株式投資は一見難しそうに見えますが、インターネット環境と少しの知識があれば誰でも始められます。また、インターネットを活用することでさまざまな情報にアクセスできる時代となり、一層取り組みやすくなりました。
そのような中、ブログをはじめとしたネット記事が情報源として大きな役割を担うようになってきています。この記事でも、株式投資に興味はあるものの敷居が高くて一歩が踏み出せない、そんな初心者でも理解できるよう、ブログで人気のコンテンツやトレンドでよく取り上げられる内容についてかみ砕いた「株式投資の基礎の基礎」をご紹介します。
目次
1 株で儲けるための3つの方法
株式投資の初心者の多くは投資で成功した人の事例を参考にしたいのではないかと思います。「日本ブログ村 株ブログ人気ランキング」を見てみると、「XX円を達成」「上昇予想銘柄、注目株紹介」といったブログがずらりと上位に並びます。
とはいえ、一概に“儲ける”といってもやり方はさまざまです。株式投資では大きく3つに分類されます。それが「キャピタルゲイン」「インカムゲイン」そして「株主優待」です。
1.1 株価の上昇で儲ける
「安く買って高く売る」は商いの基本ですが、これは株でも同じことです。安い値段で株式を購入し、売値が高くなった時に売却する。この差額が利益となります。こうした利益のことを「キャピタルゲイン」と呼びます。基本的にはこの差額で利益を上げていくことが株式投資の基本となります。
なお、投資を1日以内、数週間という短期で見るか、年単位の長期間で見るか、という期間で投資スタイルは変わってきます(詳細は「2 投資スタイルはデイトレ、スイングトレード、長期投資の3つ」で紹介します)。
1.2 配当金で儲ける
キャピタルゲイン以外にも利益を得る方法はあります。株式会社が利益を上げると、会社は利益を出資者に還元しなければなりません。各投資家が持っている株式数に比例してこの利益は分配されます。この分配された利益のことを「配当金」と呼び、そして配当金で得られる利益のことを「インカムゲイン」と呼びます。個人ブログを見ていると、高配当銘柄を中心に投資して、配当金で利益を稼ぐという手法をとっている方も多いようです。
配当金を受け取るには条件が3つあります。
1つ目は配当金受け取り権利確定日に株式を保有していることです。どれだけ長く株式を保有してようとも、この権利確定日に株式を保有していなければ配当を受けることはできません。しかし言い換えるとたった1日だけ株式を保有するだけでも配当を受けることもできる、ということです。またこの権利確定日は会社によって違いますので注意しましょう。
2つ目は、権利確定日の3日前までには株式を購入しておかなければいけません。配当の権利は権利確定日に会社が把握している株主に与えられます。しかしこの株主リストに記載されるためには最低で3営業日を必要とします。仮に権利確定日当日に株式を購入しても株主リストに記載されるのはその3日後です。なので“本当の配当権利確定日”=“配当権利確定日”-3日、と覚えておきましょう。
3つ目は、会社が利益を上げていることです。当然のことですが無い袖は振れません。
1.3 株主優待で得をする
実は配当金以外にも権利確定日に受け取れるものがあります。それが株主優待です。株主優待制度は、現在上場企業の約3割が実施しています。この株主優待は魅力的なものが多いため、株式を購入する際に一度はチェックしてみるといいでしょう。
たとえば、全日空(ANA)は片道航空券半額クーポンを、マクドナルドは無料券セットを株主優待と設定しています。また、優待券ではなく自社製品そのものを株主優待として設定している企業もあります。優待券などは使い切ることができなくとも金券ショップなどで買い取ってくれることもあり、圧倒的にお得といえるでしょう。
一方、配当金は1株ごとに分配されるのに対し、株主優待を受け取るには100株以上や1000株以上保有といった条件があります。株主優待が欲しいなら、この必要株式数以上を必ず購入するようにしましょう。基本的には単元未満株に対して優待権利は発生しません。
加えて株主優待だけを見て投資を行うのは控えましょう。いくら優待がお得だとはいえ優待の価値以上に株価が下落するケースもあります。
逆に、配当金や優待の権利確定日は株主購入の注文が多くなり、価格が高騰する傾向があります。権利確定日直前に購入したものの、権利確定日後に価格が下がってしまい売るに売れない、という状況もしばしば起こります。言い換えると、権利確定日直前は値段が上がりやすく、キャピタルゲインを稼ぐチャンスであるともいえます。
受け取った株主優待品の写真や感想を紹介しているブログは非常に数多くあります。狙っている株主優待があるのなら、検索して調べてみるといいでしょう。もしかすると掘り出し物の優待品が見つかるかもしれません。株1でも毎月魅力的な株主優待を紹介する記事を更新していますので、ぜひそちらもご覧ください。
>>株主優待制度を徹底解説:ベテランアナリスト注目の株主優待銘柄10選
2 投資スタイルはデイトレ、スイングトレード、長期投資の3つ
ここまでさまざまな投資基礎知識を紹介してきましたが、実は個人ブログでランキング上位にあがってくるのはほとんどが「デイトレード」「スイングトレード」です。しかし、投資のやり方は十人十色です。ここではこれらも含め、大まかに3つの投資スタイルを見ていきます。
2.1 デイトレード
デイトレードとは、1日で取引を完結させるスタイルのことです。よく「デイトレ」などと呼ばれます。1日で取引を終わらせるため、基本的に数字だけを投資の参考にします。デイトレは1円の値幅を売り買いし、利益を上げる手法です。いわば薄利多売であり、ある程度の損失は覚悟しなければなりません。取引に慣れないうちは難しい手法でもあり、初心者にはおすすめしません。とはいえ、デイトレの市場参加者も株式市場の一部であることには変わりがありません。ここではデイトレとは何かについてポイントを押さえておきましょう。
2.1.1 デイトレではよく使う株価指数の取引
株価指数としてよく耳にするものとして日経平均株価とTOPIXがあります。日経平均株価は東証一部上場企業の中から日本を代表するような大企業225社を選出し平均を取ったものです。一方、TOPIXは東証一部上場企業の発行済み株式時価総額を全銘柄で割ったものです。
日経平均の先物などを活用してトレーディングすることもありますし、米国のダウ平均株価など前日の米国の株式市場を見ることで当日の日本株全体の値動きが予想できることも多いです。
2.1.2 テクニカル分析はデイトレには重要
テクニカル分析にはチャートを活用します。チャートは、棒と線で複合させたローソク足とよばれる指標で作成されます。
ローソク足の見方は難しくありません。ただしローソク足の色には注意してください。白は始値より終値のほうが高いことを表しており、黒は始値より終値の方が低いことを表しています。色によって始値と終値の位置が異なるので注意してください。
2.1.3 出来高を見れば株式市場の熱量がわかる
出来高とはその日どれだけの取引が市場で行われたのかを表します。この数字が大きければ大きいほど取引が活発だといえます。
ソフトバンクを例に見てみましょう。2016年6月1日の出来高が多いことがわかります。出来高が多いことで、買いにしても売りにしても投資家が取引をする理由があることになります。
デイトレは、1日の値動きで利益を獲得するというのが狙いですから、当然ニュースに敏感でなければなりません。過去の出来高を見ながら、投資家がどのようなニュースに敏感だったかを知り、今後もどのようなニュースで株価が動くのかの肌感覚を身に着けることができるようになります。
ソフトバンクの出来高推移(2016年5月30日~6月3日)
日付 | 2016/5/30 | 2016/5/31 | 2016/6/1 | 2016/6/2 | 2016/6/3 |
---|---|---|---|---|---|
出来高 | 3,269,100 | 3,847,100 | 10,677,900 | 6,331,900 | 4,922,400 |
出所:株1編集部作成
2.2 スイングトレード
スイングトレードはデイトレードと違い、数日から数週間で取引を完結させる手法です。相場の動きや決算などの材料をもとに取引します。人によって期間はさまざまですが、年単位で株式を保有することはまずありません。日中ある程度自由な時間を取れる主婦の方にはおすすめです。しかし、この投資方法でもっとも重要なことは欲を出さないことです。特に売却時には、強い決断力をもって利益確定あるいはロスカットをすることが必要になります。
2.2.1 利益確定
運よく株価が順調に上昇し買値より売値の方がずっと高い状況になったとしましょう。このまま株式を持ち続けるとさらに株価が上昇し更なる利益が得られる可能性はあります。しかし、何らかのスキャンダルで株価が急落してしまう可能性もあります。それゆえ、ある程度利益が見込める株価になるとあえて売りに出すことがあります。これが利益確定です。
2.2.2 ロスカット
株を買っても株価が思い通りに上昇するとは限りません。また、下がった株価が元値まで持ち直すとも限りません。そんな時、損失の拡大を食い止めるためにあえて売りに出すことがあります。これがロスカットです。こうすることで損失を最小限に食い止め次の投資につなげることができます。
2.3 長期投資
あまりパソコンに向かう時間がない忙しい方、日常生活を優先したい方向けの投資方法です。目ぼしい株式を購入し、その後はあまり気にせず放置する手法です。せこせこと数字を追う必要はあまりなく、ゆったりと投資をすることができます。配当が期待できる企業や優待が魅力的な企業に投資するといいでしょう。
2.3.1 なじみのある企業や好きな企業を応援する
投資先企業の選び方はそこまで難しく考える必要はありません。日頃よく目にする企業や自分の好きなブランドを展開する企業などでいいでしょう。現代の株式投資は金儲けのイメージが色濃く映りますが、本来は企業を応援するものです。正確には購入した株式の代金が直接企業に渡るわけではありませんが、「好きな企業にがんばってほしい」という理由だけで投資してもかまいません。
2.3.2 倒産しない限り損失は確定しない
株式はその会社が倒産するとただの紙切れになります。しかし株価が下がったとしても、それはあくまで評価額上での損益であり、売らないかぎりは損にはなりません。そういうときは株価がもとに戻るまで気長に待ちましょう。
3 まとめ
株式投資の初歩の初歩はある程度お分かりいただけたでしょうか。キャピタルゲインで利益を稼ぐのは株式投資の基本ですが、それ以外にも利益を出す方法はあります。長期投資によるインカムゲインで儲けを積み重ねていくのか、デイトレで細かく利益を出していくのか。やり方は千差万別、人によって最適な手法は異なります。いち早く自分のスタイルを確立してみてください。
株式投資について、自信を持って言えることは「実践あるのみ」です。まだ証券口座をお持ちでない方は早速口座を開設してみましょう。口座の開設はそれほど難しくはありませんし、ネットと郵便で簡単に開設できます。興味がありましたら以下の記事もお読みください。
また、多くの個人投資家の方々がブログ形式で情報を公開しています。レベルはさまざまですが、初心者の方が公開しているブログを集めたサイトを最後に紹介しますので、参考にしてみてください。
参考:株初心者 – 株ブログ村