存在感を増す女性投資家

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女性ファンドマネージャーの活躍

あまり一般には知られていませんが、一応は資産運用のプロである機関投資家(資産運用会社、信託銀行などの各種金融機関)には、意外に多くの女性ファンドマネージャーがいます。機関投資家の職種の中でも、多額のお金を運用するファンドマネージャーは、代表的な花形プレーヤーです。しかしながら、華々しく見える一方で、猛烈なストレスと大きなプレッシャーに押し潰される人も少なくありません。日々刻々と変動する株価により、自分自身の成果と責任が大きく動くのですから、体力的にも精神的にも大変な職業と言えましょう。その職務に就いている女性が結構多いことに、意外感を覚える人も少なくないと思います。ところが、株式投資では、生活の中での“気付き”や、繊細な洞察力が求められるケースが多々あるため、女性の方の成功率は非常に高いとも言われています。

女性が社会の主役に

一般的に、繊細な神経を持つ多くの女性は、いわゆる“男性社会”に該当する場所・商品・業種には、拒否反応を示す傾向があります。ところが、一旦そこへ進出すると、男性を押しのけて主役になることは決して珍しくないのです。実際に過去を振りかって見ると、ビール(居酒屋)、競馬、格闘技(K-1など)、ファストフード(牛丼など)、全てが女性ユーザーや女性ファンが増えた後に、急成長しています。また、これはスポーツの世界でも同じであり、柔道やマラソンは今や男子を上回っています。最近では、女子サッカー(なでしこジャパン)が、その典型例でしょう。

こうした過去に起きたムーブメントが、今正に、経済市場へ起きていると考えて差し支えないでしょう。みなさんもテレビのニュースを見ていて、経済ニュースには女性のコメンテイターが多いことに気付いていると思います。もちろん、テレビなのである程度の“見栄え”は考慮しているでしょう。しかしながら、それを差し引いたとしても、経済活動への女性の進出、とりわけ、株式市場に携わる職業への女性の進出には目を見張るものがあります。

個人投資家においても女性の存在感が大きくなってきた

株式市場の主役の1つを担う個人投資家においても、女性の存在感は年々増しているようです。2014年5月19日付けのBloombergの記事には、以下のように書かれています。

“証券口座の開設状況からも、女性の株式市場への関心の高まりは顕著だ。オンライン証券の松井証券では、新規口座開設における女性の比率が2013年度に31%と、初めて30%に乗せた。最も古いデータの1999年度は12%。新規開設者のうち、年度内に売買を行った比率は男性の場合は全体の43%に対し、女性は46%とやや上回った。同社のこれまでの全口座に占める女性比率は24%となっている。”

また、日本証券業協会の資料によれば、2014年6月30日現在で、非課税枠を活用できるNISA(ニーサ)口座数においては、女性の比率が42.6%に達しているとのことです。最早、株式投資はプロの人と男性の個人投資家が中心であるという考えは、大昔の古臭い認識になっているのです。これはお世辞でも何でもなく、女性の個人投資家なしでは、証券会社もビジネスが成り立たなくなっています。

それを象徴するかのように、多くの証券会社が女性投資家向けのサービスを充実させる方向にあります。例えば、2014年11月には、SBI証券が「株女 バスツアー」なるイベントを開催しています。多くの女性個人投資家が、東京証券取引所を起点に、新興上場企業を訪問・見学して、経営者の話を聞くツアーですが、大盛況だったようです。

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ところで、なぜ、急速に女性個人投資家のプレゼンスが増してきたのでしょうか?独身、既婚の違いはあれ、彼女達の収入や余裕資金(=自由に使えるお金)が、突然増えたとは考え難い状況にあります。アベノミクス始動以降、最近になってようやく賃金上昇が目立ち始めたばかりで、しかも、上昇率は未だ未だ高くありません。おそらく、最大の要因は、ネット証券の普及ではないでしょうか。ネット証券の急速な普及により、疎遠に思われていた「株式投資」が、一気に身近な存在になったと考えられます。

過去に実際に見られた様々な女性ムーブメントは、既に株式投資へ大きく押し寄せていると考えらえます。もちろん、女性だからといって確実に成功するほど、株式投資は簡単ではありません。しかしながら、株式投資という経済行動には、女性が持つ“強み”が活かされる土壌があると考えていいでしょう。女性の個人投資家の存在感は、これからも増す一方と予想されているのです。

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