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目次
はじめに
2017年10月、日経平均は16日続伸し、連続上昇日数の過去最高記録を更新しました。また、11月には26年ぶりに一時的に23,000円を突破しました。今、日本の株式市場は追い風の状況です。しかし、これだけ上昇が続くと、一時的なものではないのか、近いうちに株価が急落するのではないか、といった懸念が頭をよぎりがちです。そこで、ここでは、いざという時の心構えをすべく、株価暴落について過去の歴史を参考に見てみましょう。
1 株価暴落とは
株価暴落とは、株式市場全体で株価が急激に下がることを言います。株価暴落の数値基準に明確な定義はありませんが、数日間で市場平均株価の下落率が2桁を超えた場合が一般的です。株価は、株を売りたい人と買いたい人が値を出し合った結果、決まるものですが、何らかの要因で売りたい人が急増し、買いたい人がほとんどいなくなると、この需給のバランスが崩れ一気に株価が下がるのです。また、この暴落がより多くの売りを加速し、パニックを引き起こすと大暴落につながる場合もあります。
2 株価暴落の歴史
これまでにもたびたび株価が暴落したことはありますが、その中でも特に知られているのは、以下の3つです。
2.1 ウォール街大暴落(1929年)
一般的に「ウォール街大暴落」と言われている株価暴落は、1929年10月24日から約1カ月の間に起こりました。世界恐慌のきっかけと言われており、さらに世界恐慌は第2二次世界大戦の発端にもなりました。それほどインパクトの大きな大暴落だったのです。
現在までの1日におけるNYダウ下落率トップ5は以下のようになっています。
第1位:1987年10月19日 ▲22.6%
第2位:1929年10月28日 ▲13.4%
第3位:1929年10月29日 ▲11.7%
第4位:1931年10月 5日 ▲10.7%
第5位:1929年11月 6日 ▲9.9%
90年近く前の出来事であるにもかかわらず、この中に3日も入っていることからも、その凄まじさがわかるでしょう。第一次大戦後、戦場とならなかったアメリカは、まれにみる好景気で積極的な設備投資や生産増強を行い、空前の投機ブームとなっていました。しかし、ヨーロッパの復興や農業不況、賃金上昇の鈍化による国民の購買力低下でアメリカ製品は生産過剰状態に陥り、不動産価格の下落などで実体経済は不況になり始め、需要と供給のバランスが崩れた結果、株価大暴落につながったと考えられています。
2.2 ブラックマンデー(1987年)
1987年10月19日に起きた株価大暴落は、「ブラックマンデー」と言われており、上記のランキングでもわかるように1日あたりで史上最大の下落率となりました。ニューヨーク証券取引所を発端にアジア市場、ヨーロッパ市場にも波及し、世界同時株安をもたらしました。しかしながら、ブラックマンデーの要因はいまだにわかっていません。一般的には、アメリカの双子の赤字への懸念やドイツの利上げによるドル安への協調体制の崩壊、コンピュータの自動売買プログラムによる売り注文の加速などが挙げられていますが、はっきりしたことは不明です。なお、ブラックマンデーがきっかけとなり、ニューヨーク証券市場でサーキット・ブレーカー制度が導入されました。この制度は、値動きが一定の幅になった場合に強制的に取引を一時停止させ、投資家に冷静になることをうながすことを目的としており、アメリカだけでなく日本やヨーロッパ、韓国などでも導入されています。
2.3 リーマン・ショック(2008年)
2008年9月から10月にかけて起きた株価大暴落は、一般に「リーマン・ショック」と言われています。アメリカの大手投資銀行(全米第4位)であるリーマン・ブラザーズが経営破綻をしたことをきっかけとした世界的な金融危機により、株価の大暴落が起きました。いかに大きな暴落だったかは、現在までの1日のNYダウ下落幅トップ5を見てみるとわかります。
第1位:2008年 9月29日 ▲777.6ドル
第2位:2008年10月15日 ▲733.0ドル
第3位:2001年 9月17日 ▲684.8ドル
第4位:2008年12月 1日 ▲679.9ドル
第5位:2008年10月 9日 ▲678.9ドル
2008年9月から10月の間に3日間、また12月にも大幅な下落が起きています。この暴落の要因は、2007年のサブプライムローン問題に端を発する金融不安とされています。9月15日にサブプライムローン問題で多大な負債を抱えたリーマン・ブラザーズが破綻、翌16日のアメリカ最大の保険会社AIGが経営危機により国営化決定、これらの金融不安への対応である緊急経済安定化法案が否決され、9月29日に史上最大の▲777.6ドルを記録しました。この影響が世界各国に波及し、世界的な株価大暴落を引き起こしました。
3 株価暴落の予兆は?
では、株価暴落は事前に予想することができるのでしょうか。上記の大暴落でいずれも共通していることは、直前まで相場が非常に過熱している状況だったということです。
例えば、ウォール街大暴落の時、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディの父ジョセフ・ケネディは、靴磨きの少年が株の話をするのを聞いて市場が異常であると感じ、この大暴落をうまく売り抜けたというのは有名なエピソードです。通常であれば、株式市場に関心が低いであろう層までが株の儲け話をするようになっていることで、市場の異常な過熱を察知したというわけです。実際、ウォール街大暴落の直前には、NYダウは8年間で6倍以上になっていました。また、ブラックマンデーの時にも5年間で4倍近くまで上昇しており、リーマン・ショックの前もNYダウは史上最高値を更新し続けていました。いくら好景気といっても数年で企業価値が何倍にもなることはあり得ないことで、異常な状態であることがわかります。
なお、株価暴落を予想するための指数やサインとして、VIX指数、バフェット指数、ヒンデンブルグ・オーメンなどがありますが、過熱を感じたらこれらをチェックしてみるのもよいかもしれません。ただし、これらも確実とは言えないことは肝に銘じておきましょう。
また、株価暴落には地政学的リスクや大きな事件がきっかけとなることもあります。1990年の湾岸戦争や2001年のアメリカ同時多発テロなどの時にも株価暴落が起こりました。このように世界各国のニュースなどにも気を配っておくことも重要です。
株価暴落の予兆や原因は、後から分析すればいろいろと出てくるものですが、事前に予想することはとても困難です。ただ、市場の過熱感や地政学的リスク、各国の金融不安などに注意を払っておくことで、ピンポイントの予想はできなくても、そろそろ起こってもおかしくないという心構えはできるのではないでしょうか。
4 株価暴落後の戻りは
ここまで株価暴落について見てきましたが、では暴落後の戻りはどのような感じだったのでしょうか。先ほどの3つの例におけるNYダウの動きを見てみると、まず、ウォール街大暴落の時は第二次世界大戦の影響もあり、暴落前のピーク時と同水準になるまでに約15年かかりました。、ブラックマンデーの時は、暴落直後から活発に取引が行われ、意外なことに2年で回復しています。リーマン・ショックについては、約4年で前の水準になっています。また、キューバ危機やベトナム戦争時の暴落などの例を見ても、回復には5年未満とそれほどかかってはいません。
一方、日経平均もだいたい5年以内に回復していることが多く、リーマン・ショックの場合はアメリカよりも遅いものの約5年で前の水準に回復しました。一方で、1989年のバブル崩壊時の暴落について言えば、いまだその水準は回復していません。このように、いくつかの例外はあるものの、長期投資を想定している場合はそれほど暴落に慌てる必要はないのかもしれません。
5 2018年の株価暴落の可能性は?
さて、現在好調な株式市場ですが、2018年に株価が暴落する可能性はあるでしょうか。今のところ、2018年はそのまま好調が継続するのでは、という意見が多いようです。市場もバブル期のような異常な過熱にまでは至っていません。
しかし、いくつか想定される地政学リスクがあります。北朝鮮の核・ミサイル開発問題は未だに解決の兆しはなく、事態の進展によってはアメリカだけでなく日本にも直接的に大きな影響が出る可能性があります。また、アメリカの中間選挙でトランプ大統領の共和党の勝敗の行方や、中東におけるサウジアラビアを巡る不穏な動き、ヨーロッパでのイギリスのEU離脱が本格化など、いくつかの危険要素があり、場合によっては株価下落を引き起こす可能性があるので、動向を注意しておく必要があります。
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7 おわりに
いかがでしたか。現在株価は好調ですが、いつまた下落するかはわかりません。さまざまなリスクを想定して暴落に備えておくことも必要ですが、目先の利益を追って過熱する投資ブームに乗ったり株価暴落に慌てたりするのではなく、本来の投資の目的に沿ってじっくりと状況を見極め、冷静な判断を心がけましょう。