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株初心者も就活生も、企業のライフステージの見極めが大切
成長企業の定義は様々ですが、一般的には「伸び盛りの企業」だと思います。人間に例えれば、就活投資家の年齢に相当する20代前半までの年頃となるでしょう。会社や事業(製品、サービス)には、その誕生から衰退までの「ライフサイクル」があり、導入期→成長期→成熟期→衰退期に区分されます。つまり、成長期は永遠には続かないということです。また、企業経営の大前提は「ゴーイングコンサーン」(継続企業)が基本・基礎ですが、実際には会社の寿命は30年程度と言われています。中には100年を超える長寿の会社もありますが、全体から見ると少数派なのです。稀にある長寿企業は、衰退した事業に代わる新たな成長事業を生み出すことに成功してきた企業です。
株初心者も就活生も、企業や事業のライフステージ(成長期にあるのか、衰退期にあるのか)や、事業ポートフォリオマネージメント力(衰退事業を整理し新規事業を育成できるか)を見極めることが基礎となり、非常に大切なのです。
ネット証券のスクリーニング機能を活用する
さて、株初心者や就活生は、どのように成長企業を探せばよいでしょうか。一番、手っ取り早い方法は、ネット証券が提供している「スクリーニング」という機能を活用することです。
例えば、楽天証券では口座開設者に対して「スーパースクリーナー」というツールを無料で提供しています。これを使えば、東証1部、東証2部、東証マザーズ等に上場している企業から、売上高、経常利益の過去5年間の変化率の高い企業を、株初心者でもご自身で見つけることが容易にできます。
成長株投資への入門に際しての注意点
ただし、スクリーニング上位の高い成長率の企業が“投資対象”として魅力的かといえば、それほど単純なものではありません。スクリーニングから得られたグロース株は、既に人気化しており、株価の割安割高を示す指標の1つであるPER(株価収益率)が、平均より高く(割高に)なっているケースが多く見られます。また、過去5年間の成長率が、これからの5年間の高成長を保障するとは限らないため、一旦、成長が鈍化した場合、割高に買われてきた反動により、株価が下落傾向を辿ることがあることに十分な注意が必要です。スクリーニングの結果を見て直ぐに投資をするのではなく、各企業のIRやアナリストレポートをよく吟味する必要があります。
スクリーニングによって見つけた企業群の成長スピードは今後更に加速するのか、過去と同じようなペースで続くのか、減速するのか、あるいはピークアウトしてマイナス成長になるのか、見極めることを目的にIR資料やアナリストレポートを読むのが良いでしょう。
成長株投資とバリュー投資
そもそも、元本確保や安定的に金利を受け取ること(安全性)を重視する債券投資(デッド投資)とは対照的に、株式投資(エクイティ投資)は、企業の将来性や成長性への投資です。つまり、本来的には、株式投資への入門は成長株投資への入門であるとも言えます。
一方、一般的に言われている「成長株投資」は、成長見通しが高いのであれば、多少、株価バリュエーションは割高でもリスクを取って企業の将来性に期待して投資するという「狭義」の成長株投資です。これと対極にあるのが、中程度の成長性のある企業をリーズナブルな株価水準で投資する「GARP(Growth at reasonable price)型投資」、成長見通しははっきりしないが、本来の企業価値よりも株価が明らかに売られ過ぎている企業に投資する「バリュー株投資」といった投資スタイルです(実は、成熟したと言われている日本市場では、こうした投資スタイルのほうが一般的に入門しやすいと言われています)。これらは、就活ランキングの上位企業だけを狙わない就活スタイルに似ています。
次回は、こうしたバリュー投資への入門について考えてみたいと思います。
2015年5月6日 17:05 公開
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