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リファインバース(6531)の東証マザーズ市場への上場(IPO)が東京証券取引所より正式に承認されました。公募価格や主幹事証券会社、事業内容や最近の業績内容からリファインバースのIPO株としての魅力や注目ポイントについて分析します。
【ざっくりいうと】
- リファインバースは、産業廃棄物の再資源化の中でも、タイルカーペットの再生処理化を主に手掛ける会社です。2020年の東京オリンピックに向けて、ビルやホテルの建て替えなどに関連して、タイルカーペットの再生処理に注目が集まる可能性があります。
- 2017年6月期に増益を見込めるようであれば、PERに割高感はありません。オファリングレシオも上場時は低めです。ただし、ロックアップ期間と主要株主の構成を考慮すれば、IPOに当選しても90日以内に一旦ポジションを手じまうのがよいと思われます。
- リファインバースのIPO株を手に入れるには、幹事証券および、IPO株の販売を手掛ける可能性の高い証券会社に口座を開設しておく必要があります。まずは、以下の2社に口座開設しておくのがよいでしょう。
抽選方針 売却時手数料(税抜) SBI証券
- 店頭配分を除いたIPO株の内60%は完全抽選。申込数に比例して当選確率が高くなるため、資金力がある人が有利。
- 同30%は「IPOチャレンジポイント」に基づく、独自のIPO当選優遇システムで配分。
185円 SMBC日興証券
- 店頭配分が90%で完全平等抽選は10%。
180円 注1:売却時手数料はIPO株を最小単位購入し、同額で売却した前提で計算
注2:SMBC日興証券の売却時手数料はオンライン取引のレート
目次
1 リファインバースの上場が決定!産業革新機構(INCJ)案件の成果はいかに
リファインバースは、2社の連結子会社とともに、再生樹脂製造販売事業と産業廃棄物処理事業を行ってます。
新規上場銘柄としては、売上高の伸び率に物足りなさがありますが、収益に関してはこれまでの伸び率を継続できれば魅力的な企業といえます。事業戦略を見る上で、住友商事との今後の協力関係も重要となってきそうです。
現状の事業ポートフォリオからは産廃事業者というイメージがぬぐえませんが、今後の再生樹脂製造販売事業の拡大次第では、製造業としての評価が上がってくるでしょう。
なお、リファインバースの筆頭株主は、いわゆる官製投資ファンドである産業革新機構(INCJ)です。株式市場でいわゆる「INCJ案件」として良くも悪くも注目が集まる可能性があります。
2 リファインバースはどのような会社か
リファインバースは産業廃棄物の再資源化を事業として行っています。産業廃棄物の中でも主に行っているのはタイルカーペットの再生処理化です。タイルカーペットとは何か、とお思いの投資家も多いかと思いますが、フロアに敷く絨毯のようなものです。オフィスだけではなく、たとえばリフォーム後、あるいは子供部屋やペット向けに敷いているというご家庭も最近では多いかと思います。
タイルカーペットを詳しく知りたい方には、以下のサイトが参考になります。
首都圏でも2020年の東京オリンピックに向けて、オフィスビルや大手ホテルの建て替えなども続いていくでしょうから、タイルカーペットの処分と再生化に注目が集まることになるでしょう。
また、リファインバースの筆頭株主は産業革新機構(INCJ)です。INCJはいわゆる官製投資ファンドです。INCJへの出資は、国の財政投融資特別勘定から2,860億円、トヨタ自動車や日立製作所といった事業会社から140億円の資金拠出を得ています。これらの資金拠出に加えて1兆8,000億円もの政府保証を得ており、先の出資金と併せて俗に「2兆円ファンド」と呼ばれたりもします。
>>産業革新機構の株主構成
>>株式会社産業革新機構について
INCJがリファインバースをサポートしたわけですから、株式市場でいわゆる「INCJ案件」として良くも悪くも注目が集まる可能性があります。
2.1 事業内容
リファインバースはグループ会社の総称です。株式会社リファインバースは2社の連結子会社(インバースプロダクツ株式会社、株式会社ジーエムエス)を抱え、全体の事業が構成されています。
事業は大きく2つあります。一つは再生樹脂製造販売事業、もう一つは産業廃棄物処理事業です。
再生樹脂製造事業は、リファインバースとインバースプロダクツが担当しています。使用済みタイルカーペットを再生処理し、合成樹脂製品として販売します。
産業廃棄物処理事業はジーエムエスが担当します。ジーエムエスは産業廃棄物の運搬及び中間処理業者という位置づけです。ジーエムエスが中間処理した材料をリファインバースに処理委託をしたり工場端材をインバースプロダクツに供給したりしています。
2.2 産業廃棄物処理事業は売上高の60%超を占め現状は産廃業者か
リファインバースの売上高のうち約60%は産業廃棄処理事業が占め、今後再生樹脂製造事業が伸びていくにせよ、現状は産廃事業者といえるでしょう。
図表1:リファインバースの2015年6月期の売上高構成
出所:会社資料をもとに株1編集部作成
また、事業ごとの利益を見ても、2015年6月期では、全社で1.5億円弱の経常利益のうち、産業廃棄物処理事業が約1.3億円、再生樹脂製造販売事業はわずか600万円!程度です。
2.3 決算内容
図表2は、リファインバースの売上高と営業利益を示したものです。2015年6月期の売上高は約18億円で、営業利益は約1.8億円という水準です。
2015年6月期の売上高は対前年同期比+6%と日本の名目GDPの成長率と比べれば高い水準ですが、新規上場銘柄としては売上高の伸び率は少し物足りない感じはします。
2015年6月期の営業利益成長率は対前年同期比+39%増と高い成長率を示しています。2014年6月期は8%、2015年6月期は10%とまずまずの収益率です。
売上高の伸び率は物足りなさがありますが、収益に関してはこれまでの伸び率を継続できれば魅力的な企業といえるでしょう。
図表2:リファインバースの売上高と営業利益
出所:会社資料をもとに株1編集部作成
2.4 住友商事がリファインバースの主要取引先
住友商事との取引はリファインバースの売上高のうち約19%を占めます。住友商事はリファインバースの大口の株主ですが、リファインバースの事業戦略を見る上で、住友商事との今後の協力関係も重要となってきそうです。
2.5 上場前の主な株主構成
リファインバースは産業革新機構(INCJ)が筆頭株主です。国の資金を背景としたINCJ出資案件ですので、リファインバース上場後にいわゆる「上場ゴール」のような、つまり上場初値が上場来高値というような株価形成をしてしまうといろいろな議論が噴出しそうです。
また、リファインバース代表取締役社長の越智昌氏が2000年4月に株式会社大前・ビジネス・ディベロプメンツ(OBD)に入社していることも関係しているのか、OBDも株主に名を連ねています。
主要な株主のロックアップは上場後90日である2016年10月25日までです。
株主 | 比率 | ロックアップ |
---|---|---|
産業革新機構 | 17.48% | 上場後90日(2016年10月25日) |
越智 昌 | 12.22% | 上場後90日(2016年10月25日) |
MSIVC2008投資事業有限責任組合 | 11.12% | 上場後90日(2016年10月25日) |
住友商事 | 8.34% | 上場後90日(2016年10月25日) |
住之江織物 | 7.34% | 上場後90日(2016年10月25日) |
三井住友海上C2005V投資事業有限責任組合 | 6.99% | 上場後90日(2016年10月25日) |
新生銀行 | 6.15% | 上場後90日(2016年10月25日) |
NVCC6号投資事業有限責任組合 | 5.97% | 上場後90日(2016年10月25日) |
越智 敏裕 | 4.23% | 上場後90日(2016年10月25日) |
九州ベンチャー投資事業有限責任組合 | 3.76% |
3 リファインバースのIPO株投資を検討する際の注目ポイント
以下、株価や業績から投資を判断する際のポイントについて整理します。
3.1 株価を考える際のポイント
IPO銘柄は上場後の短期的な株価の動きが気になりますよね。株価推移を読み解くためにもっとも重要なのが株価評価(バリュエーション)です。今回は、初値が1,700円だと仮定して株価評価をしてみましょう。
時価総額が23億円として、2015年6月期実績のPERですと18倍となります。ただし、2016年6月期の9か月累計の利益でみるとすでに2015年6月期の経常利益の水準を超えてきており、2016年6月期のPERは安く見えそうです。
仮に2016年6月期の経常利益が2.5億円、当期純利益が1.6億円であればPERは14倍程度なので、2017年6月期に増益を見込めるようであれば、割高感はないでしょう。
IPO価格等
想定価格(A) | 1,700円 |
仮条件(B) | 1,500~1,700円 |
公募価格(C) | 未発表 |
初値(D) | – |
上場時の発行済株式数(E) | 1,378,310株(1,288,310株+新規発行株式90,000株) |
想定時価総額(F)=(B)の中間×(E) | 約23億円 |
上場時の市場流通株式数(G) | 164,800株(新規発行株式90,000株+売出株式74,800株) |
オファリングレシオ(H)=(G)÷(E) | 約12% |
3.2 オファリングレシオを確認
オファリングレシオは、上場時は12%と低めですが、90日以降にロックアップが外れ、また大口の株主がファンドやベンチャーキャピタルであることを考慮すれば、IPOに当選しても90日以内に一旦ポジションを手じまうのが良いかと思います。
3.3 中長期での注目ポイント
リファインバースの現状の事業ポートフォリオからは産廃事業者というイメージがぬぐえませんが、今後の再生樹脂製造販売事業の拡大次第では、製造業としての評価が上がってくるでしょう。また、そうしなければ高いバリュエーション(株価評価)も投資家に受け入れてもらえないでしょうから同社経営陣も意識していることともいます。
3.4 ブック・ビルディングまとめ
IPOのスケジュールは以下の通りです。
仮条件決定日 | 2016年7月8日 |
ブック・ビルディング期間 | 2016年7月12日から7月19日まで |
公募価格決定日 | 2016年7月20日 |
購入申込期間 | 2016年7月21日から7月26日まで |
払込期日 | 2016年7月27日 |
受渡期日(=上場日) | 2016年7月28日 |
注:証券会社によってスケジュールが異なることがあるため、必ず各証券会社でご確認ください。
元引受証券会社は以下の通りです。
- 大和証券
- みずほ証券
- SBI証券
- SMBC日興証券
- いちよし証券
- ちばぎん証券
- エース証券
4 すぐ行動を!リファインバースのIPO株を入手するための手順
日頃は売買費用を抑えるためにネットで取引をされている方や、株取引をしたことがない方にも、IPO株を手に入れるチャンスはあります。上記の元引受取引参加者に名を連ねているネット証券や、元引受取引参加者と同じグループになるネット証券に可能な限り多く口座を開設し、ブック・ビルディングに参加するのです。
4.1 IPO株におすすめの証券会社はここだ!
2016年前半で40件のIPOがありましたが、初値が公募価格を上回ったのは31件、勝率にして78%です。この勝率の高さ故に「お宝」とも言われるIPO株は人気が高く、多くの場合抽選になります。IPO株を入手するには、取扱う予定の証券会社全てに口座開設して、片っ端からブック・ビルディングに応募するのが基本動作ですが、証券会社の中には、日頃の取引実績が豊富な投資家だけにIPO株を割り当てるところもあります。
そこで、デュアルタップのIPOで過去の取引実績がなくても当選の確率があるオススメの証券会社をピックアップしてみました。IPO株は、購入時は手数料がかかりませんが、売却時は手数料がかかるので、最小単位を売却した場合の手数料も記載しています(仮条件1,500~1,700円と同じ株価で売却したと仮定)。
まだ口座をお持ちでない方は、急ぎ以下のネット証券に口座開設しましょう。口座開設には早くとも2~4営業日程度はかかります。
オススメの証券会社-「IPO(新規公開株)に強いネット証券会社を徹底比較」もあわせて読む
抽選方針 | 売却時手数料(税抜) | |
---|---|---|
SBI証券 |
|
185円 |
SMBC日興証券 |
|
180円 |
注1:売却時手数料はIPO株を最小単位購入し、同額で売却した前提で計算
注2:SMBC日興証券の売却時手数料はオンライン取引のレート
SBI証券とは?
- 350万を超える口座数。個人投資家売買シェアナンバーワン。
- IPO銘柄の取扱い銘柄数がネット証券でトップクラス。
- 投信取扱数はネット証券最多。外国株も豊富な品ぞろえ。
>>SBI証券の口座開設(無料)
>>SBI証券の詳細解説を見る
SMBC日興証券とは?
- 大手(総合)証券会社。支店における対面取引に加えオンライントレードサービスも充実。オンライントレードの手数料はネット証券レベルの魅力的な水準。
- IPO銘柄数がきわめて多い。抽選方式で割り当て。
- 日本株、新規公開株、ミニ株に加え、金額・株数指定取引や中国株取引が可能。
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>>SMBC日興証券の詳細解説を見る
5 まとめ
リファインバースの解説はいかがでしたか?2020年の東京オリンピックに向けて、建て替えが予定されているオフィスビルやホテルは相当数にのぼりますので、タイルカーペットの再生処理にも注目が集まりそうです。製造業としての評価は、今後の再生樹脂製造販売事業の拡大次第ともいえます。
7月12日からブック・ビルディングが始まります。もし、口座がないけれどもブック・ビルディングに興味がある、という方は、急ぎ口座を開設して参加していただければと思います。なお、IPOに当選した場合は手じまいのタイミングに留意していただくとよいでしょう。