株価が上昇する理由:好材料と悪材料の見分け方を徹底解説

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株初心者の方の中には、株価はなぜ上昇するのか、なぜ下落するのか、という素朴な疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。この記事をお読みいただければその答えが見つかります。株価の変動要因を知ることで、株式投資に対する漠然とした不安を取り除き、上がりそうな株を見つけることや、下がる株を買わないようにすることがイメージできるようになると思います。

1 株価は「買いたい」と思う材料があると上昇する

株価はなぜ上がるのか? 最もシンプルな解答は、その株を「売りたい人」よりも「買いたい人」が多いから。つまり需給関係ということです。この株は将来上がる可能性が高いと考える人が増えると株価は上昇します。

では、どのような時に「買いたい」と考える人が多くなるでしょうか?

株式投資に少しでも関心のある方であれば、“増配(配当の増額)や自社株買いで株価が上昇”といったニュースを何度か読んだ記憶があると思います。2015年4月27日にファナック(6954)が2015年3月期期末配当金を491.93円(前期比398.67円増配)にすると発表したところ、翌28日の株価は取引時間中に最大6.6%上昇し、出来高も前日比3.4倍増の大商いとなりました。

配当や自社株買いに関する会社の方針を総称して「株主還元策」と呼びますが、上記のファナックの場合は、「株主還元策」の発表というニュースを好感して株価は上昇したことになります。

株式市場では、このようなニュースを「好材料」と言います。逆に株価にマイナスなニュースを「悪材料」と呼びます。そして、「好材料」があると、「買いたい」と考える人が増えて株価は上がることになります(逆の場合は下落となります)。

2 知っておくと役に立つ、株価にとっての「好材料」

最初に、株初心者の方がまず覚えておきたい代表的な「好材料」について、具体例を交えて見ていきましょう。

2.1 業績の上方修正を発表した

 

2015年8月7日(金)、横河電機(6841)は決算発表と同時に2016年3月期通期業績予想の上方修正を発表しました。主力の制御機器が好調なことに加え、為替レートの前提を変更したためです。連結経常利益は10.1%減益予想から一転して1.9%増益となり、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなりました。このため、週明け8月10日(月)の株価は9%近く上昇しました。

上場企業の多くは、決算発表と同時に新年度の業績予想を発表します。この業績予想に対して、業績が予想以上に好調に推移した場合、会社側は業績の上方修正を発表します。

業績が好調な株は人気が上がります。業績上方修正で株価が上がるのは当たり前のことですね。

こうした発表のタイミングは、四半期決算を発表する当日が多いですか、その以前の場合もあります。業績上方修正のニュースは、東証のTDnet(適時開示情報閲覧サービス)を通して一斉に発信されます。

なお、株式市場は土日はお休みなので、金曜日の取引時間終了後に発表された「材料」は翌週の月曜日に株価に反映されます。

2.2 配当を増額した

 

冒頭でご紹介したファナックのように、配当の増額、すなわち増配も株価上昇の要因となります。

株を購入した投資家は、その株の株価の上昇(キャピタルゲインと言います)と、配当金の獲得(インカムゲインと言います)により収益を得ることになります。配当予想は決算発表と同時に発表されることが一般的です。一般的には年間2回支払われます。

業績が良い会社は配当金を増やしますが、業績が悪化している会社は配当金を減らす場合もあります。

増配は、企業の経営者が将来に対して明るい見通しを持っているというメッセージとして受け止められるため、「好材料」となることが多いです。

2.3 自社株買いを発表した

 

ソフトバンク(9984)は2015年8月6日(木)、2016年3月期第1四半期(4-6月期)の決算発表と同時に、発行済株式総数の1.68%、1200億円を上限とした自社株買いを発表しました。翌日の株価は取引時間中に最大約5%上昇しました。

自社株買いは、既に発行され流通している株を企業が一定数買い上げることです。このため、自社株買い後は、発行済株式数は減少することになります。

 

利益は変わらなくても、株数が減少すると1株当たりの利益(EPS)は増加します。つまり、株主1人当たりの利益の取り分が増えることになるため、株価は上昇します。

また、自社株買いを行うことは、その会社の経営者がこれまで以上に「株主還元」に対して前向きになってきたことを示します。こうした会社側の“シグナル”(=メッセージ)を前向きに受け止める投資家が増えるため、株価は上昇することになります。

2.4 買収の可能性が出てきた

 

買収のニュースでは、買収する側よりも買収される側の株価が上昇するケースが多いです。買収される側の株には、買収する側の会社という新たな買い手が現れるわけで、つまり「需要」が増えるからです。

また、買収する側は、ある程度のプレミアム(割増価格)を与えないと、買収する企業の株主から株を買い取れない場合が多いのです。このため、買収される側の株価の方が上昇するのです。

もちろん、買収によって企業間のシナジー効果が得られることが理解されれば、買収する側の株価も上昇することになります。

3 注意を払いたい、株価にとっての「悪材料」

残念ながら、株価に取っての「材料」は、株価が上昇する「好材料」ばかりではありません。株価が下落する「悪材料」もあります。では、どのような時に株価が下落するかについても具体例を交えて見ていきましょう。

3.1 業績の下方修正と減配を発表した

 

2015年8月4日(火)に業績下方修正と減配を発表した東芝テック(6588)の株価は、翌5日に100円安の“ストップ安”となりました。

ストップ安とは、買い注文を大幅に上回る売り注文により株価が値幅制限いっぱいまで下落することです。業績が良くなると思って東芝テックの株を買っていたものの、突然業績が悪化していることが明らかになったために同社株を手放す投資家が急増したことでストップ安となりました。つまり、このニュースは投資家にとっては「寝耳に水」と言えるぐらいの驚きであったということです。

業績の悪化が一時的なものであり、その後の回復がはっきりと示されていれば、たとえストップ安になったとしても数日後には株が買い直されることもあります。ただし、残念なことに株価はその後も下落が続きました。今回の場合は、業績の下方修正に加え、減配(配当の減額)も発表されたので、回復には時間がかかると考えた投資家が多かったためであると考えられます。

3.2 公募増資を発表した

 

ソニー(6758)は、2015年6月30日(火)14時20分、公募増資により約3,200億円を調達すると発表しました。その約20分前に一部メディアから公募増資のニュースが配信されると、その直後から株価は急落し、最大で前日比約9%の下落となりました。

公募増資とは、会社が新たに新株を発行することです。公募増資を行うと発行済株数が増加することになるので、自社株買いの場合と反対に、株主1人当たりの利益の取り分が減ることになります。このため、株価は下落するケースが多いです。

ただし、新たに調達した資金により会社の将来性に明るさが増すことがはっきりとしてくると、株価の下落は一時的なものとなり、時間とともに持ち直す場合もあります。

3.3 大型買収を発表した

 

買収は、買収される側にとっては「好材料」ですが、買収する側には「悪材料」となる場合があります。買収の資金を確保するために公募増資が行われる可能性が高まることや、買収の効果が現れるまでに時間がかかるのではないか、という懸念を持つ投資家が増えるためです。

4 「材料探し」にチャレンジしよう

これまで、株価が上下する理由としての「好材料」、「悪材料」を見てきましたが、「それならば、事前に材料を知っておきたい」とお感じになった方も多いと思います。

将来のことは誰も正確には予想できません。ただ、例えばAという会社が業績好調という「好材料」を発表したとしたら、同じ業界のBという会社も好調ではないか? という「頭の体操」をご自身で行うことは可能だと思います。

新聞や証券会社のアナリストレポートを活用して常日頃からアンテナを張り、ご自身で「材料探し」を行う習慣を持つことは株式投資を行うためにはとても大切です。

材料探しには、「ネット証券は貴重な情報・分析が無料」が参考になると思います。

5 まとめ

「材料」によって株価が上がったり、下がったりする例をいくつか見てきました。これ以外にも要因はいくつもありますが、ポイントは「将来の業績」への影響度合いです。

株で儲けたければ、これから「好材料」が増えそうな株を見つけてください。そのためにも、銘柄を「勉強」することが大切です。

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