株初心者向け用語集:さ行

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目次

債権者
特定人(債務者)に対して、一定の給付をなすべきことを請求しうる者を債権者と言います。ものすごく簡単に言うと、会社に対してお金を貸し付けている人(または会社)のことです。株式を所有している人を株主、債券を所有している人を債権者とも言えます。重要なことは、債権者は株主と全く別の異なる存在であるということです。個人投資家が、上場企業の債権者となるのは、その会社の発行した債券を持つ時だけです(株式を買った時は株主になります)。

最高経営責任者
主に米国の会社で定着している呼称ですが、最近は日本の企業でも頻繁に見られるようになりました。最高経営責任者はCEOと称され、経営の意思決定と経営を監視し、会社全体の方針を決める最高権力者です。これに対して、最高執行責任者はCOOと称され、会社運営の実務担当の最高責任者です。CEOが決めた経営方針や戦略に沿って、COOが実行する仕組みです。時々、CEO=会長、COO=社長と解する見方がありますが、正しいとは言えません。

裁定取引
同じ性格を持つ2つの金融商品の間にある価格差を利益とする取引です。一般には、裁定取引のほとんどが「株価指数先物取引と現物株の価格差を利用した取引」となっています。ただ、本来の意味はもっと広範囲であり、同じ金融商品が違う価格の時に、割安な方を買っておき、値上がりして“本来の価格”になった時に売却して利益を得る手法です。株式投資の初心者の方は、ほとんど関わることがありません。

債務超過
企業の貸借対照表において、負債が試算よりも多い状態を表します。これは、全ての資産を売却しても負債が残ることになる、つまり、自己資本がマイナスの状態にあることを意味します。この債務超過に陥ると、会社にとっては深刻な危機的状況です。東京証券取引所では、債務超過になってから1年以内にそれを解消できない場合は上場廃止となる厳しいルールがあります。

債務不履行
公社債の利払いが遅れたり、元本の返済ができなくなる状態を言います。債務不履行という言葉よりも、デフォルトという言葉の方が浸透しています。社債の発行体である会社の倒産や、国債の発行体である国の財政破綻などの状態で起こります。国債のデフォルトでは、2001年末に起きたアルゼンチン国債が該当します。

材料
株価を動かす要因となるニュースや出来事(事件)全般を材料、あるいは、株価材料と言います。需給関係も材料と言い表すことができます。基本的には、良いニュースで株価が上昇する時は「プラス材料」、悪いニュースで株価が下落する時は「マイナス材料」と称しています。

先物取引
将来の売買を約束する取引のことです。ある日に、対象の金融商品を、あらかじめ決められていた価格で売買することを約束し、その日が来たら実際に売買を実行することです。本来の目的は、価格変動リスクを低減するためでしたが、少額資金でも多額の取引ができるため、投機的な目的で使われる場合が多くなっています。ハイリスク・ハイリターンな取引となるので、原則、初心者や中級者は手を出さないことが重要になります。

差金決済
信用取引や先物・オプション取引などを反対売買で決済する際に、売買の差額のみを受渡しする方法のことです。尚、通常の株式投資における現物取引での差金決済は、禁止されていますので一切できません。

指値注文
株式の注文は、投資家が指値注文か成行注文かを選択することになっています。この時、売り買いの値段を指定する方法を「指値注文」と言い、値段の指定をせずに売買成立を優先するのが「成行注文」です。ただ、指値注文を出したからと言って、必ずしもその値段で約定できるとは限らないことに注意して下さい。

札幌証券取引所
北海道札幌市中央区にある証券取引所(金融商品取引所)です。昭和24年(1949)開設。略称は、札証(さっしょう)。日本で一番小さい規模の証券取引所です。新興市場では「アンビシャス市場」が開設されています。

サブプライムローン問題
サブプライムローンとは、収入や保有財産の少ない低所得者層に貸し出す住宅ローンのことです。2000年代前半に、このサブプライムローンを組み入れた不動産証券化商品が人気を呼び(高利回りのため)、世界中の投資家が投資をしました。しかし、そのサブプライムローンが続々と焦げ付いたため、2007年夏から損失計上が相次ぎ、ついには、翌年のリーマンショックと呼ばれる金融危機に繋がった、世界的な大問題です。金融危機後に落ち着いたかに見えましたが、再びサブプライムローンのリスクが高まっているという意見も少なくありません。

ザラ場
証券取引所で取引が行われている時間帯のことを言います。東証では、前場が9時~11時30分、後場が12時30分~15時までですが、この前場と後場の取引時間をザラ場と呼んでいます。15時前に取引が終了してしまうことを「ザラ場引け」と言います。
三角持ち合い
株価チャートで「高値安値の差があり、振れ幅が大きかった」という動きから、徐々に上下幅が小さくなり拮抗する値動きのことです。株価チャートの世界では、株価が一定の値幅を上下するのみで、それを抜けて高くも安くもない状態を「持ち合い」と言います。この持ち合いの上下の振れ幅がだんだん小さくなる株価の動きを「三角持ち合い」と呼んでいます。チャート上で、上値抵抗線と下値抵抗線を引くと、まるで三角形になることから、こう称されています。

地合い
株式市場の中に流れるムードや雰囲気を指します。相場全体の状況を意味し、「地合いが良い、強い」「地合いが悪い、弱い」等のように使われています。具体的な数字として表れる訳ではないので、初心者の方は正しく、この地合いに流されてしまうケースがありますので、注意して下さい。

シェール革命
正式には「シェールガス革命」と呼ばれます。深い地下に存在する岩盤内の天然ガスや石油が、採掘技術の発達によって本格的な生産が可能となり、エネルギーの選択肢が一気に増加しました。エネルギーの大革新とも言えます。従来のコスト的な問題も解決し、関連産業のすそ野が広いことから、大きなビジネスチャンスがあると言われています。現在は、米国での採掘が圧倒的に進んでおり、日本の埋蔵量は少ないと考えらえています。

時価総額
株式市場における上場会社の評価価値で、発行済株式数×株価で計算されます。その会社の規模を示す指標です。理論的には、その会社を100%買収するための必要資金となります。時価総額は、大きければ大きいほど良いと考えていいでしょう。

事業報告書
事業年度ごとの事業概況や財務状況などを取りまとめた文書。決算終了後に作成される、投資家向け情報誌です。カラー刷りのパンフレット形式が多いようで、非常に読み易くなっていますが、内容は簡素になっています。

資金調達
企業が、事業を展開するために必要な資金を集めることを言います。資金調達の方法としては、株式の発行、債券の発行、金融機関からの借入金、等があります。この資金調達は、創業時だけでなく、さらなる事業拡大に向けて行われるものが少なくありません。

仕組債
文字通りに、一般の債券には見られない特別な「仕組み」をもつ債券を意味しますが、オプションやスワップなどのデリバティブ要素が組み込まれた債券の総称と考えていいでしょう。株価や為替相場などが所定の水準に達した際に、利率や償還期限などが変化する等の条件で発行されるのが一般的です。金融機関が条件を設定して公募で発行する場合と、投資家の要望に合わせて組成する場合がありますが、リスクとリターンの関係が理解し難く、流動性・換金性も乏しい状況です。個人投資家には向いていない金融商品と言えます。

自己資本
会社において返済義務がない資金です。従前は、株主資本と同義語でしたが、今現在は正確に言えば、微妙に異なります。ただ、本当に大まかに見れば、株主資本=自己資本と考えて差し支えないと言えましょう。他人資本とは完全な対義語になるので注意して下さい。

自己資本利益率
自己資本利益率という言葉よりも、ROE(Return On Equity)という言葉の方が浸透しています。自己資本に対する最終利益の割合です。株主が出資した資本から、どれだけの利益を上げたかを示す指標で、効率性を表しています。外国人投資家が非常に重要視する指標であり、それを反映してか、近年ではROEを重視する経営が目立ってきています。決算発表時にも要チェックの指標と言えましょう。

自己責任
株式投資を含めた証券投資において「投資家が判断を誤って生じた損失額は自信で被る」という原則です。証券会社を始めとして、いかなる投資情報の提供者にも責任転嫁できません。投資の結果は、それが良くでも悪くても自己責任ということを、今一度肝に命じましょう。

実質経済成長率
1つの国の経済成長率において、物価の変動を考慮して調整した経済成長率を言います。この物価を調整する前の経済成長率を「名目経済成長率」と称しますが、国同士の比較の際には、基本的には、実質経済成長率の方が用いられています。

仕手筋
株式取引で、特定の集団・グループが意図的に株価を操作するような売買を大量に繰り返すことを「仕手」と言います。その仕手を行う集団を「仕手グループ」とか「仕手筋」と呼び、その対象となる銘柄を「仕手株」と言います。仕手株は、特に理由もないのに買い上げられて株価が吊り上げられ、その後大量に売られるのがお決まりのパターンです。出来高の少ない小型株がターゲットになり易いようです。ただ、最近はこうした仕手株はほとんど見ることはありません。

自動売買
逆指値などの条件注文を利用し、あらかじめ立てた投資戦略に基づいて自動的に注文を執行させる売買方法です。主には、インターネット証券などで利用されています。自動売買は1つの注文方法に過ぎませんから、これで簡単に利益を上げられる、と大きな勘違いをしないようにしましょう。

資本提携
独立した会社同士が協力し合うことを業務提携と言いますが、ここから一歩進んで、お互いの株式を持ち合って資本関係を構築すると「資本提携」と呼ばれる関係になります。資本関係によって事業の成果や利益面で相乗効果を生むものであり、単なる株式持ち合いとは異なると考えていいでしょう。

社外取締役
その名の通り、社外から選任された取締役です。ある企業の取締役会の監督機能強化を目的として、会社の最高権限者である代表取締役などと直接の利害関係のない、独立した有識者や経営者などから選任する取締役のことを称します。尚、社外取締役は、その会社の業務は執行しません。日本でも、独立性と透明性の高い監視機能が持てるとされる社外取締役を導入する企業は、どんどん増加しています。

社会保障・税番号制度
2016年1月から始まるマイナンバー制度のことです。住民一人に一つの番号を付け、個人情報を一元的に管理する制度となっています。社会保障、税、災害対策等で利便性が高まると期待されていますが、一方では、個人情報の流失など、セキュリティ上の問題点を指摘する声も少なくないようです。2015年10月から各自に送付されてくる予定になっています。

ジャスダック
店頭登録制度(店頭市場)を前身とする、日本最大のベンチャー市場(新興企業市場)です。成長・ベンチャー企業が上場する株式市場として広く認知されており、その規模は、東京証券取引所の市場第2部を凌駕する規模にまで成長しました。株式店頭市場機械化システムにより、取引の約定や受け渡し業務をオンライン化、取引のスピード化と簡略化を実現し、店頭株の市場拡大に影響を与えたと考えられています。日本の株式市場で唯一、オークション方式とマーケットメイク方式という2つの売買手法を採用していることも特徴です。

ジャスダック指数
ジャスダック上場銘柄を対象として、同取引所が日々公表している株価指数のことです。ジャスダックインデックスとも言われます。この指数は、日本銀行を除くジャスダック上場株の時価総額の合計を終値ベースで評価し、基準日である1991年10月28日の午後3時現在の時価総額(基準時価総額という)を100として指数化したものです。日々の新興企業の株価指標として広く浸透しています。

シャドーバンキング
中国に起因するカントリーリスクを「チャイナリスク」と称していますが、これは、中国の政治、軍事的緊張、経済環境等により、様々な人の活動が阻害される可能性を指します。このチャイナリスクの中で、近年最も懸念視されているのが、中国国内の金融問題で、これをシャドーバンキング問題(影の銀行問題)と言います。これは、中国当局の厳しい規制下にある銀行を通さない資金のやり取りが横行し、その結果、実態が把握できなくなった状態を意味します。今も燻ったままと考えていいかもしれません。

収益性
企業を分析する際、どれだけ効率よく利益を生み出したかに注目した指標です。売上高や総資産に対する利益率で表します。具体的には、売上高営業利益率、売上高経常利益率、自己資本利益率、総資本利益率などがあります。この数値が高いほど、収益力があると考えていいでしょう。

出金
証券会社にある自己の取引口座から売却代金などを引き出すことを言います。逆に、取引口座に買い付け代金などを預け入れることを「入金」と呼んでいます。

出庫
証券会社にある自己の取引口座から株式等の証券を引き出すことを言います。逆に、取引口座に証券を預けることを「入庫」と呼んでいます。

需要と供給
マクロ経済学では、商品やサービスを手に入れようとする動きを「需要」、商品やサービスを提供しようとする動きを「供給」と定義しています。この需要を表すグラフを需要曲線、供給を表すグラフを供給曲線と言いますが、この2つのグラフ(曲線)が交わった点が「適正な取引価格」となります。

純粋持株会社
他の会社の事業活動を支配する目的で、その会社の株式を多数保有する会社を「持株会社」と言います。持株会社は、グループ全体の経営戦略を立てることが本業です。この持株会社には「純粋持株会社」と「事業持株会社」の2つがあります。「純粋持株会社」は、他の会社を支配することが本業であり、自らは事業を行いません。一方の「事業持株会社」は、自ら事業を行いながら、他の会社を支配します。一般に、持株会社といえば、この「純粋持株会社」を指すと考えていいでしょう。

順張り
株価上昇に乗って買い、下落時に売る投資手法です。株価上昇時には「今後もさらに上昇するだろう」と見て買い、株価下落時には「もっと下落するだろう」と見て売る投資方針(投資スタンス)です。投資の格言にある「好材料は買い、悪材料は売り」を貫くスタンスです。尚、この逆のスタンスを「逆張り」と言います。

少額投資非課税制度
このような長い言葉よりも、NISA(Nippon Individual Saving Account)の方が圧倒的に認識されています。これは、上場株式や公募株式投信の投資など、元本一定額までの配当金、分配金、譲渡益について、本来は課せられる税金を非課税にする制度です。この制度を受けるためには、予めNISA口座を開設し、その口座内で売買する必要があります。尚、既に特定口座や一般口座で保有している株式などの金融商品をNISA口座に移すことはできません。

証券化
原則として、キャッシュ・フローを生み出す資産を有価証券に組み替えて、投資家など広く第三者に売却する手法を言います。対象となる資産は、不動産や債権などが主流です。資産の所有者はオリジネーターと呼ばれ、オリジネーターにとっては資金調達の手段となっています。現在で最もポピュラーなのが、不動産を証券化したものでしょう。

証券コード
全ての上場会社に対して、1社ごとに割り当てられた4桁の番号を言います。「銘柄コード」とも呼ばれています。株価を検索する時は、この証券コードで探す方が簡単になります。慣れてくると、保有している銘柄や、気になる銘柄の証券コードは自然に覚えられるでしょう。

証券市場
有価証券の発行、並びに、流通のための市場を言います。「株式市場」と同じ意味です。その他にも広い意味で使われていますが、“日本の証券業界全体”や“東京証券取引所の全般”としても用いられています。

証券取引所
有価証券の売買を行う場所のことで、正式には金融商品取引所と称します。現在は国内に4か所の取引所があります(東京、名古屋、福岡、札幌)。ちなみに、投資家が証券取引所に直接行っても売買できません。投資家は取引所の会員である証券会社に注文を出し、売買取引を仲介してもらう必要があります。

証券取引等監視委員会
略称「SESC」。証券取引等監視委員会は、公正な証券取引が行われるよう、不公正な取引をチェックし、摘発する機関で、金融庁の外局です。インサイダー取引、相場操縦、風説の流布、損失補てんなどの不正行為・不正取引を常にチェックしており、例えば、インターネット上での掲示板への書き込みも全て監視されていると思われます。証券取引等監視委員会のホームページでは、こうした不正行為に関する情報提供を呼び掛けています。

証券取引法
投資家保護のたねに証券取引に関する基本規則を定めた法律です。断続的に強化・改正されていましたが、他の金融商品に関する取引も加わり、2007年9月に金融商品取引法として生まれ変わって、現在に至っています。従前の証券取引法に比べて、罰則規定が厳しくなっているのが特徴です。

証券保管振替機構
株券、債券、投資信託の受益証券等を集めて、一括して管理する制度を「証券保管振替制度」と言います。それら証券を集めて一括管理するのが、「証券保管振替機構」です。株券などは、その都度の名義書換手続きが不要になります。一般には「ほふり」と呼ばれています。この制度の発足以降、今現在では、投資家自身が株券を保有することはなくなりました。

上場基準
株式会社が発行する株式を、取引所に上場するために必要な条件を言います。これは、広く一般の投資家から資金調達を行うため、発行会社には健全性、公平性、取引の安定性が求められるためですが、その最低条件を指しています。具体的な審査要件は、流通株式数、純資産額、株主数、利益まはた時価総額、その他です。上場審査をクリアーすれば上場になりますが、その条件は取引所ごと、或いは、市場ごと(1部、2部、新興市場)で異なっています。

上場廃止
上場済みの株式について、証券取引所が上場継続不適と判断し、投資者保護の目的から証券取引所での取引を終了することを言います。上場廃止となる基準は各証券取引所によってやや異なりますが、大きな理由としては、上場契約違反、合併などによる法人格消滅、完全親会社設立(完全子会社化)、会社の倒産(経営破綻)等です。また、会社側の方で、自主的に株式上場廃止申請を行う場合もあります。基本的には、上場廃止は良いニュースではありません。

上場廃止基準
上場済みの株式が上場廃止になる時の基準を言います。主には、場契約違反、合併などによる法人格消滅、完全親会社設立(完全子会社化)、会社の倒産(経営破綻)等です。証券取引所によって多少異なります。

上場来高値
その株式が取引所に上場して以来の最高の株価を言います。逆に、上場以来の最低の株価を「上場来安値」と称します。「上場来高値」は、事実上、過去最高値と同じ意味と考えていいでしょう。

譲渡損失の繰越控除
上場株式等の譲渡で生じた損失額のうち、その年に控除しきれない金額を、翌年以降の3年間に渡り、繰り越して控除できる制度のことです。大きな節税効果となりますので、是非とも覚えておきたい制度です。ただし、この制度を受けるためには、株式や投資信託を、証券会社を通じて売却した場合に限られます。また、自分自身で確定申告をすることが必須要件となりますので、注意が必要となります。

消費税率引き上げ
2014年4月1日に、消費税の税率が従来の5%から8%に引き上げられました。国内の消費に大きな影響を与えたため、2015年10月に予定されていた再増税(8%を10%へ引き上げ)は、2017年4月に延期されました。消費税の引き上げは、増大する社会保障費の財源にするとなっていますが、肝心の国内景気には大きなマイナス要因となることは避けられず、今後も大きな議論を呼ぶことは間違いないでしょう。

新株予約権付社債
エクイティファイナンスの1つで、ワラント債のことを指します。予め決められた価格で発行会社の新株を買うことが出来る権利を「ワラント(新株予約権)」と言います。このワラントが付いた社債を「ワラント債(新株予約権付社債)」と称します。これに似たもので「転換社債(CB)」というものがあります。大きな違いは、ワラント債においては、権利行使して発行会社の新株を購入しても、償還期限まで債券は消滅しないことです。

新興市場
株式市場の1つで、上場基準が緩く、ベンチャー企業等の創業年数が浅くて実績がまだ不十分ながら、今後の成長性が高いと見られる株式会社が数多く上場している株式市場の総称です。成長力があると認められれば、赤字でも上場できる場合があります。日本では、東京証券取引所にある「ジャスダック(JASDAQ)」と「マザーズ」が大きな新興企業市場として知られています。

申告分離課税
分離課税の一種で、総合課税の勘定とは別に課税される税金であり、確定申告の段階で、他の所得と合算せず、分離して課税する制度を言います。源泉徴収課税と異なり、所得が発生した時点では(所得から)天引きされません。株式投資においては、上場株式の譲渡所得等が対象となっています。ただし、証券会社の特定口座制度を利用している人は、自身で確定申告をする必要はありません。

信用売り
信用取引において、証券会社から株式を借りて、その株式を売却する取引のことです。「空売り」とも言います。今後、株価が下落すると判断した投資家が行う行動です。決済方法は、反対売買(買戻し)、または、現渡しがあります。

信用買い
信用取引において、証券会社から資金を借りて、株式を買うことを言います。資金を借りている間は、金利の支払いが発生します。今後、株価が上昇すると判断した投資家が行う行動です。尚、決済方法は、反対売買(銘柄売り)、または、現引きがあります。

信用残
信用取引での売り買いそれぞれの残高のことです。買いの残高を「信用買い残」、売りの残高が「信用売り残」となります。信用取引を行った投資家の、その時点でまだ決済をしていない残高とも言えます。買い残は、将来の決済時において、その資金を返済するために、該当株式を売却すると予測されます。従って、買い残が積み上がれば、今後の売り圧力となって、株価の下落要因になります。逆に、売り残が積み上がると、その株式を買戻しすることが予測されるため、株価の上昇要因になると考えられます。

信用取引
投資家が証券会社に一定の委託保証金を担保に差し入れ、一般的には担保の3倍程度まで資金、または、株式を借りて行う取引を言います。レバレッジが効く分、利益や損失の額が大きくなります。尚、証券会社から資金を借りている間は、金利の支払いが発生します。株式投資の初心者は信用取引には手を出さすに、まずは、通常の取引に勤しんで下さい。

信用倍率
その銘柄について、信用取引における「買い残÷売り残」で算出された比率を「信用倍率」と言います。信用倍率が高いと「取り組みが悪い」、信用倍率が低いと「取り組みが良い」と表現されています。取り組みが良いと、つまり、信用倍率が低いと、そのこと自体が買い材料となり、株価の上昇につながる場合が多々あります。特に、売り残が増えて、信用倍率が1倍を割り込むと、株価が底をついたと判断されるようです。

信用リスク
信用取引とは一切関係ない言葉です。預金先の金融機関、債券や株式の発行体、保険契約の保険会社、等の経営状態が悪化し、元本や契約した保険などが受け取れなくなるリスクを言います。日本では、1990年代終盤に大手銀行、大手証券会社、中小保険会社が経営破たんを起こし、この信用リスクが改めて意識されました。また、2008年のリーマンショック時にも注視されました。

ストップ安
株価が一度に大きく変動すると、投資家に不利益を与えたり、市場が混乱したりするため、前日の終値を基準として、1日の株価変動幅が決められています。この幅のことを「制限値幅」と言い、その幅いっぱいで株価を制限することを「値幅制限」と言います。その制限値幅の下限まで下落したことを「ストップ安」と呼び、逆に、制限値幅の上限まで上昇することを「ストップ高」と呼びます。その日の株価は、ストップ高以上には上昇しませんし、ストップ安以下にも下落しません。

ストラテジスト
経済動向や政治情勢などを分析して、投資の方針を立てたり、投資の具体的戦略を設計したりする立案者を言います。ただ、アナリストとは違って、ストラテジストという資格そのものは存在しません。実際には、個別銘柄ではなく、株式相場全体の方向性を予測するのが最大の任務となっているようです。証券会社のストラテジストの意見は、あくまでも参考程度に聞いておくことが望ましいと言えましょう。

スワップポイント
スワップポイントとは、為替差損益以外にFX(外国為替証拠金取引)で得られる利益の1つで、2つの通貨の金利差のことをいいます。つまり、日本のような低金利通貨を売って、豪ドルのような高金利通貨を買うと、その金利の差額を受け取ることができます。スワップポイントは、金額こそ大きくありませんが、毎日付与されるため、大変魅力的な利益となっています。株式投資には全く関係ない言葉です。

制限値幅
株価が一度に大きく変動すると、投資家に不利益を与えたり、市場が混乱したりするため、前日の終値を基準として、1日の株価変動幅が決められています。この幅のことを「制限値幅」と言い、その幅いっぱいで株価を制限することを「値幅制限」と言います。その制限値幅の下限まで下落したことを「ストップ安」と呼び、逆に、制限値幅の上限まで上昇することを「ストップ高」と呼びます。

成長株
企業の売り上げや利益の成長率が高く、その優れた成長性ゆえに株価の上昇が期待できる株式のことで、「グロース株」とも呼ばれています。革新的な商品やサービスを通じて市場シェアを拡大し、増収増益を続けているような企業が多く、一般に投資家の人気が高いという特徴がありますが、明確な定義がある訳ではありません。将来の成長性の高い銘柄と考えておけばいいでしょう。

制度信用取引
信用取引には、「制度信用取引」と「一般信用取引」の2つがあります。「制度信用取引」は、証券取引所がルールを定め、期限や金利が統一された信用取引です。一方、「一般信用取引」は、証券会社が独自のルールを定める信用取引です。投資家が信用取引を行う際、どちらにするか選択しますが、選択後は変更することができない決まりになっています。また、全ての証券会社が一般信用を取り扱っているとは限りません。

政府系ファンド
「ソブリン・ウエルス・ファンド」とも呼ばれており、各国の政府が設立し、政府が資金の出し手となって運用されている基金を言います。代表的なのが、産油国のオイルマネーで成り立つ政府系ファンドですが、オイルマネー以外にも、為替介入や製品輸出収入が資金源となっているファンドも多くあります。世界の株式市場で一大勢力となっており、日本の株式市場にも非常に大きな影響を与えていると言っていいでしょう。

潜在株式
普通株式を取得、または転換できる権利や、契約により潜在的に増加しうる株式のことです。具体的には、転換社債、ワラント債、ストックオプションなどの権利を行使した際に発生する株式のことを意味します。ただ、この権利を行使しない限りは、株式にはならないことに注意しましょう。正しく、“もしかしたら株式になるかもしれない”という株式のことです。尚、潜在株式が実際に株式になると、発行済株式数が増加するため、1株当たりの株式指標が低下します(悪化します)。

前場
証券取引所が開いている時間帯のうち、午前中を前場、午後を後場と言います。東京証券取引所では、前場が9時~11時30分まで、後場は12時30分~15時までとなっています。前場の終了を「前引け」と呼んでいます。

総合課税
個人の所得税の課税方法の1つです。区分の異なる所得(給与所得、事業所得、不動産所得、等)を合計し、所得控除(配偶者控除、医療費控除、等)を行い、残った課税所得に決められた税率を乗じて、所得税額を求める方法です。原則として、自身で確定申告をすることが必要になります。

増資
会社が投資家から新しい資金を募り、資本を増やすことを言います。増資の目的は、事業拡大に伴う資金を集めることが多いようですが、事業再編を進める上での、いわゆる“リストラ資金”を確保するための増資も散見されます。出資する投資家には新株を発行して交付します。また、増資により発行済株式数は増加しますので、株価にはマイナス要因となることがほとんどです。増資の方法としては、株主割当発行増資、公募発行増資、第三者割当発行増資等があります。

総資産
企業の全ての資産を意味します。貸借対照表上の負債と純資産(資本)の合計額のことで、ただ単に「資産」と呼ばれることもあります。

相対取引
大口の株式取引や債権の一部、または外貨やFX等の売買で採用されている取引手段です。「売り手」と「買い手」が直接、価格や数量などの条件交渉を行って取引します。市場を通さずに取引することが最大の特徴で、相場に影響を与えずに取引できるメリットがあります。一般的には、証券会社などの取引業者が投資家の相手方となって売買を成立させるもので、実際には、業者側が提示した条件で取引を行っているようです。個人投資家が行う、通常の株式取引等には適用されません。

増担保規制
証券取引所が行う措置の一つで、信用取引による担保を通常よりも引き上げる措置のことを言います。委託証拠金率の引き上げや現金委託証拠金率の設定などの措置が一般的です。尚、規制前に建てられた建て玉分については、増担保規制の対象外となります。また、証券取引所が実施する措置以外にも、各々の証券会社が独自に増担保規制を実施するケースもあります。

増配
株主に対して支払う配当金が、前の期よりも増えることを言います。一般に、業績向上に伴う「普通増配」、企業の設立周年や創立周年などを記念する「記念増配」、特別の意味をこめる「特別増配」などがありますが、これらを総称して「増配」と呼んでいます。また、保険配当などにも用いられる用語になっています。

ソブリン債
国の中央政府や政府機関、国際機関が発行する債券を言います。ただし、日本の国債をソブリン債とは呼びません。一般には、外貨建てで発行される外国政府や外国政府機関が発行する債券を指します。また、先進国の国債を指している場合も多く見られます。

損益通算
2種類以上の所得について、黒字と赤字があった場合、それらを一定の順序に従って差し引くことです。それによって、支払う税金を少なくすることが可能となります。ただし、所得の組み合わせによっては(例えば、給与所得と通常でない譲渡所得など)、損益通算が認められない場合があるので注意が必要です。株式投資では、申告分離課税を選択することで、譲渡所得(損失)を配当所得等と損益通算ができます。

損切り
非常に重要な言葉です。購入した株式等が予想に反して値上がりしなかった場合に、損失を覚悟の上で売却することを言います。これは、確定していない損を確定させることであり、小さい損失額のうちに確定させるのが良いと言われています。個人投資家にとって最重要テーマの1つである「大負けしないこと」を成し遂げるためには、必須のアクションとも言えます。

損失補てん
証券会社が、株式・債券など有価証券の売買で生じた顧客の損失の全部または一部を補填することを言います。当然、重要な違法行為に該当します。また、顧客が証券会社にこれを要求することも禁止されており、要求しただけで刑事訴追される場合もあります。1991年には大規模な社会問題に発展したことがありました。

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