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お金を投資したことは、お金を預けたことではない!
「株」とは、会社にお金を投資した「証明書」であり、会社の経営に参加する「参加証明書」のようなものです。ここで重要なのは、“お金を投資した”ということは、“お金を預けた”とか“お金を貸した”ということと、根本的に全く違うということです。これは極めて重要なことなのです。そこで、多くの皆さんが活用したことのある銀行預金との違いを考えてみましょう。銀行預金には幾つかの種類(普通預金、定期預金、積立預金、外貨預金、等々)がありますが、ここでは一定期間以上に渡って預けることになる「定期預金」を取り上げて考えてみます。
銀行の預金証書は、預けたお金が必ず戻ってくる保証書
銀行で定期預金をすると、銀行から「定期預金証書」というものをもらいます。最近は、証書という形ではなく、通帳や電子媒体などに広がりつつありますが、少し前までは(今も希望すればもらえます)、定期預金をすると必ず証書をもらっていました。この証書は、銀行が「確かにお客様(○○様)のお金を預かりました」という証明書です。そして、銀行に定期預金として預けたお金は、決められた期間が終了した時(例えば、1年後とか2年後)には、幾らかの利息(利子)が付いてきて、必ず「預けた同じ金額」が戻ってきます。100万円預けたならば、必ず100万円は戻ってきます。唯一の例外は、銀行が倒産した時ですが、ここではそういうことは考慮しません(注:仮に銀行が倒産しても、基本的には1,000万円までは保護されます)。
株(=参加証明書)に投資したお金は、増えたり減ったりする
ところが、株式(=投資した会社の経営への「参加証明書」)は、全く違うのです。例えば、100万円投資してもらった「参加証明書」では、必ず100万円が戻ってくるとは限りません。100万円より多くなる場合も、少なくなる場合もあるのです。つまり、株式(=参加証明書)には「値段」がついていて、その値段は日々毎日変わると考えて下さい。これは、株式投資と銀行預金との最大の違いです。
大好きな芸能人の後援会の永久会員権が値上がりした
これは、例えを用いた説明が本当に難しいのですが、皆さんが大ファンの芸能人(歌手、俳優、モデル等)の後援会に入会、しかも、“永久会員”として入会したと想像して下さい。その永久会員権は限定100人しか買えない貴重なものですが、皆さんは、お金(ここでは10万円としておきます)を出してその永久会員権を買うことができました。メデタシ、メデタシ、嬉しいと思っていたら、友人の1人が「11万円で譲って欲しい」と言ってきました。その友人が泣いて頼むので、あなたは譲ることにしました。この時、永久会員権は値段が上がったことになります(10万円が11万円になったのです)。
その芸能人が結婚して、永久会員権が値下がりした
逆の場合もあります。あなたが永久会員権を買った後、大ファンだった芸能人が結婚することになりました。あなたはガッカリ。もう後援会なんか辞めようと思って、友人に永久会員権を譲ろうとしました。ところが、その友人は「9万円なら買ってもいい」と言います。いろいろ考えた結果、あなたは9万円で譲って、そのタレントの後援会とはサヨナラしました。この時、永久会員権は値段が下がったことになります(10万円が9万円になったのです)。
株(=経営への参加証明書)は、毎日値段が変わる
あなたがお金を投資した会社の株(=経営への参加証明書)は、この永久会員権と同じように、値段が変わるのです。実際には、株の値段はもっと大勢の人によって決められるのですが、買った値段は、毎日、毎時間変わると考えて下さい。その値段は高くなる時もありますし、安くなる時もあります。くどいようですが、株初心者の方は「株は値段が変わるもの」と覚えておいて下さい。
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