乱情報で株価が大きく変動しても、決して慌てることがないようなスタイルを確立させましょう。
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