PR
世界で3本の指に入る大金持ちで投資家兼経営者であるウォーレン・バフェット。バフェットをここまでの成功に導いた投資のルールは極めてシンプルなものです。ここではバフェットが明言する6つの投資ルールを整理し、バフェットの投資銘柄についてみていきます。また、最近のバフェットの投資スタイルに変化が見られますので、その点も解説していきます。
【ざっくりいうと】
- バフェットは大の米国好きであり、それがゆえに米国株投資が中心
- バフェットは投資の際には未来の目標よりも過去の実績を重視する
- 日本株でもバフェットの投資ルールに合うような企業は存在する
目次
1 バフェットは大の米国好き
バフェットの投資ルールやその銘柄について考える際に、日本の個人投資家の皆様に留意していただきたいことがあります。それは、バフェットが大の“米国好き”ということです。
バフェットが経営する保険会社バークシャー・ハサウェイのアニュアルレポートに記載されてもいることですが、米国の将来性を信頼しているし、その可能性に賭けているのです。
したがって、バフェットが投資するような銘柄に投資をしたいとお考えの投資家は株式投資の初心者であってもこれからお話しするバフェットの6つの投資ルールを参考に米国株に投資をすることをおすすめします。
【米国株投資ならマネックス証券がおすすめ】
米国株に投資をするなら、ぜひマネックス証券への口座開設を検討してみてください。マネックス証券は164万を超える口座数を有するネット証券大手のひとつです(2016年3月末現在)。米国株の取り扱いが非常に豊富で、その取扱銘柄数はネット証券の中で最多の3,000銘柄以上に上ります(2016年3月31日現在)。手数料もネット証券の中でも最安です。また、投資家への情報提供にとても力を入れており、株式市場全体の見通しや投資戦略に関する自社レポートに加え、個別銘柄に関するアナリストの投資判断が入ったレポートも豊富に提供しています。ほぼ毎日のように、オンラインセミナーを開催し、口座保有者に無料で提供するなど、少額取引の投資家、売買頻度の高くない長期投資家も大事にしている印象を受けます。
2 バフェットの投資ルールはすべて公開されている
バフェットの投資の秘密など教えてくれないのではないかとお考えの投資家の方もいいかいあと思います。ところが、バフェットは惜しげもなく自分がこだわっている投資のルールについて細かく説明してくれています。バークシャー・ハサウェイのアニュアルレポートで投資(買収)する際のルール(基準)を以下のように簡潔に6つにまとめています。
- 税引き前利益が75百万ドル(1ドル=120円換算で90億円)以上の企業
- 継続的に利益を生み出している企業
- 従業員数が少ないかもしくは借金が少なくROEが高い企業
- (有能な)経営者がいること
- 単純な事業
- (適切な)値段
いかがでしょうか。非常にシンプルなルールではないでしょうか。それでは、バフェットの6つの投資ルールについて一つずつその意味を考えながら見ていくことにしましょう。
ルール1:税引き前利益が75百万ドル(1ドル=120円換算で90億円)以上の企業
そもそも「税引き前利益」とは、どのようなものでしょうか。企業が事業を行い、売上を計上し、必要な経費などを支払った後に残る利益(つまり税金を支払う前の利益)が税引き前利益です。その税引き前利益が90億円以上ということです。相応に大きな金額です。
では、なぜバフェットは税引き前利益を明示しているのでしょうか。バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイという保険会社の総資産は5,262億ドル(1ドル=120円換算で約63兆円)にも及びます。日本を代表する保険会社である日本生命の総資産が約56兆円です。総資産で評価する限り、バークシャー・ハサウェイは日本生命よりも大きな保険会社ということになります。それほどまでに大きな保険会社が投資を行うのですから、事業規模が小さい企業へ投資しても投資全体で見ればリターン小さくなってしまい効率が良くありません。したがって、バフェットが税引き前利益の大きな企業を好んでいるのでしょう。
しかし、理由はそれだけではありません。実は、バフェットがある程度の事業規模を有する企業を好むのには、もっと大きな理由があります。
それは、“企業規模”と“企業の実績”がそれなりに関連していることにあります。バフェットは、昨日今日現れたような「若い企業」はお好みではありません。したがって、バフェットはIPOには手を出さないのです。その理由は次のルールにも関係してきます。
ルール2:継続的に利益を生み出している企業
バフェットは実績がない企業を好みません。また、その実績も1、2年といった短いものではなく、もっと長い期間に渡る実績を見ています。企業経営に携わったことがある方には賛同して頂けると思いますが、継続的に利益を計上することは非常に難しいことなのです。
昔、オリンピックの柔道で金メダルを取った田村亮子選手(現在は谷亮子参議院議員)が、「勝つことと勝ち続けることは違う」と言っていましたが、経営に関しても同じことが言えます。利益を上げることと利益を計上し続けることは、次元が異なります。
バフェットは投資家であると同時に経営者でもあります。バフェットの経営者としての経験がそう言わせるのでしょうか。バフェットは継続的に利益を計上し続ける企業の背景には、事業そのものに強さがあると見ています。バフェットは、未来を無理に予測しようとせず、過去や歴史に学んでいます。長期投資で成功しようと考えるのであれば、先ずは事業の強さに注目すべきです。それも過去に学ぶのであれば、未来を予測するというような特殊能力は必要なさそうです。
ルール3:従業員数が少ないかもしくは借金が少なくROEが高い企業
ROE(株主資本利益率)とはなんでしょうか。ROE(用語辞典へのリンク)をご参照いただければと思いますが、一言でいえば、株主が投資をした資本(=株主資本)でどれくらいのリターン(成果、利益)を上げることができたのか、ということです。株主からの少ない投資でより高いリターンを上げることができるのであれば投資効率の良い事業と言えるでしょう。
バフェットは欲張りです。従業員や借金が少なく、それでいてROEも高い企業が良いのは誰にでもわかります。ただ、そんな条件の良い企業は、そう多くはないでしょう。したがって、このルールには次のようなメッセージが含まれていると理解できます。
『そもそもやたらめっぽう多くの企業へ投資をしないぞ』
つまり自分が気に入ったお好みの条件のそろった企業にしか投資をしないということです。手元にお金があるから、投資をしなければならないということではありません。自分の納得できる条件が揃わなければ、無理して投資をしなくてもよいのです。バフェットは、過去に株価が高くなり過ぎ、投資家にお金を返してしまったこともあるようです。
ルール4:(有能な)経営者がいること
バフェットが経営する保険会社のバークシャー・ハサウェイの年次報告書(アニュアルレポート)には、「(投資をする企業に有能な)経営者がいること。私たちは経営者をあてがうことはできない」としています。
バフェットの投資哲学は、「ゼロから1を生み出す」ものではありません。有能な経営者なくしては、企業の継続的な成長は実現できないからです。したがって、バフェットは常に経営者を見ています。バフェット自身もバークシャーの経営者であるということも関係しているのでしょう。
個人投資家にとって難しいのは、経営者の能力を直接確かめる機会が少ないことでしょう。そこは、ニュースなどの報道や証券アナリストのレポート、Longine(ロンジン)の企業IRに登場する経営者の発言から読み解いていく必要がありそうです。
また、バフェットは、経営者が重要であるとは言いながらも、さらに一歩先を行っています。なぜならば、事業モデルを重要視しているからです。
「愚か者でも経営できるビジネスに投資をしなさい。なぜなら、いつか必ず愚かな経営者が現れるからだ」
出所:史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵
とも言っています。経営者が重要といいながらも、その事業モデルを重視しています。その発言が次の5つ目のルールにつながります。
ルール5:単純な事業を行う企業
バフェットは、複雑な事業が嫌いです。同アニュアルレポートの中でも、「テクノロジー(技術)を駆使した事業は私たちには理解できない」とも言っています。
実際、バフェットの経営するバークシャーが保有する銘柄の中には、コカ・コーラ、ウォルマート、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)など、日本人の私たちでもなじみのある企業が数多く含まれています。
こうした消費財の企業であれば株を始めたばかりやこれから始めようという株初心者にとっても銘柄は選び安ですよね。さて、最後のルールです。
ルール6:(適切な)値段
実は、バフェットは値段に関しては、多くのことを語っていません。企業を買収することの多いバークシャー。投資銀行をはじめとした多くの金融機関からさぞかし多くの売込みがあることでしょう。そんな状況なのか、バフェットは値段に関して時間をかけてあれこれ議論したくないといっています。つまり、自分の中で、「この値段だったら買いたい」という価格が決まっているということだと思います。
バフェットは、株式市場と上手に付き合いなさいと言います。これは裏を返せば、株式市場は常に正しく判断できないこともあるということを言っているのではないでしょうか。一時的にパニックに陥るときもあります。それは戦争やテロなどの直後の株式市場の動きを見ればわかります。急激に下落したのちに、急回復することもしばしば起きます。日本の株式市場でも、決算発表後などに全く同じことが言えましょう。
こうしたアクシデントの中でも、企業価値をしっかりと見極め、自分の購入したい価格で株式を購入するのです。日ごろから企業を見つめ、分析がなせる業と言えます。ただ、これは裏を返せば、株式市場が開いている間中ずっとPCモニターの前に張りついて、切った張ったを繰り返す必要はないといえます。是非ともそんな余裕のある投資家を目指したいものです。
3 2015年のアニュアルレポートに見るバフェットの投資銘柄
さて、バフェットの6つの投資ルールを理解したところで、アニュアルレポートで報告されているバークシャーが多くの金額を投資している上場銘柄についてみてみましょう。買値合計の上位の銘柄は次のような銘柄です。
- IBM(ITサービス)
- ウェルズ・ファーゴ(金融)
- フィリップス66(エネルギー)
- ウォルマート(小売り)
- USバンコープ(金融)
- ディア(農業機械)
- コカ・コーラ(飲料)
- アメリカンエキスプレス(金融サービス)
- AT&T(通信会社)
いかがでしょうか。金融やエネルギー産業の銘柄は日本の投資家にはなじみは薄いかもしれませんが、IBM、ウォルマート、コカ・コーラ、アメリカンエキスプレス、AT&Tなどは多くの方がご存知の銘柄だと思います。バフェットも投資のルールに基づいて上記のような銘柄に投資をしているのです。
4 バフェットも神様ではない-なぜIBM株に投資をしたのか
ただ、最近バフェットの投資に関しては称賛ばかりではありません。これまでテクノロジー企業には投資をしないといってきたのにIBMに投資をしたからです。また、そのIBMの株価パフォーマンスが冴えずにいます。
これには、米国のウォールストリートでも様々な憶測が流れましたが、IBMが人工知能(AI)の技術で先行していることなどに期待しているからだと様々な見方がされていますが、これまでのところなかなか理解されていない投資ともいえます。
5 バフェットは上場企業に投資をするよりも丸ごと買ってしまう?!
バフェットの投資でもう一つ注意をしておかなければならないことがあります。それは、日本生命よりも巨大な保険会社バークシャーの投資は上場企業の株式を部分的に保有することだけではないということです。
バフェットがこれぞと思った企業は会社ごと丸ごと買ってしまうのです。現在のバークシャーは、保険事業だけではなく、鉄道会社であるBNSFや電力会社であるミッドアメリカンを傘下に抱えています。もともと上場していた企業を驚くことに丸々買収してしまったのです。これは個人投資家にはちょっと真似ができない投資行動ですが、バフェットは大好きな銘柄はそのまま企業丸ごとを買ってしまいます。
つまりバフェットが好きな銘柄に投資をするには、バークシャー・ハサウェイに投資をするしかなさそうです。
【バークシャー・ハサウェイを購入できるネット証券】
6 まとめ
いかがでしたでしょうか。バフェットの投資のルールとその銘柄、また世界中の投資対象がある中で米国株に集中投資をしていることをご理解いいただけましたでしょうか。ただし、バークシャーはその資産運用規模が大きくなり、いまでは上場企業を丸ごと買収するというびっくりの運用も行っています。バフェットの英知を投資パフォーマンスで享受するためにはバークシャー・ハサウェイの株式に投資をするのが手っ取り早そうです。