目次
た
貸借倍率
信用取引において、日証金残高の「買い残÷売り残」で算出された比率を「貸借倍率」と言います。貸借倍率は、原則として毎営業日ごとに発表されるため、信用倍率の速報値的な役割があります。貸借倍率が高いと「取り組みが悪い」、貸借倍率が低いと「取り組みが良い」と表現されています。取り組みが良いと、そのこと自体が買い材料となり、株価の上昇につながる場合が多々あります。特に、売り残が増えて、貸借倍率が1倍を割り込むと、株価が底をついたと判断されるようです。これらの表現や判断は、信用倍率と全く同じです。
貸借銘柄
信用売りができる銘柄のこと指します。信用取引では、信用買いしかできない銘柄(信用銘柄)と、信用買いと信用売りの両方ができる銘柄(貸借銘柄)があります。信用売りができる銘柄は、証券取引所と証券金融会社が定める選定基準を満たさないといけません。
大発会
新年の初めての取引日、及び、その日の取引を言います。通常は1月4日が大発会となりますが、土日にあたる場合は、1月5日か1月6日が大発会となります。ただ、大発会といっても、株式の売買そのものは通常と全く変わりありません。
大納会
その年の取引の最終日、及び、その日の取引を言います。通常は12月30日が大納会になりますが、土日にあたる場合は、28日か29日に繰り上がります。手締めをもってその年の取引が終了します。ゲストとして有名タレントや著名人が来ることでも知られています。
大量保有報告書
金融商品取引法の5%ルールに抵触した株主が、内閣総理大臣(財務局)に提出する書類のことです。この「5%ルール」とは、上場会社の発行済株式数の5%を超えて株式を保有することになった場合、保有から5営業日以内に提出しないといけないことを指しています。目的は、証券市場の公正性と透明性を保つこと、及び、投資家保護です。この大量保有報告書が公表されると、その銘柄の株価が大きく変動するケースが少なくありません。
高値
株式投資においては、取引市場で、1日とか1か月といった一定期間のうちでついた最も高い値段を言います。その逆が「安値」となります。
立会外分売
大株主が保有する株式を小口に分けて売り出す際に、投資家からの買い注文を集めて証券取引所の取引外で取引される売買方法のことです。大量の売注文は株式市場の需要と供給のバランスを崩し、株価の大幅な値下がりを招くため、それを回避する為に、市場を通さずに売却されます。一般に分売される株式の株価は、立会外分売を届けた日の終値より3~5%安く、手数料も不要です。そのため、密かに人気の取引ですが、いつ行われるか全く見通しが出来ないことは言うまでもありません。
建玉
信用取引において、信用買いまたは信用売りを行って、まだ決済されていない銘柄(未決済銘柄)のことを指します。元々は、信用取引を行うことを「建てる」と表現することから、この言葉が生まれました。新規の買いを「買建てる」と言い、買い建てた銘柄を「買建玉」と呼びます。同じように、新規の売りを「売建てる」と言い、売建てた銘柄を「売建玉」と呼びます。尚、いずれも、現物株の取引では使用しない言葉です。
短観
日銀短観のことを指します。正式名称は「企業短期観測調査」で、日本銀行が3ヶ月ごとに実施する民間企業の景況感や設備投資計画に関する調査です。企業の景気に対するマインド調査と言えます。速報性に優れており、景気判断の重要な目安になっていますが、株式市場に与える影響はさほど大きくないという意見が多いようです。
短期金利
お金の貸し借りの期間が1年未満の金利を言います。一般的には、数日から数か月程度の金利を表しており、実務的には、無担保コール翌日物、CD3ヶ月物等の金利を指しています。日銀が政策的に誘導する対象の金利の1つです。
単元株
発行会社が定めた株式の売買単位です。定められた一定の株数を1単元としていますが、多くの場合は100株が1単元です。現在は、単元株制度が導入されており、株式は全て無額面となっています。尚、証券取引所は、取引の利便性向上の為、全ての上場株式の単元株を100株に統一する最終段階になっています。
単元未満株
昔は「単位未満株」と呼ばれていましたが、取引所で取引できる最低単位の単元株に満たない端株のことを指します。単元株制度のもと、1単元の株式数に満たない株式と同じ意味です。1単元が100株の場合、1株から99株までの株数が単元未満株となります。基本的に1単元以上の株式と同様の権利が与えられますが、株主総会における議決権は与えられません。
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地政学リスク
「地政学的リスク」とも呼ばれます。これは、ある特定地域が抱える政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりが、地球上の地理的な位置関係により、その特定(関連)地域の 経済、あるいは世界経済全体の先行きを不透明にすることを意味します。簡単に言うと、テロや戦争が起きる地域が世界経済にもたらすマイナス影響ということです。具体的には、中近東情勢、朝鮮半島情勢、ウクライナ情勢、等が挙げられます。
チャイナリスク
中国に起因するカントリーリスクを「チャイナリスク」と称しています。これは、中国の政治、軍事的緊張、経済環境等により、様々な人の活動が阻害される可能性を指します。中国の経済規模が大きくなるにつれて、中国の様々な変化が、世界経済や株式市場に与えるインパクトが巨大化しています。その中で、近年最も懸念視されているのが、中国国内の金融問題であり、これをシャドーバンキング問題(影の銀行問題)と呼んでいます。
長期国債利回り
一般には、長期金利のことです。長期金利=長期国債利回りを意味します。日本では新発10年物国債の利回りを採用しています。債券市場で重要な指標となっており、国内の様々な金利にも大きな影響を及ぼしていると言えましょう。
直接金融
企業の発行する株式や債券を購入することで、投資家が企業の資金調達に直接的に参加する方式のことです。間接金融と対極の意味になります。企業にとっては、間接金融より直接金融のほうが有利な条件で資金を調達できるというメリットがあります。証券市場は直接金融の代表的なものと言えましょう。
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通貨危機
国の信用力が低下し、その国の通貨が暴落して、ハイパーインフレの発生などにより経済活動が大混乱に陥る状況を意味します。その国だけでなく、世界経済全体に悪影響を及ぼす場合が少なくありません。過去に起きた代表的な通貨危機としては、1994年のメキシコペソ暴落、1997年のアジア通貨危機、2001年のアルゼンチン危機などがあります。今現在も、常に懸念されている経済リスクの1つです。
つなぎ売り
株式相場の下落が見込まれる局面、あるいは、保有している銘柄に悪材料が出た場合において、その保有している現物株を売却せず、同じ銘柄を信用取引で“空売り”する手法を言います。値下がりした時点で買戻しをすることで、この信用取引の利益と、現物株の含み損が相殺される仕組みです。もし、値上がりしたならば、現物株を現渡しして決済することも可能です。株式投資の経験が豊富な、相当な上級者が取る行動です。
て
ディーリング
銀行・証券会社などが自ら資金の出し手となり、自己の勘定で有価証券や外国為替の取引を行うことで、自己売買と呼ばれています。金融商品取引法で定められた業務の1つですが、行き過ぎたディーリングは相場操縦に繋がるリスクがあるため、証券会社などには規制が敷かれています。
低位株
単純に株価水準が低い銘柄を言いますが、株価が低い銘柄全般を指すと考えていいでしょう。明確な定義がある訳ではありませんが、目安としては600円くらいまででしょうか。少なくとも、4桁の株価、つまり、1,000円を超える銘柄は低位株とは言いません。時々、株式市場では、こうした低位株が一斉に買われる「低位株相場」と呼ばれる状況が起きます。尚、低位株の対極にある銘柄を「値嵩株」と言います。
デイトレ
デイトレーダーの略称のことです。デイトレーダーとは、1日に何度も売買を繰り返す個人投資家のことです。ごく僅かな利幅でも、それを何度も繰り返して獲得することで、最終的には大きな利益を計上するデイトレーダーもいるようです。ただ、成功するデイトレーダーは極一部に限られているのが実情のようで、本来の株式投資とは大きく懸け離れていると言わざるを得ません。
ディフェンシブ銘柄
全体の株式市場が活況の時はほとんど値上がりしないのに、逆に、株式市場全体が低迷している時期には値上がりしたり、下落が小さく済んだりするような銘柄のことです。一般的には、食品、医薬品、電力、ガスなどの業種に属する銘柄が該当すると言われていますが、明確な定義は全くありません。
出来高
株式市場で売買が成立した株数を言い、「売買高」とも呼ばれます。相場全体の活況度合いを見る上で、この出来高は非常に重要な指標(データ)となります。株価の動きだけでなく、相場全体の出来高にも注視するようにしましょう。通常は株数を指しますが、近年は金額(売買金額)を重視する動きが強まっています。これは、デイトレーダーの増加や、従前より低位株が増えたため、株数では活況具合が測れなくなりつつあるためです。
出口戦略
金融経済の世界では、一時的な景気対策や金融政策などを、目的が達成できた等の理由で解除する運営方法を意味します。非常時終了の際の戦略を言います。「イグジット(EXIT)」と呼ばれる場合もあります。元々は、軍事行動で、軍隊の損害を最小限にとどめて戦線から撤退するための作戦(撤退作戦)に由来しています。
テクニカルアナリスト
株価チャートなどの価格変動の推移や需給動向等の統計分析を行い、投資タイミングの適否を判断する人を指します。証券アナリストと同様に、資格試験も実施されています。株価チャートから相場全体の動きを予想する人と考えればいいでしょう。
テクニカル分析
過去の株価変動から将来の株価を予測する方法を言います。統計的手法を用いた株価チャートを使い、過去の株価変動パターンを分析し、その分析結果を用いて予測します。テクニカルアナリストの人々は、各々が独自の分析手法を持っているようですが、基本的に、ファンダメンタルズ分析は一切組み込まれていません。
手仕舞い
取引をやめることを指しますが、株式投資を金輪際やらないとか、取引口座を閉鎖するということではありません。一般的には、保有している株式を売却したり、信用取引で売り建てていた銘柄を買い戻したりすること等を意味します。広い意味では、自分の投資戦略を見直すためのポジション(建玉)整理と言えます。
デッドクロス
株価チャート上に引いた、2本の異なる期間の移動平均線が交差するタイミングがあります。このうち、短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上に突き抜けることを「ゴールデンクロス」と呼び、株価が上昇に転じるシグナルと考えられています。逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へ抜けることを「デッドクロス」と言い、株価が下落トレンドになることを意味すると言われています。個別銘柄や相場全体の転換点を見る時に重宝されています。
転換社債
債券として発行されますが、一定期間経過後に、発行時に決められた条件で、発行会社の株式と交換できる社債のことです。投資家にとっては、株価の上昇を予測していつでも株式に変更できる点で利便性が高いと言えます。一方、発行体(企業)にとっては、自社の株価の上下によって、株式転換後の負債額が変動するのでリスクが大きいと言えましょう。そのため、普通社債に比べて利息は低めに設定されているのが一般的です。正式には「転換社債型新株予約権付社債」と称しますが、「CB」としての方が浸透しています。
転換社債型新株予約権付社債
転換社債(CB)の正式名称ですが、転換社債と称されるのが一般的です。債券として発行されますが、一定期間経過後に、発行時に決められた条件で、発行会社の株式と交換できる社債のことを指します。
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投機筋
株式投資やFXなどにおいて、短期的な売買によって利益を得る、投機を目的とした投資家全般のことを指します。ヘッジファンドや機関投資家によって構成されており、個人投資家を指すことはありません。投資額が大きいため、こうした投機筋の売買が株価や為替価格の変動に与える影響が大きいと考えられています。尚、「投機」とは、短期的な価格変動の目論見から、利ざやを得ようとする行為であり、「投資」とは一線を画します。
投資者保護基金
証券会社に預けている株式などの金融資産は、基本的には証券会社の資産とは分別して管理されているので安全です。ただ、証券会社の経営破綻や違法行為など、万が一の事故が発生した場合に、顧客一人当たり最大1,000万円を限度として支払いを補償する仕組みのことで、金融商品取引法で定められています。銀行システムのペイオフに似た制度です。この基金には、全ての証券会社(国内に支店のある外国証券会社を含む)の加入が、同じ金融商品取引法で定められています。
投資ファンド
投資家から集めた資金を、株式、債券、不動産、不良債権、等に投資し、得た収益を投資家に還元するスキームを意味します。投資ファンドの種類は非常に多く、公募型の投資信託、プライベート・エクイティファンド、商品ファンド、不動産ファンド、再生ファンド等様々です。また、こうした投資ファンドが上場会社の大株主となって、経営陣に経営効率化や株主還元等を要求する例も少なくありません。
堂島
大阪市北区と福島区にまたがる堂島川北岸のビジネス地区です。貞享年間 (1684~88) には新地ができ、遊郭が設けられました。元禄年間(1688~1704)に新開、米市場が開かれ、その後幕府官許の市場として発展し、江戸時代の全国米相場の中心となった場所です。世界で初めての公設先物取引所の所在地として知られています。
東証株価指数
「TOPIX」の方が広く浸透しています。東京証券取引所第1部の全銘柄を対象に算出される株価指数です。1968年1月4日の東証時価総額を100とし、日々の時価総額を指数で示しています。市場全体の規模の変動を見る“ものさし”として重要視されており、機関投資家の運用成績の評価尺度(ベンチマーク)にも使われます。日経平均株価と並んで、日本を代表する株式指標と言えましょう。その日経平均株価より上昇率が高い場合は、大型株が上昇したと判断できます。
東証マザーズ指数
東証マザーズに上場している株式を対象に、TOPIXに準じた方法で算出した株価指標です。基準日である2003年9月12日を1,000ポイント(基準値)とした場合に、現在の時価総額がどの程度かを示すものです。新興企業の株価指標としては、日経ジャスダック平均と並んで、最も定着していると考えていいでしょう。
東南アジア諸国連合
「ASEAN」の略称の方が広く浸透しています。東南アジアの10か国による、地域内の経済成長、社会・文化発展の促進、政治経済安定、域内の諸問題解決、等のための協力組織を言います。歴史的にも、日本とは非常に密接な関係があり、日本企業の生産拠点が数多くあります。また、構成国のタイ、インドネシア、ベトナム、ミャンマー等は、人口増加が見込めること等から、今後の世界経済を牽引する役割も期待されています。ただ、新興国の集まりでもあるため、通貨危機や政情不安などの混乱も少なくありません。
騰落率
様々な用いられ方がありますが、一般的には、前営業日の終値と比べた時に、株価がどれくらい上昇したか、もしくは、どれくらい下落したかを比率(%表示)で示したものを言います。株価の値上がりと値下がりを「騰落」と呼んでいます。また、その日の上場銘柄のうち、値上り銘柄数を値下がり銘柄数で割って求めたものを「騰落レシオ」と言い、株式市場全体の強弱感を見る上での重要な指標です。
トータル・リターン
投資家が一定期間で得る利益(損失)を合計したものです。具体的には、株式投資においては、値上り益(キャピタルゲイン)と値下がり損(キャピタルロス)を差し引きし、そこに配当金等のインカムゲインを合計したものになります。
特定口座
取引証券会社が顧客の上場株式や公募株式投資信託などの1年間の取引の結果を「年間取引報告書」にまとめる損益計算サービスを指します。特定口座で重要なのは、損益に課せられる納税の方法が2種類あり、1つは「源泉徴収あり」、もう1つは「源泉徴収なし」です。「源泉徴収あり」を選択すると、納税の手続きを証券会社が全て行ってくれるので、自身で確定申告する必要がありません。非常に効率的なサービスであるため、株式投資の初心者の場合、殆どがこの「源泉徴収あり」の特定口座を開設していると思われます。
特別清算指数
「SQ」と呼ばれています。先物取引やオプション取引において、取引最終日までに反対売買せず、取引最終日まで持ち越した場合の差金決済に用いる値です。現物の株式取引には全く関係ない用語です。ただ、このSQ算出日、及び、その前々日、前日には、株式市場が大きく変動することが多く見られるため、一概に無関係とも言えません。尚、3の倍数月(3月、6月、9月、12月)は「メジャーSQ」と称されます。
トップダウンアプローチ
“アクティブ運用”の投資スタイルの1つで、経済や市場動向などマクロ的な投資環境の予測から始まり、資産配分や業種別配分を決め、その後に個々の銘柄の選別まで到達する運用手法を言います。具体的には、国内外の経済のファンダメンタルズ(成長率、物価など)を分析し、株価・金利・為替などの市場予測を立て、また国別の配分比率や株式・債券等の比率などの投資方針の枠組みを決定し、その後に具体的な投資対象まで選別していくという仕組みとなります。尚、これと対極にあるのが、ボトムアップアプローチとなります。
取締役会
取締役全員で構成される、株式会社の業務執行に関する意思決定機関のことです。株主総会での決定事項以外の全てを決定する権限を持つ、最高機関会議と言えましょう。尚、株主総会とは異なり、株主はその保有株数に関係なく、参加することはできません。
ドルコスト平均法
株式や投資信託などの金融商品への投資手法の1つで、定額購入法とも言います。価格が変動する金融商品を購入する場合、一度に購入せず、 投資資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資することを指します。これを続けていくことで、結果的には平均購入単価が安い価格に近くなると言われています。これを活用したのが、「るいとう」や「ミニ株投資」です。個人投資家の方には有益な投資手法と言えましょう。
ドレッシング買い
「お化粧買い」とも言われています。美しく見せかけるという意味において、年末や年度末等の区切りのよい時に、意図的に株価を上昇させることを指します。ただし、その大きな買い注文によって株価が上昇するかどうかは、その時の相場環境次第になります。バブル崩壊後は頻繁に行われていましたが、最近は非常に少なくなったというのが業界の見方の用です。