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信用売りの重要な2つのポイント
前回は「信用売り」のイントロダクションでしたが、重要な点は以下の2点でした。
● 「信用売り」とは、自分が“今は売りだ”と思った銘柄を証券会社から借りて、売りに出す取引のこと
● 「信用売り」では、その後に株価が下がった時、利益(儲け)が出る
最初の特徴は何となくイメージできるのではないでしょうか。問題は、2つ目の「株価が下がった時に利益(儲け)が出る」という“仕組み”です。今回はこの点をもう少し説明していきましょう。
株式投資で利益(儲け)が出るのは、必ず「売値>買値」の時
“なぜ株価が下がって、利益が出るんだろうか?”と不思議に思っている方、あるいは、“頭の中で考えたけどどうしても理解できないよ”という方、大勢いるかもしれませんが、ご安心ください。
実は、株式投資で利益(儲け)が出る時は、売値が買値より高い時、つまり「売値>買値」という条件が成立する時に限られます。これは、現物取引でも信用取引でも全く同じの、普遍の原理なのです
(注:手数料や信用取引コストを除く)。実際、皆さんが今まで行ってきた現物取引で儲けが出た時は、必ず「売値>買値」になっていたはずです。
信用売りでも「売値>買値」の時しか利益(儲け)が出ない
この「売値>買値」の時に利益(儲け)が出るのは、「信用売り」も同じなのです!
ただ、1つだけ違うのは、“売値が先に決まる“ということです。今までは、”買値が先に決まって、次に売値が決まる“という、ごく普通の順序でしたが、「信用売り」は”売値が先に決まって、次に買値が決まる“ということになるのです。
”えっ? まだ買ってもいないのに、先に売値が決まる?”と腑に落ちない人も多いでしょう。次のシーンを考えてください。
オムライスを作る友人を助ける
あなたの友人である主婦Aさんがオムライスを作っています。“さぁ、最後の仕上げ”という時になって、卵を切らしていることに気が付きました。今からスーパーに買いに行く時間はなく、Aさんはホトホト困っています。
ところが、あなたも卵を切らしていました。そこで、あなたは隣の主婦Bさんに頼んで卵を(とりあえず)借りて、Aさんに渡します。Aさんは“助かるわ。いくらかしら?”と聞いてくるので、あなたは1個100円で売りました。Aさんは無事にオムライスを仕上げることができました。
ところが、Bさんから「目玉焼きを作るから、さっきの卵を返して」と催促されたのです。あなたはスーパーで1個80円で買って、Bさんに返しました。さて、あなたの損得勘定はいくらでしょうか?
信用売りでは売った銘柄を“買い戻す”
先ほどのオムライスの場合、結局、あなたは20円儲かりました。売値=100円、買値=80円だからです。信用売りの仕組みは同じです。
まず、証券会社から株式を借りて、それを売ります(売値が決まる)。次に、売った同じ銘柄を買い戻します(買値が決まる)。“買い戻す”というイメージを思い浮かべてください。次回、具体的な取引例で見ていきますが、このオムライスの場面を思い出してください。
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