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改めて、株価は会社の“将来”を評価する傾向が強い
初心者向けの項「少額で「買える株」の中から、何の株を買うかを調べることこそ「投資」」で、一般的には、株価は会社の現状よりも、”将来の業績”、”将来の姿”を評価しに行く傾向が強いことを説明しました。今、どんなに業績が良くても、これから悪くなる場合は、投資対象としての魅力が薄れます。逆に、今は業績がボロボロでも、これから良くなる場合は、投資対象としての魅力が高まる場合が少なくない、ということでした。みなさんには未だ関係ない取引の1つに「先物取引」があります。これは、一定の金融商品(株価指数、金利、為替など)の先行きの価格を取引するのですが、そういう取引が実在するくらいなので、“将来”を評価することは重要なことなのです。
財務諸表には将来の数字(業績予想)は記載されていない
ここで1つ大きな問題があります。みなさんが“教科書”として読むべき「財務諸表」は、あくまでも、過去の実績数字であり、予想数字ではありません。財務諸表からは、予想数字を見出すことは出来ない、不可能だと考えて下さい。当然、「では、一体どうやって将来の業績を評価するのか?」という疑問が出てきます。この数字を予想する(作成する)のが、証券会社で“アナリスト”と呼ばれている、一応は、プロの人たちです。アナリストは、各自が持つ膨大なバックデータ、及び、会社への取材活動等に基づき、財務諸表には出ていない「業績予想」という数字を作成するのです。よくよく考えてみると、これは物凄いことですし、この数字を知りたい見たいという投資家が大勢いることは事実です。しかし、実際には、外れる可能性が非常に高いため、どれだけ有効に使えるのか疑問があるのも事実です。
実は、会社が「業績予想」を公表している
また、アナリストの作成した業績予想で株価が大きく動くことは、殆どないと言えるのです。「なぜ?」と思う人も多いでしょう。実は、会社側が「次期の業績予想」を公表しているからです。「財務諸表」には載っていませんが、決算毎に発表している「決算短信」という資料の表紙には、ほぼ全社が業績予想を掲載しています。従って、先ずは、この会社側が公表する業績予想(以下、会社予想)が、株価を大きく変動させていると考えていいでしょう。先ほど述べたアナリストの業績予想は、ほぼ全てが会社予想をベースに作成されており、オリジナリティに乏しいのが実情です。
決算短信の表紙の最下段に注目しよう!
従って、みなさんは、会社の決算が発表されたら、同時にリリースされる「決算短信」に注目して下さい。その「決算短信」の表紙(1ページ目)の最下段に、ほぼ間違いなく、会社予想が記載されています。その数字を必ずチェックしましょう。ここで「そうか、結構楽なんだなぁ」と考えたあなた、それでは株式投資というゲームには勝てません。先ほど、「アナリストの業績予想は外れる確率が高い」と言いましたが、一方では、「アナリストの業績予想は、ほぼ全てが会社予想をベースに作成されており…」とも言いました。つまり、会社予想も常に外れるものなのです。
会社予想は「目標数字」に近いものだが、株価は大きく動く
「会社が公表する業績予想が外れるなんて、どうしても納得できない」と考える人がいるかもしれませんが、この先1年間の経済情勢がどうなるか判らないのに、業績予想なんか作れるはずがないのです。外れて当然であり、あの会社予想は、「会社の目標数字」と理解すべきです。ただ、その数字(=会社予想)により、株価が大きく動くことは事実なのです。
会社予想に対して評価を下すことは十分可能である
アナリストが作成できない業績予想を、中級者レベルの投資家である、あなたが作成することは不可能です。上級者レベルでも、まず無理でしょう。なぜならば、張本人である会社側でも(正確には)作成できないからです。ただ、会社予想が公表された時に、「これは強気過ぎる」「あまりに悲観的だ、保守的だ」「まぁ、これくらいが妥当だろう」といった“評価”を下すことは可能ですし、徐々に出来るようにしないといけません。その為の近道は、何と言っても独自に研究して、経験を積むことです。そして、この判断が適正に出来るようになった時、あなたは、その後の株価の動きに対して(例えば、会社予想が切っ掛けで株価が急落した時など)、適切な対応が取れるでしょう。
決算に対する反応をいち早く知りたい方向けの証券会社は?
日本企業の決算は、株式市場が閉まる午後3時以降に発表されることが多いです(一部例外はあります)。決算発表の際には、実績が事前に株式市場で考えられていたよりも高いことも、低いこともあり、その結果、次期予想が修正されることもあります。
株を持っていると、決算が株価に対してポジティブなのか、ネガティブなのかはやはり気になります。午後3時に決算が発表され、翌日朝9時の取引価格はいくらになるのか?、気になるのです。そんな時に、見ていただきたいのが、アナリストの決算速報コメントです。ただ、個人投資家向けに決算速報コメントが提供されるのは、翌日朝9時を過ぎてからになるケースが多く、本当の意味で速報といえるものは数少ないのが実態です。
そうした事態を打開するためにできたのが、Longine(ロンジン)の決算速報です。発表された実績、次期予想が、株価に対してポジティブなのか、ネガティブなのか、決算の重要なポイントは何か、今後の注目点は何かを簡潔にまとめています。これはLongine(ロンジン)の有料会員向けコンテンツですが、楽天証券およびマネックス証券の口座開設者には無料で提供されています。
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