当記事では株の初心者がやりがちなミス4選を紹介していきます。株を始めたいけど、ミスがコワイという方や、株をはじめて間もない初心者の方にぜひ確認いただきたい内容となっています。やってしまいがちなミスに気をつけて株式投資を行っていきましょう。
目次
株の初心者がやってしまうミス4選
それでは早速、株の初心者がやってしまいがちなミスについて大きく4つに分けて紹介していきます。1つ目は「1つの銘柄に集中して投資をしてしまった」、2つ目は「利益確定したが、売りのタイミングを逃した、3つ目は「資金がないのに信用取引で投資」、4つ目は「テレビや雑誌で話題になっている株を買った」です。それぞれ順番に紹介していきますので、もし自分に当てはまるものがあれば、注意して株式投資を行ってください。
ミスその1:1つの銘柄に集中して投資をしてしまった
株の初心者がやってしまいがちなミスの多くに、1つの銘柄に集中して投資をしてしまったというのがあります。1つの銘柄に集中して投資をしてしまうと、株価が下がったときの損失が大きくなります。そのため、1つの銘柄に集中して投資をすることはやめましょう。
株式投資をする際には銘柄を分散して投資をすることをおすすめします。分散して投資をすることで、株価が下がったときの損失を軽減することができます。
また、分散には3つの方法があります。1つ目は銘柄の分散、2つ目は地域の分散、3つ目は時間の分散です。
1つ目の銘柄の分散は、複数の企業の銘柄を保有することです。
2つ目の地域の分散は、例えば、米国株と日本株など、複数の国の銘柄を保有しておくこと。3つ目の時間の分散は購入する時間を分けることです。この様に分散して投資をすることで、株価が下がったときの損失を軽減することができます。
ミスその2:利益確定したが、売りのタイミングを逃した
2つ目が、利益確定下が売りのタイミングを逃したというミスです。例えば、新製品が話題となって保有していた株の株価が上昇したとしましょう。株価は想定よりも上昇し、目標としていた水準をすでに超えていました。
しかし、その新製品に不具合がでてしまい、株価が下落。売ろうと思ったときは買ったときの値段よりも下がってしまっていたというような例です。欲をかいて売りのタイミングを逃してしまっては元も子もないなので、売りのタイミングを逃さないようにしましょう。
売りのタイミングを逃さないためには目標とした金額に達した際にすぐに売りに出すといった行動に出られるかどうかがポイントです。あらかじめ目標設定をし、目標金額に達したら売るというルールづけが重要になってきます。
ミスその3:資金がないのに信用取引で投資
ミスの3つ目が資金がないのに信用取引で投資をしてしまったという例です。信用取引とは、株や現金を担保にし証券会社に預け、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、売ったりする取引のことです。
最大預けた担保の評価額の約3.3倍まで株式の取引ができますが、株式投資をはじめて、少しでも利益が出た場合に欲がでて信用取引に手を出してしまうのはやめましょう。信用取引で空売りを開始し、数百万円の損害を出し、結果借金になってしまうというケースもあります。
株式投資をする際は資金に余裕を持った状態で行うことが先決です。資金が満足にない状態で株式投資をするのはやめましょう。
ミスその4:テレビや雑誌で話題になっている株を買った
ミスの4つ目は、テレビや雑誌で話題になっている株を買ってしまったというパターンです。例えば、テレビや雑誌で話題になっている企業をみつけたとします。株価をみると確かに高騰していたので株式を購入、しかし、購入後にまもなく株価は下落。購入したときには株価が上がり切った状態だったのです。
購入するタイミングとしては遅かったと言えるでしょう。
また、株で有名なブロガーなどがすすめている株についても同じことが言えます。慌てて購入したけど、購入後に株価が下がってしまうというケースもあります。
話題になっているということは株価が高騰することはもちろんですが、タイミングが遅いと上がり切ってしまっているために、その後に下落する可能性が高いです。
株の初心者がミスを防ぐために気をつけたいこと4選
株の初心者がミスをふせぐためにやっておきたいことは4つです。初心者はデイトレードをなるべくしないこと、資産管理を徹底すること、取引ルールを決めておくこと、情報は自分で集めて判断することなどです。
初心者がデイトレードをしない
プロとアマチュアが一緒になって取引をおこなうのが株式市場です。このなかで、プロと呼ばれる機関投資家は綿密な戦略のもと、多額の資金を動かして日々売買を行っています。
機関投資家が市場に投じる多額の資金は、価格の動きに大きな影響を与えます。市場における資金量の割合が多いので、相場を独自で形成する可能性も高くなりがちです。
資金の流入、あるいは引き上げ時には価格に影響が出やすくなり、機関投資家に続いて一般投資家もその流れに乗ろうとするので、取引量が少ないマーケットでは価格の変動が一時的に大きくなる可能性があります。
初心者だけでなく、プロ投資家でもタイミングを見計らって売買をするのは難しいことですが、デイトレードをする場合、特に近視眼的な見方をしてしまうため、誤った流れに乗ってしまう可能性があります。適切な売買判断ができなくなり、結果的に間違ったタイミングで売買を行ってしまわないよう注意が必要です。
資産管理を徹底する
株式投資は余裕資金で行うのがベストです。投資する資金はあらかじめ決めておき、生活資金まで投資をしないようにします。
投資をしている最中に、前項のような思わぬ下落に見舞われる可能性もあります。思わぬ損失にがっかりするかもしれませんが、取り返そうとは思わないほうがよいでしょう。
このような考え方はまさに投機です。再び投資をしても、無くしたお金が取り返せるとも限りません。
これらを防ぐために、自分が取引によってどれくらい利益を得て、損をしたか、取引の都度、明確にしておきます。いくら投資ができるかも把握しておきましょう。損益を客観的に把握できれば、冷静に取引をおこなうことができます。
ロスカットなど取引ルールを決めておく
株式投資をおこなう上で、自分なりの取引ルールを決めておくことは大切です。ひとつの銘柄に投じる上限の金額や、損切りや利益確定のタイミングなどは事前に決めておきましょう。
当たり前ではありますが、将来の株価を予想はできても、ピタリと当てることはできません。損切りや利益確定の自分が決めたルールに従って投資をすれば、自分が想定する利益や損失の範囲で取引ができるようになります。
逆にルールが無ければ、損失が出ていても損切りできず、損失を抱えたまま持ち続けることになります。また、利益確定しなかったために、いつのまにか株価が下って損失が生じる可能性もあります。
売買のタイミングはプロでも判断が難しいところです。自分なりに割り切って、ルールを決めておけば売買がラクになります。
情報は自分で集めて判断する
株式投資をするのなら、より多くの情報があったほうが有利です。投資先企業の経営状態がわかり、投資判断に役立つことになります。
株主総会に出席してもいいですし、証券会社の主催するオンラインセミナーなどに参加するのもよいでしょう。
昔から活用されている四季報などを参考するのもいいですね。財務諸表を調べられるだけでなく、様々な指標や記者による業績予測なども掲載されています。
財務諸表を読み解くには、それなりの知識や経験が必要ですが、見方のコツやポイントなどはネットやユーチューブ、SNSでも公開されています。有料のものもありますが、専門家が発信している無料の情報もあります。
信頼できる専門家などの情報を参考にするとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまでの内容をまとめておきます。
株の初心者がやってしまうミス4選
- ミスその1:1つの銘柄に集中して投資をしてしまった
- ミスその2:利益確定したが、売りのタイミングを逃した
- ミスその3:資金がないのに信用取引で投資
- ミスその4:テレビや雑誌で話題になっている株を買った
株の初心者がミスを防ぐためにやっておきたいこと4選
- 初心者がデイトレードをしない
- 資産管理を徹底する
- ロスカットなど取引ルールを決めておく
- 情報は自分で集めて判断する
当ページを参考に、初心者がやりがちなミスを防いで株式投資を行ってみてください。少しでも参考になれば幸いです。
執筆者:土屋 史恵(編集者/ファイナンシャルアドバイザー/AFP)
神戸市外国語大学卒業後、ジブラルタ生命保険、りそな銀行、東京スター銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。現在はこれまでの金融機関勤務経験を活かし、金融サービスを提供する企業でメディアの編集業務などを担当。趣味はバラ栽培、ガーデニングで学生時代から20年以上続けている。AFP(AFFILIATED FINANCIAL PLANNER)、一種外務員(証券外務員一種)等の資格を保有。
執筆者:藤原悠喜(記者/編集者/元Web Marketing Specialist)
専門学校を卒業後、印刷会社にてBtoB、キャリア代理店にてBtoCの営業を経験。その後、IT企業の営業職に従事。2年間の東日本と西日本を駆け回る生活を経て、「日本における働きがいのある会社」ランキングにもランクインしたベンチャーグループに入社。インサイドセールスを経験しながら、デジタル広告の運用を兼任した後、Webメディア立ち上げや運営に6年間従事。Webマーケティングが専門。現在は、LIMO編集部において、記事の執筆やコンテンツ作成を中心に行っている。映像音響処理技術者認定試験合格、舞台機構調整技能士3級、クレジットカードマニア、加熱式たばこ愛煙家
監修者:泉田良輔(経営者/証券アナリスト/元機関投資家)
1976年生まれ。愛媛県松山市出身。株式会社ナビゲータープラットフォーム取締役。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」コンテンツマネージャー統括。東京工業大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。著書に『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資』(ダイヤモンド社)、『テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図』『銀行はこれからどうなるのか』(いずれもクロスメディア・パブリッシング)、『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』(KADOKAWA)、『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』(日本経済新聞出版社)。また「日経BizGate」での連載「泉田良輔の新・産業鳥瞰図」や「現代ビジネス」、「東洋経済オンライン」、「プレジデント」などへの寄稿や対談も多数。