まずは最も一般的な「信用買い」を見ていきましょう

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目次

信用取引を実際に行う前にもう少し学習しましょう

前回までは、皆さんが今まで行ってきた「現物取引」と、これから検討する「信用取引」との違いを中心に説明してきました。お分かり頂きましたでしょうか?まだピンとこない人も多いと思いますが、御心配なく。

現物取引がそうだったように、株式投資は全て、先ずは自分自身でやってみないと理解できません。信用取引も同じです。

ただ、信用取引は(現物取引に比べると)リスクが大きくなります。後々になって後悔しないように、これまでの復習も含め、もう少し学習しましょう。それから始めても全然遅くありません。

「信用買い」は最も一般的な信用取引

信用取引は証券会社から資金や株式を借りて、自己資金の約3倍まで取引ができることが特徴です。先ず、証券会社から資金を借りて「買い」から入る取引(これを『信用買い』と呼びます)から始めましょう。「信用買い」は、信用取引の中で最も一般的な取引となります。

「信用買い」も“株を買う”という意味では同じ

まず、「信用買い」も“株を買う”という観点では、今までの現物取引と全く同じです。時々、信用取引と先物取引を一緒に考えてしまう方がいますが、この2つは全く異なります(先物取引についてはまた別の機会にお話しします)。

さて、「現物買い」と「信用買い」の大きな違いは、ズバリ、取引できる金額です。証券会社から資金を借りることで、自己資金の約3倍強までの取引が可能になりますが(レバレッジ効果)、この時、約定代金の30%分の自己資金を「保証金」として差し出す必要があることは、前回までに述べてきました。尚、この保証金は、現金ではなく手持ちの株などで代用することが可能です。

より多くの収益が期待できるが、より多くの損失を被る場合も

自己資金にレバレッジ効果を適用できるメリットがある一方で、注意も必要です。自己資金の約3倍の買付ができますから、買い付けた銘柄の株価が上昇すれば、多くの収益が期待できます。ただ、逆に言うと、買い付けた銘柄の株価が下がった場合、より多くの損失を被ることになります。損失(リスク)が限定される取引ではない、ということを十分認識しておきましょう。基本的には、そんな都合の良い取引は存在しません。

「信用買い」の決済方法は2つある

また、これも説明してきましたが、期限内(制度信用取引は6ヶ月、一般信用取引は個々)に証券会社へ借りた資金を返済する必要があります。そこで、その返済(これを「決済」と呼びます)に際しては、①反対売買による返済、②現引きによる決済、の2通りがあります。

2つの決済方法とは「反対売買」と「現引き」

まず、①の反対売買による決済とは、信用買いで買った銘柄を売って現金化して、証券会社に返済する方法です。信用買いの決済方法では、最もスタンダードと言えましょう。

一方、②の「現引き」とは、信用買いで買った株を売却せずに、貯金等を取り崩して、借りた資金(金利含む)のみを返済する方法です。この場合、信用買いで買った株式は、皆さんが引き取る(保有する)ことになります。今は売りたくない、将来はもっと株価が上昇する、等の確固たる考えがあるならば、この「現引き」という決済も考慮する価値は十分あります。ただ、返済資金をやり繰りすることができないといけません。

さて、次回は信用買いの具体的な取引例を見ていきます。

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