目次
か
外国株
海外に籍を置く会社が発行する株式のことです。日本在住の投資家が外国株を取引するには、証券会社に「外国証券取引口座」を別途開設する必要があります。日本株だけの取引口座では売買できません。ネット証券の普及によって、一般の個人投資家でも、外国株を買いやすくなってきました。今後も注目が集まりまると考えられますが、手数料が若干高いこと、及び、為替変動リスクに注意する必要があります。
外国為替証拠金取引
通称「FX」と呼ばれている為替取引です(Foreign eXchange margin trading)。取引業者に担保として証拠金(保証金)を預け、その数倍から25倍までの金額で外貨を売買することが可能となります。取引の決済は、売買の差額を清算する差金決済です。非常にレバレッジの効いた取引で、損失が雪だるま式に膨らむ場合があるため、一時は社会問題化しました。初心者は言うまでもなく、外国為替市場に精通していない方は、無暗に手を出さないことを強くお勧めします。
外国人投資家
「海外投資家」とも言います。一般には、日本に居住しない投資家全般を指します。海外の年金、投資信託、ヘッジファンドなどが該当します。外国人投資家は、東京証券取引所における売買の約60%を占めており、日本株相場の動向に極めて大きな影響を与えています。特に、ここ数年は、外国人投資家による短期筋の資金が、株価を大きく変動させていると見られています。
買い残
信用取引での売り買いそれぞれの残高を「信用残」と言います。買いの残高を「買い残」、売りの残高が「売り残」です。「買い残」は、将来、資金を返済するためにその株式を売却すると予測されています。従って、「買い残」が積み上がれば今後の売り圧力となり、株価の下落要因になります。「売り残」に関しては、全く逆の意味となりますので、積み上がれば株価の上昇要因となります。
会社更生法
経営が行き詰った株式会社が、株主や債権者の利害を調整しながら再建するための手続きについて定めた法律です。一般に、会社が資金繰りに行き詰まり、事業を続けられない状態を「倒産」と呼びますが、一度倒産した会社は全てがなくなる訳ではなく、再建を目指す場合も少なくありません。その際に、負債(主に借入金)を一定額免除してもらうために、裁判所に申請して受理してもらった後、更生手続きを進めることになります。ただ、実際には、会社更生法を適用されると、“事実上の倒産”ということになり、その株式が上場していれば、上場廃止になる場合がほとんどです。
会社四季報
日本経済新聞社が発行する「日経会社情報」と並んで、株式投資のバイブル的な存在です。上場会社の財務、業績、資本、事業内容などの主要データが掲載された書籍で、東洋経済社から年に4回発行されます。かなり分厚い書籍ですが、個人投資家だけでなく、機関投資家にとっても欠かすことのできない資料と言えましょう。この四季報を読みこなすことは、上級者へ登り詰める必須事項になります。ただ、古くなった四季報に掲載されている情報は、全く役立たない場合が少なくないことに注意して下さい。新刊が出たら、古い四季報はどんどん捨てることが重要です。
外務員
証券会社や銀行などの金融商品取引業者で証券業務を行う人のことです。資格試験に合格し、金融庁に氏名等の登録が義務付けられています。証券会社の営業員は皆、この資格を保有して登録済みとなっています。尚、合格して取得した外務員資格は退職後も有効ですが、顧客に接する業務を行うには、金融庁への再登録が必要になります。
価格変動リスク
一般に、ある程度の可能性で起こりそうなことですが、どれだけの確率で起こるかが不確実なものを「リスク」と言います。不確定要素のことです。価格変動リスクとは、株式等の金融商品の価値が様々な影響により変動して、購入時よりも時価が下落することが起こり得るリスクを指しています。値下がりする可能性が十分にあり得るという意味です。
蛎殻町(かきがらちょう)
「兜町」が証券業界や株式市場を指す代名詞であるのと同じように、「蛎殻町」は主に穀物の商品先物を中心とした商品市場を指す代名詞です。株式投資とはあまり深い関係はないと考えて結構です。
格付
最近は様々な格付けが存在していますが、一般に、単に「格付」という言葉は、財務格付けを表します。財務格付けは、債券等の発行体の元利払いの確実性を示したものになります。格付は、その格付機関によって定義が異なりますが、格付けは高ければ高いほど良いと考えて下さい。また、この格付けが一定水準より下の場合、「投機的格付け」「投資不適格」という扱いになります。
貸方
貸借対照表の左側にある項目は「資産の部」と言いますが、その右側を“貸方”と称します。貸方には「負債の部」「純資産の部」があります。この「貸方」という言葉自体はさほど重要ではないため、貸借対照表の右側を指すということだけ覚えれば十分です。
貸株
証券会社が、売りの信用取引を行う顧客に対して貸し付ける株式のことです。しかしながら、実際には、証券会社はこの貸株を全て保有している訳ではなく、通常は、日本証券金融(日証金)などの金融会社からその株式を借入れて、顧客に貸し付けています。その貸株の残高は、いずれは返済のために買戻しされるはずなので、株価に影響を与えています。尚、現物の株式投資では全く関係ない用語になります。
合併
2つ以上の会社が1つの会社になることを「合併」と言います。合併には、合併前のそれぞれの企業は消滅(消滅会社)して、新しい会社が設立される場合と、1つの企業が存続(存続会社)をして、他の企業は吸収される場合の2つのパターンがあります。
株価レーティング
「株価格付け」とも言われます。ある銘柄に関して、現在の株価が割安なのか割高なのかを判断する“格付け”になります。1990年代初期に野村證券が始めたのが切掛けになり、今現在では株式市場で完全に定着しました。ただ、その定義や表記方法は、証券会社によって大きく異なっていますので注意しましょう。基本は、「買い」「中立」「売り」の3パターンと考えていいでしょう。
株価指標
様々な見方がありますが、一般的には、個別企業の株価やデータではなく、マーケット全体を表す指標となります。株式投資の際に、市場全体の尺度として参考にする代表値であり、具体的には、TOPIX、日経平均株価、東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、ジャスダック指数などがあります。また、さらに広い意味では、PERやPBRなどの指標も、株式指標に含まれます。
株価収益率
「株価が1株当たりの最終利益の何倍になっているか」という株価の割安性を見る指標で、PERと表記されます。重要な株価バリュエーションの1つですが、今はもうPERという表記の方が浸透しています。例えば、1株当たり最終利益が30円の銘柄の株価が360円の場合、この銘柄のPERは12倍(=360円÷30円)ということになります。
株価純資産倍率
「株価が1株当たりの純資産(株主資本)の何倍になっているか」という株式の価値を資産と比較した指標で、PBRと表記されます。株式相場が下げ基調の時、売られ過ぎ銘柄を見る重要なバリュエーションですが、PBRという表記の方が浸透しています。例えば、1株当たり純資産が500円の銘柄の株価が600円の場合、この銘柄のPBRは1.2倍(=600円÷500円)ということになります。
株価チャート
単に「チャート」や「罫線」と呼ぶことがありますが、過去のある一定期間の株価推移をグラフに示したものです。株価のグラフと考えておけばいいでしょう。株式投資において、売買のタイミングを読むのに欠かせませんが、これだけで投資行動を決定することは無理があると言えます。
株券
株式のことです。株式会社の株主の地位、あるいは、権利を表す有価証券となります。株券には、会社の商号や発行年月日などの決定事項、代表取締役の署名などが記載されており、投資家が株式を購入すると株券が発行されます。ただ、現在は殆ど全てが電子化されており、実際に株券を手に取ってみることは稀と言えましょう。
株式交換
複数の会社を経営統合する際の方法の1つ。統合で親会社になる会社が、完全子会社になる会社の株主の株式を受け取り、その代わりに親会社の株式を渡す方法を「株式交換」と言います。ただし、「株式交換」とは称するものの、子会社になる会社の株主には、必ずしも親会社の株式ではなく、現金を渡す方法も認められています。
株式数比例配分方式
上場株式の配当金等の受け取り方法の1つ。銘柄ごとに選択することはできず、保有する株式全てに同じ方法が適用されます。特に重要なのがNISA口座のケース。NISA口座の配当金を非課税にするならば、この「株式比例配分方式」を選択する必要があります。この方式を選択しなかったが故に、NISA口座の非課税制度を受けられなかったトラブルが続出しているようですので、注意しましょう。
株式分割
株式会社が株式を細分化して発行済株式数を増やすことです。株式会社の資本金に変更はありませんが、発行済株式数が増えることになります。既存の株主が保有している株数も増えますが、その分調整後の株価が下がりますので、株主が有する株式価値(=時価総額)には変更はありません。多くの場合、株式会社が自社の株式の流動性を高めたい時に実施しているようです。
株式ミニ投資
ミニ株という金融商品が存在するのではなく、株式を小口で買えるようにしたサービスです。主には、1単元の10分の1の単位で株式投資が出来るよう、証券会社が行っているサービスを指します。証券会社によって名称が異なりますが、その中身は同じです。買付代金が少ないというメリットがある一方で、その分、委託手数料が割高になる場合がありますので注意しましょう。
株式持ち合い
会社同士が、お互いの株式を持ち合うことを言います。互いに安定株主として機能し、最近は、買収防衛策の1つとして再び注目されています。ただ、一般的には、目的が不透明な場合が多く、株主から疑問の声が上がったりします。現在でも、大手企業の系列グループ内では、ある種、当然のように実施されていると言えます。
兜町(かぶとちょう)
日本の証券業界や株式市場を指す代名詞です。兜町は、正確な住所は「東京都中央区日本橋兜町」となり、東京証券取引所がある町です。例えば、ニュース等で「今日の兜町は熱気に溢れていました」と報道された場合、これは「今日の株式市場は活況でした」「今日の東京証券取引所での売買は熱気に溢れていました」というように“意訳”されます。
株主
株式会社の事業展開のために資金を提供している出資者のことです。実際には、その会社の株式を買って保有している投資家を指します。その株式を売ってしまうと、その会社の株主ではなくなります。
株主還元
株式会社が事業活動の結果得られた利益を、株主に適切に還元することを言います。株式会社が株主に対して行う“御礼”のようなものです。株主配当金、株主優待制度、自社株買いなどの施策がありますが、最も重要視されているのが、配当金になります。昨今、この株主還元が非常に重要視されています。
株主資本
株主の出資分、つまり、株主が拠出した資金を言います。株主資本に似た言葉で「自己資本」というものがありますが、株主資本とは微妙に異なります。ただ、ほとんど同じ内容・数値と考えて差し支えありません。
株主総会
株主によって構成される、株式会社の意思を決定する最高機関です。また、株式会社の様々な重要事項を決める場所でもあります。株主は保有株数に応じた議決権を持ち、決議は原則として多数決になります。株主である個人投資家が、会社の経営に堂々と参加できる唯一の機会と言えましょう。
株主代表訴訟
不正行為などによって会社に損害をもたらした取締役や監査役等の役員に対して、株主が会社に代わって損害賠償の訴訟を起こすことを指します。この訴訟は、株式を6ヶ月以上持っている株主ならば、誰でも行うことができる、責任追求等の訴えです。株主による役員の行為のチェック機能と言えます。ただ、株主はあくまでも会社の代理であり、損害賠償金を会社に支払えと請求するものであり、株主に支払うことを請求するものではありません。
株主優待制度
株式会社が一定の株式数以上を持つ株主に対して、自社製品やサービス、チケット等の贈り物をする制度です。内容によっては、かなりの価値に換算できるサービスもあり、無視できません。株主優待の善し悪しで投資銘柄を決めている個人投資家も少なくないようです。ただし、この制度は、株式会社に特に義務付けられたものではなく、任意の制度になります。最近では、主に個人株主を増やす施策の1つとして活用されているケースが多い模様です。
空売り
信用取引において、証券会社から株式を借りて、その株式を売却する取引を指します。そして、その株式が値下がりした時点で買い戻すことによって利益を得ることが可能になります。「新規売り」とも言います。相場が下落しそうな時に有効ですが、見込み違いで相場が上昇すると、多額の損失を抱えるリスクがあります。初心者、及び、中級者にはお勧めできない取引手法です。
借方
貸借対象表の左側にある項目を「資産の部」と言いますが、これを「借方」とも言います。この「借方」という言葉自体はさほど重要ではないため、貸借対照表の左側を指すということだけ覚えれば十分です。
監査役
株式会社の“お目付け役”として、株主の利益のため取締役や会計参与の職務執行を監査する職責を負います。株主総会にて選任されます。本来は、これらを第三者としてチェックし、是正すべき点があれば指摘する業務ですが、実際には、役員を退任した者や、役員にならなかった社員が退職して、選任される場合が少ないようです。尚、現在では、「監査役会」を置く会社は、監査役が3名以上必要で、半数以上は社外監査役でなければなりません。
間接金融
資金を必要とする借り手と、資金を提供する預金者との間に、金融機関等の第三者が介する資金の流れを指します。この間接金融によれば、資金の出し手である預金者は、自分の意志で投資先を決めることができず、間に入る金融機関(銀行など)に委ねることになります。貸し倒れや投資の失敗等のリスクは、間に入る金融機関が負います。間接金融の代表的なものが銀行システムです。
完全失業率
総務省統計局の「労働力調査」で発表される指標で、労働人口に占める、現在仕事をしていないが仕事探しをしている人の割合を言います。ただし、「景気が悪くて仕事探しをしても無駄だ」と諦めてしまった人は、職探しをしていないため、完全失業者にはカウントされません。そのため、不況が深刻になると、この完全失業率が良くなるということも起こり得ますので、数字だけでは判断できない部分もあります。
還付申告
確定申告を行った際、その年に源泉徴収で納め過ぎた税金を、還付される人もかなりいます。この場合のことを「還付申告」と言います。払い過ぎた税金を取り戻すための申告、と考えていいでしょう。
監理ポスト
上場している株式や債券などの有価証券が上場基準に適合しない疑いがある場合、証券取引所はその事実確認を行います。その事実確認中に売買される場が「監理ポスト」と呼ばれています。また、上場廃止基準に該当するとなった場合、今度は「整理ポスト」へ移行されます。一般には、「監理ポスト」へ移される時は、その銘柄に良くない事態(倒産、買収される、等)が起きていると考えられます。
き
機関投資家
生命保険会社、損害保険会社、銀行、信託銀行、年金基金など、他人(第三者)から集めた多額の資金を分散投資で運用する投資家のことです。殆どの場合が金融機関になりますが、明確な定義はありません。ただ、本当に大雑把に考えれば、個人投資家以外は広い意味での機関投資家と見てもいいでしょう。
企業の社会的責任
会社の社会に対する責任を投資家が評価し、それを投資基準に当てはめて判断した後、投資をすることをSRI(Social Responsible Investment)と言います。これに似た言葉でCSR(Corporate Social Responsibility)がありますが、こちらは、消費者から見た会社の社会的責任活動を指すことが多く、投資家から見た会社の社会的責任(SRI)とは異なります。
企業物価指数
物価を表す指標としては、毎月1回総務省統計局が発表する「消費者物価指数」が重要視されていますが、日本銀行が発表する「企業物価指数」も重要な指標です。企業物価指数は、企業間での出荷、卸売段階での商品価格を示したものになります。
議決権
株主の権利として、会社の経営方針などに対して決議できる権利のことです。原則として、その所有する株式数に応じて一定の量の議決権を株主総会において行使できます。基本的には、売買単位株主は1単元株につき、1票の議決権を有することになります。ただし、売買単位未満の株主に対しては、それらの権利は認められていません。
期日
信用取引において、顧客が証券会社から借りた株式や資金を返す期限のことです。信用取引は、この期日までには反対売買(買戻しまたは転売)か、現引きまたは現渡しで決済しなければいけません。制度信用取引では6ヶ月、一般信用取引では各々の証券会社が決めています。尚、現物の株式投資には関係ない用語となります。
基準価額
投資信託の一口あたり(時には1万口あたりなど)の値段を言います。その投資信託の純資産総額を投資信託の口数で割ると、基準価額が算出されます。投資信託を売買する時の、個別指標と考えて下さい。
希薄化
1株当たりの価値が薄くなることを指します。発行済株式数が増えると、1株当たりの指標を計算する際に分母が大きくなり、希薄化が進みます。エクイティファイナンスが実施されると、この希薄化が発生し、株価の下落要因となるケースが多く見られます。
逆指値
株式投資の売買においては、投資家(顧客)が指値注文か成行注文を選択します。ただし、指値注文は、希望する価格で売買が成立するとは限りません。そこで、指定した株価より安く(高く)なったら、成行売注文(成行買注文)に変わることを「逆指値」と呼んでいます。指値注文の拡大版と見ておけばいいでしょう。
逆ザヤ
株式投資の世界では、売り値が買い値より安いというように、値段の開きが本来あるべき状態と反対になること、及び、 銘柄を比較したときに当然高いはずのものが安く、安いはずの銘柄が高いことに使われます。主に、先物取引において、先物価格と理論価格との差に使われています。
逆張り
株価の流れと投資判断の関係を示した言葉です。株価の上下動に乗る手法を「順張り」、相場の逆を行く手法を「逆張り」と言います。「逆張り」では、株価上昇時に売り、下落の最中に買う手法となります。順張りと逆張りのどちらが有効かは、その時々の相場状況によります。
キャピタルゲイン課税
「譲渡益課税」とも言います。株式や不動産等を売却して得た利益に対する課税のことです。上場株式の場合、基本的には、申告分離課税で確定申告が必要になります。ただし、各証券会社の特定口座制度を利用すると、申告不用または簡易申告を選択でき、自分自身での確定申告は不要になります。キャピタルゲイン課税の税率は、20.315%(所得税15.315%、地方税5%)になっています。
供給曲線
マクロ経済学において、ある財の価格とその供給量の関係を図示したものです。常に、需要曲線と一緒に表されます。経済学を深く勉強する人以外は、関心を持つ程度で結構でしょう。
恐怖指数
ボラティリティ・インデックス(VIX指数)の別称です。このVIX指数は、シカゴ・オプション取引所が算出して公表しています。オプション取引の値動きを基準にして、投資家の不安心理を表した株価指数です。このVIX指数が上昇する時、投資家の不安心理が増大すると言われています。
業務提携
独立した会社同士が協力し合うことを業務提携と言います。お互いにコスト削減や販路拡大等で利益が増大するように事業協力することで、具体的には、共同の研究開発、共通商品の取り扱い、物流システムの共有等があります。この業務提携をさらに進めて、お互いの株式を持ち合って資本関係を構築すると「資本提携」と呼ばれる関係になります。業務提携は、資本提携に比べると緩やかな形態で、ある意味ではやや中途半端とも言えます。
金融危機
何らかの悪材料が原因で、金融システム全体が機能しなくなる状態を意味します。信用不安や資産価値の大幅下落、資本流出のような深刻な事態を招きます。尚、現在では、ただ単に「金融危機」という言葉は、2007年のサブプライムローン問題に端を発した一連の金融危機、いわゆる「リーマンショック」を指す代名詞として用いられるケースが多いようです。
金融商品
銀行・保険会社・証券会社などで扱う商品全般を言います。預金・金銭信託・保険・株式・投資信託・外国為替など旧来の金融商品のほかに、そこから派生して生まれたデリバティブ商品なども含んでいます。尚、不動産そのものは金融商品とは言いませんが、不動産投資信託(J-REIT)は金融商品に含まれます。
金融商品取引業者
金融商品取引法で規定される金融商品取引業を行うため、金融庁に申請・登録を受けた業者のことです。第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業の四つに分類されます。株式投資で関わる証券会社も、もちろん金融商品取引業者に該当します。
金融派生商品
「デリバティブ」のことです。簡単に言うと、先物取引やオプション取引の総称のことになります。元々は、リスク回避を目的として、株式や通貨などの元になる資産から派生して開発された、低コストや高利回りを可能にした取引です。ただ、レバレッジが効くために、手持ち資金以上の損失を抱える場合もあり、逆にリスクが大きくなっています。株式投資の初心者、中級者にはお勧めできません。
く
グランビルの法則
株価の推移と移動平均線との関係から、売買のポイントをまとめた法則。原則は、「右肩上がりのトレンドで買い、崩れたら売り」です。チャートが右肩上がりの最中で、株価と移動平均線が接近した場面が買い、右肩下がりになると売りと判断されるものです。あくまでも、参考程度に抑えておきたい法則の1つです。
繰越欠損金
まず、「欠損金」とは財務会計上の赤字のことをいいます。税法上は赤字とは呼ばずに、欠損金と呼びます。この欠損金を翌年度以降に繰り越した状態のものを「繰越欠損金」と呼びます。正しくは欠損金の繰越控除と言います。この赤字(欠損金)が出たら、翌期以降の黒字(課税所得)と相殺できる税務上のルールがあります。
くりっく365
FXは大きく分けて「店頭FX」と「取引所FX」の2種類があります。“くりっく365”は、取引所FXであり、東京金融取引所に上場しているFXのことです。マーケットメイク方式による公正な価格形成が特徴で、2013年10月から手数料が無料になりました。似たような言葉に「くりっく株365」がありますが、これは株価指数CFDの取引所版になります。
グロース株
企業の売り上げや利益の成長率が高く、その優れた成長性ゆえに株価の上昇が期待できる株式のことで、「成長株」とも呼ばれています。革新的な商品やサービスを通じて市場シェアを拡大し、増収増益を続けているような企業が多く、一般に投資家の人気が高いという特徴がありますが、明確な定義がある訳ではありません。成長性の高い銘柄と考えておけばいいでしょう。
け
経営統合
明確な定義はありませんが、通常は、2つ以上の複数の会社組織が、会社の経営母体を統合することを言います。「○○ホールディングス」のように共同持株会社を設立し、複数の会社がその傘下に100%子会社として移行するのが代表的なパターンです。正確には「合併」とは若干異なりますが、企業が統合するという観点では同じようなものと考えて差し支えないでしょう。
景気動向指数
内閣府が毎月発表している、景気の現状と、上向きや下向きなどの転換点を総合的に見る指標を言います。現在は、生産、雇用、販売、お金の流れ、法人税収入などあらゆる側面を網羅した28項目が利用されています。この28項目が、「先行指数」「一致指数」「遅行指数」の3つに細分化されています。尚、景気の方向性を見るDIと、量を見るCIの2つがあります。
経済成長率
一般には「GDP成長率」を意味しています。GDP(国内総生産)とは、1つの国の経済の流れの各段階で生み出した付加価値の総額であり、経済の規模を表しています。尚、物価の変動を考慮して調整したものを「実質経済成長率」と言い、調整する前のデータを「名目経済成長率」と言いますが、実質経済成長率を用いる場合が多いようです。
決算公告
定時株主総会の終結後、遅滞することなく行われる貸借対照表と損益計算書の公告をいいます。主に日刊新聞紙上に掲載されます。かなり簡略化されていますので、誰にでも見易い一方で、重要な数字がない場合も少なくありません。
決算短信
全ての上場会社が決算発表を行う際に作成する、各社共通形式の決算情報です。決算発表当日には必須の資料で、株式市場にも大きな影響を与えます。決算発表から有価証券報告書が発行されるまでに相当な時間を要しますので、その間はこの決算短信が最重要資料になります。単に「短信」とも言われています。
決算発表
企業業績の発表です。上場会社が一定期間の事業活動の成果や、予算に基づいた事業に関するお金の流れと残高をまとめて発表することです。株主、投資家、アナリスト、ファンドマネージャー、皆にとって最も重要なニュースと言っていいでしょう。
気配値
株式や債券などで「買い」や「売り」の指値注文が入っている値段で、売買が成立しそうな気配がある価格のことです。ただ単に「気配」とも言います。買注文の気配が「買気配」、売注文の気配が「売気配」です。端末で株価を見ると、売買が成立する場合には、必ずこの気配が表示されています。
減資
企業が資本金を減らす措置のことです。多くの場合、大きな損失を計上したり、赤字が累積したりした企業が取る手段です。経営が悪化した企業は剰余金や法定準備金で損失を埋めようとしますが、それでも足りないときは資本金を取り崩して損失を穴埋めすることにならざるを得ません。減資をする際には、株主総会での決議が必要となります。いずれにせよ、減資を行う時は、その会社は相当に切羽詰った状況と考えていいでしょう。
現引き
信用取引の決済時に、反対売買を行わずに手仕舞う方法のことです。この時、信用買いの決済方法を「現引き」、信用売りの決済方法を「現渡し(品渡し)」と言います。信用買いの「現引き」では、買い建てた代金と同額を支払って、買建玉を自分の現物株として引き取ります。
権利落ち日
株主が配当金や株式分割、株主総会での議決権など権利が得られる最終約定日の翌日のことを言います。その権利がないことを指すことから、このように呼ばれています。尚、その最終約定日のことを「権利付き最終日」と言います。
権利確定日
株主が配当金や株主優待を受け取れる権利、株式分割を受けられる権利、株主総会における議決権の権利、等の株主の権利は、ある基準日(ほとんどが決算日)をもって株主名簿の整理をして、その期の権利を確定させます。その基準日のことを、権利確定日と言います。
権利付き最終日
株主が配当金や株式分割、株主総会での議決権など権利が得られる最終約定日のことを言います。その翌日を「権利落ち日」と呼んでいます。
こ
鉱工業生産指数
経済産業省が毎月発表する、主に製造業の活動を様々な観点で調査・集計した鉱工業指数のうちの生産部門の指数です。現在は487品目を選んで算出しており、ほとんどの製造業を網羅しています。国内生産動向を知る上では重要な指標です。基準に定めた年(今は2010年)を100として、毎月の指数が算出されています。
公社債
国債・地方債・社債などをあわせた債券の総称を言います。「公社債=債券」と覚えておきましょう。
公的資金
元々は、税金と国債発行によって得た資金です。実は、法律上の定義はありませんが、一般には、国や地方自治体が持つ財政資金を言います。資金源は、税収や国債発行、特別会計の公的年金・健康保険の保険料など国の収入です。多くの人が「公的資金=税金」というイメージを持っていると思われますが、概ねそのような理解で結構でしょう。
公募増資
正確には「公募発行増資」と称します。新しい株式を発行し、広く一般の投資家からその株式の購入を募る資金調達方法です。この手段で発行する株式を「公募株」と言います。公募増資が行われると、需給バランスが悪化し、株式の希薄化が発生するため、一般には、株価の下落要因となります。既存株主からは敬遠されます。
合名会社
出資者が無限責任社員だけからなる会社のことです。社員は会社債権者に対して直接に連帯して無限責任を負い、また、会社の定款に特別の定めがない限り、原則として会社の業務を執行して代表します。社員の責任が重く、広く一般の投資家から出資を受けることができないため、親子、兄弟、親族関係にある人々によって出資、設立されるのが普通です。上場会社には合名会社は1社もありません。
ゴーイングコンサーン
企業が永遠に継続していくという仮定、及び、責任のことです。企業会計などでは、この仮定が成立していることを前提に論理が構築されている制度が多く存在しています。
コール市場
インターバンク市場の1つで、金融機関が相互に短期の貸し付け、借り入れを行なっている市場のことを指します。「呼べば応える」というように、ごく短期で回収できる貸借という意味を込めてコール市場と名づけられています。尚、個人投資家は参加することができません。
ゴールデンクロス
株価チャート上に引いた、2本の異なる期間の移動平均線が交差するタイミングがあります。このうち、短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上に突き抜けることを「ゴールデンクロス」と呼び、株価が上昇に転じるシグナルと考えられています。逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へ抜けることを「デッドクロス」と言い、株価が下落トレンドになることを意味すると言われています。個別銘柄や相場全体の転換点を見る時に重宝されています。
子会社
資本参加や役員派遣などによって、他の会社から直接に支配を受けている会社のことで、親会社の逆です。以前は商法により、親会社が議決権の過半数を有する状態と定められていましたたが、現在の会社法では、実質的な支配が認められれば、議決権が50パーセント以下であっても子会社と判定されています。
小型株
上場会社の株式を、時価総額や流動性に応じて、大型株、中型株、小型株の3つに区分しています。東証一部では、時価総額と流動性の高い上位100銘柄を「大型株」、大型株に次いで高い400銘柄を「中型株」、それ以外を「小型株」と定義していますが、正確な定義は様々な観点があります。特に、「小型株」の定義は非常に曖昧です。ただ、大雑把に言えば、時価総額2,000億円未満は「小型株」と分類していいのではないでしょうか。株価の高い安いは、一切関係ないことに注意しておきましょう。重要なのは時価総額(=株価×発行済み株数)です。
国内総生産
国内総生産という言葉よりも、GDPという言葉の方が株式市場では定着しています。GDP(国内総生産)とは、1つの国の経済の流れの各段階で生み出した付加価値の総額であり、経済の規模を表しています。
固定比率
会社が保有する固定資産(土地、建物、工場、機械など事業に使うための設備が中心)について、どの程度を自己資本(株主資本)で賄っているかを示す指標です。財務の安全性を見る指標の1つです。固定資産を自己資本で割って算出しますが、この数字は低いほど安全性が高いと言えます。逆に、100%~200%ならまだ許容範囲ですが、200%を大きく超えると、危険水準にあるとも考えられます。
固定負債
基本的には、返済期限が1年超の負債を指します。長期負債とも言います。固定負債には主に、社債や長期借入金等の長期金銭債務、退職給付引当金等の長期性引当金、その他繰延税金負債等が該当します。一方、返済期限が1年以内のものを流動資産と言って、固定負債とは区別しています。
後場
証券取引所が開いている時間帯のうち、午前中を前場、午後を後場と言います。東京証券取引所では、前場が9時~11時30分まで、後場は12時30分~15時までとなっています。後場の終了を大引けと呼んでいます。