配当でコツコツ増やすのも株の魅力

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

目次

銀行預金には極僅かだが利息が付く

株式投資をやるメリットって何なの?」では、私たちが「お金を減らしたくない」という考え方に基づいた時、銀行にお金を預けるという行動を選択する場合が多いと説明しました。あなたが銀行預金をすれば、例外時を除き(銀行が倒産する)、預けたお金は必ず戻ってきますが、お金は増えないとも説明しました。ところが、この説明は、正確に言うとちょっと違うのです。実は、銀行預金(定期預金、普通預金など)をすると、一定の期間後には、利息(利子)というのがもらえます。例えると、あなたが大切なお金を銀行に預け終わった時に、銀行からもらう“御礼”みたいなものです。本当は、“お小遣い”と書きたいのですが、実際にもらう利息(利子)は、殆どの場合が、スズメの涙にも満たない水準なので、お小遣いにもならないのが実情です。とは言え、本当に極僅かではありますが、厳密に正しく表現すると、銀行預金も「お金は増える」ということになります。

銀行預金の利息は、株式投資の「配当」に該当する

実は、株式にも、銀行預金の利息と同じようなものがあります。それが「配当」です。配当とは、あなたがお金を投資した会社の業績が好調な時、その好調さに応じてもらえる利益の一部です。そして、その配当は、原則として、現金でもらうことになります。その金額は、投資した会社の業績がどのくらい好調なのか、或いは、あなたがどれだけ多くの株式を持っているかによって、異なってきます。ただ、一般的には、銀行預金の利息よりは多いと考えて差し支えないでしょう。

配当の注意点(1)~株式を持っていないと配当はもらえない

株初心者のみなさんの中には「銀行預金の利息より多い現金をもらえるなんて、株式を持つことは素晴らしいな」と思う方も少なくないでしょう。基本的には、その通りなのですが、重要なことが2つあります。1つは、配当をもらうためには、株式(=参加証明書)を所有している必要があるということです。「値上がり益は株式投資の最も大きな醍醐味」で説明しましたが、値上がり益を実現するために、株式を手離した場合(=売ってしまった場合)は、この配当はもらうことができません。正確に言うと、会社が管理している株主名簿から外れた場合に、配当はもらえないのですが、今はそこまで考えなくていいでしょう。まずは、「株式を他人に譲ってしまった後は、配当をもらうことができない」と覚えておいて下さい。

配当の注意点(2)~株式を持っていても配当無しの場合がある

もう1つ重要なことがあります。実は、こちらの方が圧倒的に重要なことなのですが、あなたが株式を持っていても、配当がもらえない場合があるのです。配当が無し(=0円)という状況です。まさか…と思う人も少なくないと思いますが、配当が0円ということは、決して珍しくはないのです。配当が0円ということは、お金は増えませんし、スズメの涙にも満たない銀行預金の利息より少ない、ということを意味します。なぜ、配当がもらえない場合があり得るかというと、原則的には、配当が会社の業績に応じて決められるからです。

株式を持っていても配当無しの場合がある

株式の配当は、サラリーマンのボーナスに似ている

これも例えで説明してみましょう。もし、あなたがサラリーマンとして働いている、或いは、働いた経験がある場合、この例えは簡単です。株式の配当は、会社勤めで働く場合の「ボーナス」(=賞与)に該当します。通常、会社は毎年2回(普通は夏と冬)従業員へボーナスを支給します。このボーナスは、従業員に配る“特別なご褒美”みたいなものですが、法律上は、必ず支給されると決まっているものではありません。本来、ボーナスは会社の業績に応じて、もらう金額が変動する“特別なご褒美”なのです。

ボーナスの額が増減するのと同じように、もらえる配当も増減する

ですから、会社の業績が好調なら、ボーナスは相応に多くもらえます。ボーナスをもらったら、家族で食事に行ったり、旅行に行ったり、家電製品を買ったり…と、使い道に夢が膨らみますよね。ところが、その会社の業績が悪い場合、ボーナスは減ってしまうことが多々ありますし、最悪の場合、ボーナス無しということは十分あり得るのです。本来、ボーナスは毎月の給料とは違い、必ずもらえるものではないのです。みなさんの中にも、「ボーナス無し」を経験したことがある人がいるかもしれません。

株式の配当は、このボーナスに該当します。投資した会社の業績が好調なら、配当を多くもらえる場合が殆どですし、その逆に、業績が悪いと配当が少なくなる場合が殆どです。特に、その会社の業績が極端に悪い場合、配当が無し(=0円)ということも十分にあり得るのです。

日本は配当無し(=0円)の会社は約2割程度しかない

ここまで書くと、みなさんの中には「配当なんて期待できないな」と考える方もいるでしょう。でも、日本では、株式投資の対象となる会社の約80%は、多かれ少なかれ、配当を出しています。米国等と比べても、その比率はかなり高いと言えます。株式の配当は、大部分の会社が年に2回支払います(最近は1回の会社も増えてきました)。あなたが、これから年々業績が良くなる会社に投資して、その株式を持っていれば、もらえる配当が毎年増える可能性も十分あります。そうして手にした配当をコツコツ貯めていくことも、株式投資の大きな魅力の1つと言えましょう。

<< 前へ(値上がり益は株の一番の醍醐味) | 次へ(株主優待制度で思わぬ特典を受けることも) >>

1から始める初心者にやさしい株入門|ホーム

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る