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株を買ってみることは、株式投資の最初の一歩です。しかし、いざ株を買うとなると、どうやって買ったらいいのか悩んでしまうのではないでしょうか。
株を買うためには、事前に準備しておかなければならない手続きや作業があります。しかし、一度やってしまえば、2回目からはスムーズに株を買うことができます。
この記事では、株を買う前に準備する手続きや作業を説明し、実際の注文の出し方も説明していきます。株を買う手順に慣れると、買い時を逃すことなく、投資判断をスムーズに行うことが可能となります。
また、株を買った後の適切な過ごし方等も紹介していきます。株式投資とは、株を買って終わりではなく、その後に売ってリターンを得るまでを意味します。株式投資の一連の流れを理解することで、高いパフォーマンスを達成するために各々の過程ですべき事前準備や手続きが分かります。
【コラム:そもそも株でいいですか?】
この記事を読んでくださってる皆様は、株の始め方や買い方にご興味をお持ちだと思います。
筆者も多くの方に株に興味を持っていただきたいですが、株式投資が数ある資産運用の中でもレベルが高い領域にあることも確かだと思います。「たまたま思い浮かんだ資産運用が株だっただけなんだよな」という方は、無料で受けられる資産運用セミナーに参加して自分が何を求めているのかを把握するのも一つの方法です。
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目次
1 株を買える場所は証券会社だけ
株を売っているところは、証券会社です。証券会社以外では株を買うことができません。
1.1 証券会社は対面型証券とネット証券の2種類
証券会社を大きく分類すると、対面型証券とネット証券の2種類になります。対面型証券とは、「○○支店」という店舗を持つ大手証券会社や中小証券会社のことで、その名の通りに証券会社の担当スタッフと直に接することができます。
一方のネット証券とは、インターネット経由で証券を売買するなど、すべての取引を完結できるサービスを提供している証券会社のことです。店舗を持たないことから、オンライン証券とも言います
<対面型証券のメリットとデメリット>
対面型証券会社の最大の魅力は、担当の営業マンに質問したり、アドバイスを受けたりすることができることです。これはネット証券では一切受けることができないサービスです。一方で、株の売買取引に関わる手数料が高いことがデメリットです。
<ネット証券のメリットとデメリット>
ネット証券の最大の魅力は、その手数料の安さです。平均すると対面型証券の10分の1から20分の1くらいです。一方で、担当営業マンから情報を得たり、相談に乗ってもらったりすることができないデメリットがあります。全ての投資行動を誰にも相談せずに決めなければなりません。
図表1
対面型証券 | ネット証券 | |
---|---|---|
取引手数料 | 高い | 非常に安い |
情報の提供 | 豊富 | ほとんどない |
相談・質問 | 担当スタッフが対応 | できない |
*営業時間内に限る | *取引の内容、各種手続き等はコールセンターで対応可 |
1.2 株初心者におすすめのネット証券3社はここだ!
ご参考までに、株1(カブワン)編集部が初心者向きだと考えるネット証券3社の特徴をそれぞれワンフレーズでご紹介します。詳細は「株初心者におすすめのネット証券3社」をご覧ください。
SBI証券:国内株式個人取引シェアNo.1
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1.3 口座開設のポイント
証券会社を選定したら、口座を開設します。口座開設申込書に必要事項(住所、氏名など)を記入して、本人確認書(運転免許書やパスポート等)と一緒に提出します。証券会社のホームページにアクセスして、インターネットで申し込むことも可能です。
口座を開設した後、その口座に株を買うお金を入金します。口座にお金を入金しないうちは、株を買う注文を出しても受け付けてくれません。口座に入金したお金を投資資金と呼びます。
参考:証券会社に口座開設する前に知っておきたい3つのポイント
なお、2016年1月から、証券会社で新規口座開設をする際には、マイナンバーが必要になりました。2015年末までにすでに開設済みの口座についてもマイナンバーを登録しなければなりません。
詳細は「証券会社にマイナンバー?必要な理由と手続きまとめ」をご覧ください。
2 株を買う時に必要な3つのキーワード「銘柄」「価格」「株数」
株を買う時には、何を(銘柄)、いくらで(価格)、どれだけ(株数)買うのかを決めておきます。この3つの情報は必須です。1つでも欠くことができません。
2.1 買いたい株(銘柄)の整理
買いたい株が決まったら、その株(銘柄)の会社名と銘柄コードを調べます。銘柄コードとは、その会社に付いている4ケタの数字です。たとえば、トヨタ自動車ならば「7203」という銘柄コードが付いています。この銘柄コードだけでも注文を出すことができます。
銘柄コードは、会社四季報の他、インターネットでも簡単に調べることができます。たとえば、ソニーの銘柄コードを調べたい時は、「ソニー 銘柄」で検索してみましょう。
2.2 いくら(価格)で買うか決める
その株をいくらで買いたいのか考えましょう。具体的な価格が決まっていれば、その価格で注文を出しますが、これを「指値注文」と呼びます。もし、具体的な価格が決まっていない場合は、その時々の市場の取引の価格で買うことになります。これを「成行注文」と言います。株を買う時の注文は、この2つのうちどちらかとなります。
指値注文の場合、実現可能で現実的な価格にする必要があります。たとえば、現在の市場の取引価格が1,000円前後の場合、700円などの安い価格で指値注文しても、売買が成立する可能性は低く、いつになっても株を買うことができません。直近2~3日間での最安値や、当日の安値を少し下回る価格などの具体的な希望価格を考える必要があります。
ただ、最初からこうした具体的な希望価格を持つことは、多くの人にとって少し難しいようです。そのような場合は、成行注文にすることがよいでしょう。成行注文の場合、現在取引されている価格から大きく乖離した価格になることは、まずありません。たとえば、現在の市場の取引価格が1,000円前後の場合、980円から1,020円くらいの間に収まると考えられます。
2.3 どれくらい(株数)買うか決める
その株をどれくらい買うのか決めます。証券会社に開設した口座へ入金した金額以内となります。最初に買う時は、最低単位元株数(100株、もしくは、1,000株)にするのがよいでしょう。
それは、買った後に様子見ができるからです。株価は常に変動しますが、もし買った後に大きく下げてしまった場合、最低単位元株数ならばその影響を最小限に抑えることができます。
3 注文の出し方
事前の準備や手続きが終わったら、いよいよ株を買ってみます。
3.1 「対面型証券」と「ネット証券」での違い
証券会社に株を買う条件(銘柄、価格、株数)を知らせることを、注文を出すと言います。株を買う時は、この「注文」を出さなくてはなりません。ただし、対面型証券とネット証券では注文の出し方が違ってきます。
対面型証券では、担当の営業スタッフに直接、あるいは電話で注文を伝えます。その担当スタッフから確認がありますので、大きな間違いを起こす可能性は低くなります。一方のネット証券では、スマホ等の端末に自ら入力して注文を出します。システム端末が確認メッセージを表示しますが、対面型証券のように十分なものではありません。そのため、数字の入力ミスなどを起こしやすくなります。自分自身で慎重に注文を入力する必要があります。
3.2 「指値注文」と「成行注文」の違い
注文を出す時、価格を指定する「指値注文」にするか、価格を決めない「成行注文」にするか決める必要があります。通常、指定しない場合は成行注文となります。
図表2
指値注文 | 成行注文 | |
---|---|---|
価格の指定 | あり | なし |
対面型証券 | 担当スタッフがどちらにするか尋ねてくる | |
ネット証券 | 自身で選択 | 自身で選択 |
対面型証券の場合、担当スタッフが指値か成行かを尋ねてきます。しかし、自らが入力するネット証券の場合は、指値か成行かを決めなくてはなりません。従来のネット証券では、この選択をしない場合、自動的に成行注文となることが多かったようです。しかし、現在では、成行注文も自身で指定するようになっています。
3.3 株数を決める際の注意点
口座の残金が少ないと注文が受け付けられなくなります。「おおよその価格×買う株数」が残金にあるかどうか確認します。
残金が少ない場合、対面型証券は担当スタッフが教えてくれます。また、ネット証券の場合は、残金以上の買付けができないようになっています。いずれの場合も、残金以上の買付けはできないようになっていますが、買う株数には常に注意することが必要です。
3.4 「買い注文」が出せる時間
注文を出せる時間は、対面型証券とネット証券では大きな違いがあります。
図表3
対面型証券 | ネット証券 | |
---|---|---|
注文が出せる時間帯 | 営業時間内 通常8:30~17:00 |
24時間 |
15時以降に出した注文 | 翌営業日に繰り越し | 翌営業日に繰り越し |
対面型証券の場合、注文が出せるのは営業時間内(通常は8時半~17時)となります。ただし、15時以降の注文は翌日に繰り越しになる場合が多いようです。一方、自分で入力するネット証券では、24時間いつでも注文を出すことができます。日中に時間が取れない人は、夜遅くや早朝に注文が出せるので非常に便利です。ただし、15時以降の注文が翌日に繰り越されるのは対面型証券と同じです。
3.5 「買い注文」の成立の確認
株式の取引において、買い(または売り)の注文が執行されて売買が成立することを「約定」と言います。大体の場合は、出した注文はその日中に約定されます。対面型証券の場合、担当の営業スタッフから電話で「約定しました」という旨の連絡があります。一方、ネット証券の場合は、自分の口座にアクセスして確認する必要があります。
ただし、指値注文で希望した価格が合わない時、その銘柄の取引量が極端に少ない時、その銘柄への買い注文(または売り注文)が殺到した時などは、約定されないことがあります。
買い注文が約定されなかった場合、その注文はいったんキャンセルになることが多いようです。その際は、もう一度改めて注文を出す必要があります。対面型証券では担当スタッフに確認しておきましょう。また、ネット証券では、自分自身でスマホ等の端末で確認しておきます。
4 売り時を逃さないためにすべきこと
株を買った後、その株を持ち続けるのか、あるいは、何処かのタイミングで売るのかを常に考えておくことは、株式投資のリターンを可能な限り大きくするために非常に重要です。売り時を逃すとリターンが小さくなるだけでなく、損失を計上してしまう場合もあるのです。
買った後で行う準備、日々の確認作業、そして、万が一、株価が大きく下がった時の対処方法を事前に習得しておくことで、株式投資を成功に導く可能性がより高くなります。
4.1 目標株価を決める
この価格なら株を売って利益を得たい、という価格を決めましょう。この価格を「目標株価」と言います。目標株価の決め方は、「買った価格の+10%増し」や「直近1年間の高値」など様々ですが、現実的な価格にすることが必要です。「買った価格の2倍以上」等としていると、いつになっても株を売ることができなくなります。
4.2 株価は毎日チェックする
株を買った後、その株価をチェックすることも株式投資の一部です。一日中常にチェックする必要はありませんが、1日に1回くらいチェックするのが望ましいと言えます。株価は動く時は大きく動くパターンが多いため、しばらく株価をチェックしない間に、売り時を逃してしまうことはよくあります。また、定期的に株価をチェックすることで、株式投資をより身近に感じることができるようになります。
4.3 株価が上がったら売り時を考える
買った株の価格が目標株価に達したら、いったん株を売ることを考えます。その際に、株価がまだ上がりそうなのか、あるいは、もう上がりそうでないのかを判断します。この判断は少し難しいですが、株価チャートなどを見て参考にするのも1つの手段です。
4.4 株価が下がった時の対処法
買った株の株価が大きく下がった時、あるいは、毎日のように下がる時、どうしても心配になってしまうものです。そこで一番重要なことは、狼狽しないことです。その株価下落がどうして発生したのか、新聞やニュースなどを見て確認しましょう。対面型証券会社の場合は、担当の営業スタッフに聞いてみることも必要です。
株価が下がった時の行動も株式投資の重要な一部です。株価は上がる時も下がる時もあることを念頭に入れ、適切に対処しましょう。一時の過度な心配で投げ売りに走ることは、株式投資では絶対避けるべきです。
5 まとめ
株を買うには、まずは証券会社を選定して口座を開設します。その準備が終わったら、必要な3つのキーワード「銘柄」「価格」「株数」を決めて、注文を出します。ただし、対面型証券とネット証券では注文の出し方、約定の確認方法などで違いがあります。口座を開設した証券会社がどちらなのかを確認して、あらかじめその違いを覚えておきましょう。
株式投資は、株を買った後も重要です。売り時を逃さないようにするために、株を買った後の行動も整理しておきましょう。特に、株価が下がった場合に、冷静に対処できるようにしてくことが必要です。これら一連の流れを習得しておけば、堅実な株式投資を行うことができます。