株初心者もおさえておきたい、成長株投資のポイント
株式投資における“成長株投資”とは、売上と利益がともに成長している企業を、早い段階から発掘し投資することです。株初心者には少し難しいかもしれませんが、ここで重要なのは、売上と利益が、「ともに」成長しているという点です。
売上が伸びても利益が伸びなければ「利益なき繁忙」となってしまいます。そうした会社に就職すると、仕事は残業続きで忙しいのに、サービス残業ばかりで収入が思ったほど増えず、社員の暮らしは一向に上向かない、といったことになりかねません。
一方、売上は伸びていないのに、利益だけが伸びている場合は、リストラなど一時的なコスト削減に頼った利益増の可能性があります。いつの間にか同僚がいなくなり最後には自分も…ということになるかもしれません。
もちろん、上記の例は単純化した極端な例です。ただ、成長分野だと期待して取り組んだ事業でも、同じように考えた競合メーカーが多数参入し、結果的には競争激化となり、「利益なき繁忙」となってしまうことはよくあることです。競合企業に対しての「差別化ポイント」を持っているか、競合メーカーの参入を許さない「参入障壁」があるかを見極めることが、就活生だけではなく、投資家父さんにも求められます。
また、リストラによって利益が回復している企業についても、リストラ完了後の成長戦略が明確にあるのかを見極めることは、投資家父さんと就活生の両者にとって重要と言えます。
就活生の場合、これから30年以上の職業人としての人生を歩むわけですから、停滞や縮小していく企業よりも、成長企業に就職したいと考えるのが自然でしょう。ただし、日本のGDPの成長が見込めないなかで、成長企業を見つけることは可能なのでしょうか?
株初心者も就活生も知っておきたい成長企業の具体例
図表1を見てください。これはエムスリー(銘柄コード2413)という医療情報の会社(株初心者を始めとして、あまり一般には有名ではないかもしれませんが、詳しく知りたい方はLongineへ)の業績と株価の推移です。この企業は売上高も利益も右肩上がりで成長しており、株価も10年間で約140倍に上昇しています。注目したいことは、同社は、一時的ではなく長期間にわたり成長し続けていることです。
このような企業への投資を、成長株投資、あるいは「グロース株投資」と言いますが、次回以降は、成長企業とよばれる企業を探すためのポイントや、成長株投資に入門するにあたっての注意点や基礎について考えたいと思います。
2015年4月30日 02:00 公開
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