「信用売り」の簡単な実例を見てみましょう

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目次

株価下落時の「追証」発生に最大の注意を前回のオムライスの話を思い出しましょう

前回はオムライスを完成しようとしたら、仕上げに使う卵を切らしていた主婦Aさんに、主婦Bさんから卵を借りて売った話をしましたが、何となくイメージは掴んでいただきましたか? その話の中で一番重要なポイントは、美味しいオムライスが完成したこと・・・ではなく、『主婦Bさんから借りた卵を、主婦Aさんに100円で売った後、スーパーにて80円で買ってBさんに返した』ということです。この「80円で買って」という部分を「80円で買い戻して」と言い換えると、これが「信用売り」そのものになるのです。

あなたが電機メーカーZ社の株価は高いと考えたとします

電機メーカーZ社の株価は順調に推移しており、今現在の株価はちょうど1,000円だとしましょう。ところが、Z社の新製品は評判が悪く、会社予想の達成は難しいと見られます。それどころか、会社予想が大幅に下方修正される懸念もあります。あなたは、今の株価は割高と考え、決算後に株価が大きく調整される可能性が高いと判断しました。つまり、今の株価は「売り」「利食いチャンス」ということです。そこで、あなたは証券会社からZ社の株式1,000株を借りて、1,000円で売りました(売値=1,000株×1,000円=100万円)。

「信用売り」後に株価が下落して利益(儲け)が出た!

その後、あなたの予想通りにZ社の株価は下落し、900円になりました。ここで、あなたはZ社の株式を1,000株買うことにします(買い戻します)。この時の買値は90万円になるので、損益勘定が図表1の右側のようになります。ほら、「売値>買値」になっていますから、+10万円の儲けが出ています! これが「信用売り」で利益(儲け)が出るパターンです。このように、「売り」から入って(始めて)利益が出るのが大きな特徴です。ちなみに、現物取引では「売り」から入ることができません。かならず「買い」から入るので、図表1の左側のように損失が出てしまうのです。

もし、見立てが外れて株価が上昇すると、損失が出てしまう

しかし、世の中はそう全てが上手くいくとは限りません。1,000円で「売り」から入った後、あなたの予見が外れてZ社の株価がさらに上昇し、1,100円になったとしましょう。ここで買い戻すと売値は100万円で変わりませんが、買値は110万円ですから、▲10万円の損失になります(図表2の右側)。「売値<買値」となるからです。このように、「売り」から入る「信用売り」では、株価が上昇すると損失が出てしまうのです。前回のオムライスの話に例えると、『主婦Bさんから借りた卵を、主婦Aさんに100円で売った後、スーパーにて120円で買ってBさんに返した』ということでしょうか。

「信用売り」のイメージを少しでも掴めていただければ幸いです。次回は、信用取引の口座開設について説明します。

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