ウォーレン・バフェットが日本株を買っていたらどの銘柄か

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ウォーレン・バフェットは、自身が経営する保険会社バークシャー・ハサウェイのアニュアルレポートで自らの投資のルール(基準)を惜しみなく公開しています。今回は、その基準を日本株に当てはめるとどうだったのかについてみていこうと思います。

【ざっくりいうと】

  • 投資の神様と言われるウォーレン・バフェットは自らの6つの投資のルールを公開しています。
  • このルールをもとにすると、公開情報から得られるデータだけでスクリーニングしたとしても、高パフォーマンスの日本株銘柄に出会える可能性があることがわかります。
  • ただし、バフェット自身は基本的に米国株に投資しています。もしもバフェットの思考をそのままなぞるのであれば米国株への投資を検討してもいいかもしれません。米国株に投資するなら取扱本数が多く手数料も手ごろなマネックス証券がおすすめです。

目次

1 バフェットの投資のルールを日本株に当てはめる

バフェットの投資のルールを日本株に当てはめる前に、まずはバフェットの投資のルールを簡単に振り返ってみましょう。

バークシャー・ハサウェイのアニュアルレポートに書かれているバフェットの投資のルールは以下の6つです。

1. 税引き前利益が75百万ドル(1ドル=120円換算で90億円)以上の企業
2. 継続的に利益を生み出している企業
3. 従業員数が少ないかもしくは借金が少なく、ROEが高い企業
4. (有能な)経営者がいること
5. 単純な事業
6. 適切な)値段

公開された決算や財務情報から判断が可能な1、2、3の要件を前提に日本を代表する銘柄にあてはめて、株価パフォーマンスがどうだったのかを見てみましょう。

1については、TOPIX(東証株価指数)の時価総額が大きな銘柄から抽出することで事業規模が大きい銘柄という前提にしました。

2と3について考えてみましょう。借金が少ないということは、総資産に占める負債の比率(=負債比率)が低いということです。裏を返せば、総資産の中に占める株主資本の比率(=株主資本比率)が高いということになります。2と3をまとめると、株主資本比率が高く、継続的にROEが高いかをチェックすればよいといえるでしょう。

図表1は、各産業において時価総額が大きな日本を代表する企業の株主資本比率を示したものです。

図表1:日本を代表する企業の株主資本比率(2013年度)

出所:SPEEDAをもとに株1編集部作成

ファナックの株主資本比率が90%近くもあり、ソフトバンクが10%程度に留まることが分かります。バフェットの投資ルールでいえば、ファナックや日本たばこは評価されるべき会社といえます。

ROEはどうでしょうか、図表2で見てみましょう。ROEは、株主資本をもとにどの程度の利益を稼いでいるかを知る指標(ROE=純利益÷株主資本)です。ROEが高ければ、株主にとっては、より効率的な経営が行われているといえます。

図表2:日本を代表する企業のROE

出所:SPEEDAをもとに株1編集部作成

バークシャー基準では、安定的に高いROEであることが求められています。ソフトバンクは、このグループの中では、最も高いROE水準を達成しています。ソフトバンクの高いROEは、高い負債比率の裏返しということもあります。しかし、2004年度以降高いROEを継続的に示しています。日本たばこや東海旅客鉄道、ファナックもソフトバンク程ではありませんが、安定的に10%以上のROEを達成しています。

一方、日立製作所は最近でこそROEは改善傾向にありますが、過去巨額の最終赤字を計上してきたことなどもあり、継続的に安定したROEをだしてきたとは言えません。こうした株主資本比率やROEを踏まえて、各銘柄の株価パフォーマンスを見てみましょう。

図表3は2001円3月末から2015年4月2日までのおおよそ14年間にわたる株価やTOPIX(=東証株価指数:大まかには主な日本株全体の動きととらえてください)のパフォーマンスを見たものです。

図表3:日本を代表する企業の株価とTOPIXのパフォーマンス比較

出所:SPEEDAをもとに株1編集部作成

TOPIXは1980年後半から1990年初めのバブル相場以降、循環相場であることは間違いありません。ただし、図表3からは、そうした循環相場を乗り越えて高いパフォーマンスを示している銘柄が多いことがわかります。TOPIXに対してパフォーマンスが下回っているのは株主資本比率が低く、ROEが安定的でない日立製作所だけです。

日本人であればなじみの深い事業規模の大きな銘柄でさえも、6つのバフェットの投資ルールのうち公開情報から容易に判断できる3つの条件を満たすような銘柄では、株価が数倍になるという高いパフォーマンスを示したことがわかりました。

個人投資家のみなさんも、更に基準をもとに調査をしていけば、高パフォーマンスの銘柄に出会えそうです。

2 バフェットの投資ルールに該当する日本株をネット証券で買う

日本株は、どこの証券会社でも基本的に買うことができます。そのため、どの証券会社で買うかは、株の売買時に発生する手数料の水準と、投資情報やスクリーニングツールの充実度という二つの面を重視するのが妥当でしょう。バフェット型の長期投資に挑戦したい方は、取引の頻度が少ないので、手数料の水準にはそこまで敏感になる必要はなく、程々の手数料と投資情報の充実度のバランスが大事ではないでしょうか。

ネット証券の「1約定ごと」の手数料(税抜)比較

証券会社名 10万円 50万円 100万円 300万円
ライブスター証券 80円 180円 340円 600円
GMOクリック証券 88円 241円 436円 834円
au カブコム証券 90円 250円 990円 2,790円
SBI証券 90円 250円 487円 921円
楽天証券 90円 250円 487円 921円
岡三オンライン証券 99円 350円 600円 1,500円
SMBC日興証券 125円 400円 800円 2,000円
マネックス証券 100円 450円 1,000円 3,000円
松井証券 0円 500円 1,000円 3,000円

注:SMBC日興証券の項目は、ダイレクトコースのオンライントレードを利用した場合の手数料を表示
注:マネックス証券は50万円超の取引では成行と指値注文で手数料が異なるが、ここでは成行注文の手数料を表示
注:松井証券の手数料体系は1取引毎ではなく、1日当たりの約定代金合計に対して適用される
注:2018年1月5日現在

ネット証券の「見ておきたい投資情報」提供状況比較:ニュース系

トムソン・ロイター 日経Quickニュース 日経テレコン21
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マネックス証券 有料(ツール内配信)
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GMOクリック証券 無料
SMBC日興証券 無料
岡三オンライン証券 無料
松井証券 無料 無料
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注:2015/03/03時点

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注:2015/03/03時点

3 そもそもバフェットは日本株を買うのか

日本株について色々お話した後でこんなことを言うのも少し気が引けますが、バフェットが日本株を買う可能性は非常に低いと思います。

その理由は、バフェットが「米国の成長」にベット(賭けているという意味)しているからです。バフェットはバークシャー・ハサウェイの年次報告書(アニュアルレポート)でこの点をはっきりと述べています。

バフェットは個別企業の競争力などや事業の継続性に注意を払っているわけですが、それ以前に企業の基盤である国の成長力を見ているのです。つまり、経済成長率や経済規模が拡大する可能性が米国に比べて低い日本の企業を買うかどうかは可能性が低いといえます。もっとも、アベノミクスで今後日本が本当に継続的に経済成長を実現することができるようになれば話は別ですが。

4 バフェットが大好きな米国株をネット証券で購入する

米国株については、そもそも証券会社毎に取扱い銘柄数に大きな差があり、マネックス証券が群を抜いています。また、売買手数料もマネックス証券が最も安く、無料で口座開設しておくとバフェット銘柄紹介レポートなども読めるので、便利です。米国株の取扱い銘柄数などの詳細は「ネット証券会社の外国株式手数料・カバレッジ比較」で比較しています。

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5 まとめ

いかがでしたか?バフェットの投資ルールに基づいて日本株を見てみると、公開情報から得られるデータで見ただけでも、かなり高パフォーマンスの銘柄を抽出できることにお気づきいただけたかと思います。バフェット流の銘柄選びにご興味がある方はぜひ一度試してみてください。

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