財務諸表入門

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株価の変動要因では「実需要因」が圧倒的に重要

さて、「株価が上がる時は、その背景を見極める」、「株価が下がる時は、上がる時以上に注意する」では、株価が上がる時、及び、下がる時には、それぞれ「実需要因」と「虚偽要因」が関係してくることを説明しました。この2つの要素のうち、圧倒的に重要なのは「実需要因」です。つまり、投資家(=株を買おうとする人、株を売ろうとする人)が、その会社の“将来の姿”に対して、どのような評価をしているかが重要な要素となります。一方の「虚偽要因」は、その名の通り虚偽であり、本来は株価の動きを左右する要素ではないことに注意が必要です。株式市場では、ややもすれば、こうした「虚偽要因」が重要と誤解している風潮が無い訳ではありません。しかしながら、この「虚偽要因」には信頼できる根拠がないことを改めて認識しておきましょう。それでは、多くの投資家(あなたも含まれます!)は、一体、何を頼りに、何を信用して、「実需要因」を生み出す判断を下すのでしょうか?

「財務諸表」は、株式投資の際の“教科書”的な存在

ほとんどの投資家が信頼して参照するのが、その会社の「財務諸表」と呼ばれる法的な書類です。財務諸表とは、会社の状態を知るためのデータですが、そこに掲載される数字・内容・様式等は、法律で厳格に定められています。当然ながら、虚偽情報は一切記載できません。もし、意図的に虚偽情報を掲載すると、厳しく罰せられます(刑事訴訟の対象になります)。実際には、法律で定められている記載内容は“最低限”のものであり、会社によっては、それ以上の詳細なデータを載せているものも多くあります。投資家にとって、会社の財務諸表は、株式投資をする際の“必読書”、“教科書”的な存在なのです。

財務諸表は『貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書』で構成

この財務諸表を読み解くことにより、その会社を投資対象にできるのかどうかを判断する大きな材料になります。この財務諸表は、『貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書』の3つから構成されています。どれも重要度は高いのですが、とりわけ、貸借対照表と損益計算書の2つが重要と言えましょう。この3つを細かく説明すると多くの時間を要しますので、それぞれについて簡単にまとめておきます。

貸借対照表とは?

まず、貸借対照表とは、企業のある一時点(一般には決算期末時)における資産、負債、純資産の状態を表すために作成されたものです。企業の“財政状態”を表しており、特に、企業が事業資金(=お金)をどのようにして集めたのかが判るようになっています。バランスシート(B/S)とも呼ばれています。企業が展開する事業が急拡大したり、経済情勢の悪化などで売上高が激減したりするような時、このバランスシートのチェックは欠かせません。

損益計算書とは?

次に、損益計算書とは、企業のある一定期間(一般には決算期)における収益と費用の状態を表すために作成されたものです。企業の“経営状態”を表しています。投資する会社の売上高、各種利益(営業利益、当期純利益など)が記載されています。株式投資では、この損益計算書の方が多用されている傾向にありますが、前述した貸借対照表と一緒に使用するのが、本来の姿と言えましょう。最も重要なことは、貸借対照表が“ある一時点”の情報であるのに対して、損益計算書は“ある一定期間”の情報だということです。最初は、これだけ覚えておけば十分かもしれません。

キャッシュフロー計算書とは?

最後のキャッシュフロー計算書は、会計期間(一般には1年間)における資金(=現金と考えて差し支えありません)の増減、つまり「収入と支出」の状況を営業活動・投資活動・財務活動ごとに区分して表示したものです。尚、キャッシュフローとは、その名の通り、“お金の流れ”=“お金の出入りを表す動き”のことです。貸借対照表と損益計算書に比べると、使用頻度が小さい傾向にあります。ただ、小規模の会社、売上高の増減が激しい会社、経営に不安が残る会社等では、欠かすことができない財務諸表です。

財務諸表は重要ポイントを的確に抑えることが必要

みなさんには、これら3つの財務諸表を読めるようになって欲しいと思います…とは言っても、そう簡単に出来る訳ではありません。また、どこまで深く掘り下げて読み込むか次第では、膨大な時間を要してしまうことがあり、株式投資どころではなくなってしまいます。ただ、一定の時間を費やした後、重要なポイントを的確に抑えることができれば、それで十分と言えます。

財務諸表の分析だけで株式投資に成功するとは限らない

冒頭に記述した通り、財務諸表は株式投資の際の“教科書”です。小中学校の勉強もそうでしたが、まずは、教科書をしっかり読まないといけません。ただ、教科書を徹底的に読み込んでも、重要なテスト、例えば、入学試験で満点を取れるとは限りません。むしろ、教科書だけでは、満点を取れないのが現実です。教科書に加えて、問題集、過去問題、模擬テスト等を経て、ようやく入学試験のようなテストで良い点が取れます。株式投資も同じです。財務諸表だけを徹底的に勉強しても、株式投資で良い成果が出るとは限りません。むしろ、株価の動きを読み誤る場合も少なくないのです。財務諸表の分析は重要だけど、それが全てではないと覚えておきましょう。

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