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株初心者も就活生もIRを活用しよう
投資も就活も、対象である企業をよく知ることが大切です。つまり企業研究です。多くの個人投資家の場合、企業が公表しているIR情報を活用していますが、就活学生も、是非、IR情報の活用をお奨めします。
IRとは、インベスター・リレーションズ(Investor Relations)の頭文字をとっています。PR(Public Relations)が「消費者や市民向けの広報活動」であることに対して、IRは、「投資家に対しての広報活動」となります。PR部門は、上場、非上場にかかわらず、ある程度の規模の会社であれば存在しますが、IR部門は、上場企業に限定された部門です。既に株主となっている投資家に限らず、これから投資を検討している投資家や、投資対象として企業を調査するアナリストに対して、企業の財務状況や戦略を正しく伝えることがIR部門の役割です。インターネットで「調べたい企業名XXXX IR」と検索すれば、簡単にホームページにあるIR情報に辿りつくことができます。是非、やってみましょう。
就活生はIR情報から何を得られる?
上場企業は、投資家に対してタイムリーに、かつ、フェア(公平)に業績や株価に影響を与える情報を伝えることが求められています。自社にとって都合が悪いことを隠したり、発表を遅らせると投資家からの信頼が失墜してしまうためです。このため、就活生向けの会社説明会ではフォーカスされなかった(あえて強調されなかった)、客観的な事実をタイムリーに知ることができます。
直近だけではなく、過去のIR資料もよく読もう
それでは、実際に企業のホームページ上にあるIR情報を見てみましょう。それほどIRに熱心ではない会社でも、「トップメッセージ」、「決算情報(短信)」、「事業内容の解説」についての情報は容易に得ることができます。IRに積極的な企業であれば、「決算説明会」、「中期経営計画説明会」などのプレゼンテーションも過去に遡って得ることができます。
定性情報(非財務データ)を読み取る
企業をより深く、正しく理解するためには、できるだけ多くの情報を読み込むことが重要です。可能ならば、直近のプレゼンテーション資料だけではなく、過去にも遡り、直近のものと比べてみることも大切です。そうすることで、この会社の戦略に一貫性があるのか、有言実行なのか、環境が変化しても変わらない理念があるのか、などが理解できるからです。
もちろん、就活学生は、投資家やアナリストではないので、面接でIRを読んで気づいたことを全て言う必要はありませんし、批判的な発言は慎むべきでしょう。ただし、企業が目指している方向性や大切にしている価値観を、IR資料を読み込むことで理解し、自分の言葉で面接官に伝えることは十分有益だと思います。恋愛と同じで、「相手が、自分のメッセージを正しく受けとめてくれている」ということを知ることを悪く思う人はいないからです。
財務データを確認
戦略や目指すべき姿といった定性的な情報に加え、重要なのが財務データです。売上は伸びているのか、利益は出ているのか、などの基本的な情報は、財務諸表に不慣れな就活学生も頑張って確認しましょう。売上が減り続けている、赤字が続いている、借金が異様に多い、といった企業であれば、就職したものの、そう遠くない将来にリストラされてしまう可能性がないとは言えません。また、利益は黒字でも、フリーキャッシュフローの赤字が続いている企業も注意が必要です。そうした会社は、在庫管理や売掛金の回収に問題を抱えている等、身の丈に合わない過大な設備投資を行っている可能性があるためです。キャッシュに余裕のない会社は、配当や、従業員への給与や教育にお金が回らず、結果的に投資家も従業員も不幸にします。これは、企業規模の大小、有名か無名かに全く関係ない、ということを忘れないでおきたいものです。
企業のIR情報と、ネット証券が提供するアナリスト情報を活用する
このシリーズでは、できる限り具体的にデータの見方などもお伝えしていきたいと思います。情報の取り方も含めて、自分で実際にやってみるのが一番ですので、まずは気になる会社のIRサイトをのぞいてみて下さい。
また、投資家および就活生の強い味方になり得るのが、ネット証券が口座保有者に無料で提供する企業の分析レポートです。都度都度、役立つ資料やツールをご紹介していきますが、特に情報が充実している証券会社をいくつか挙げておきますので、口座開設(無料)して、情報に触れていくのが良いでしょう。
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2015年4月15日 03:25 公開