【高配当銘柄ランキング】よくわかる配当利回りの仕組み

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株式投資の醍醐味は大きく2つ、投資した銘柄の値上がり益(キャピタルゲイン)と配当(インカムゲイン)でしょう。特に、投資額と比較して配当が多ければ多い、つまり配当利回りが高ければ高いほど、資金を効率よく運用できてオトクに感じられます。この記事では、長期投資を考える株式投資初心者がぜひ知っておきたい配当利回りについて解説します。

目次

1 高配当銘柄ランキング。トップ50はこれだ!(2016年6月15日終値ベース)

それでは早速、2016年6月15日終値ベースの東証一部の高配当銘柄ランキングを見ていきましょう。

配当利回りは1株当たりの配当金と株価から算出します。

たとえば1位のデクセリアルズ(4980)の配当利回りは6.7%です。具体的な金額でいうと、単元株式数は100株ですから最低投資金額は844円×100株=84,400円。100株の場合、配当は1株55円×100株=5,500円もらえることになります。資産運用という面で考えると、銀行などの利回りに比べるとはるかに高いことがおわかりいただけるかと思います。

2 配当利回りを知る

2.1 配当利回りと計算方法

配当利回りとは、投資した株に対して、1年間でいくら配当を受けることができる割合かを示す数値です。1株当たりの年間配当金を現在の株価で割って求めます。計算式は、次の通りです。

配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金÷現在の株価×100

たとえば、現在の株価が1,000円で、配当金が年10円だった場合の配当利回りはどうなるでしょう。

10円÷1,000円×100=1% ですね。

この計算式からわかるように、配当金額が同じであれば、株価が上がると配当利回りは下がります。逆に、株価が下がると配当利回りは上がります。株価が大きく下落したことで配当利回りが高くなった銘柄が含まれているかもしれません。単純に配当利回りが高いからいい銘柄だとは言い切れないことには注意してください。

なお、もし計算が面倒であれば、Yahoo!ファイナンスや証券会社のサイトでも調べることができます。

2.2 よく聞く他の指標との違い

配当利回りは、配当金額から企業を評価する指標です。こうした指標は他にもあります。簡単に違いを押さえておきましょう。

2.2.1 配当性向

配当性向(はいとうせいこう)と読みます。よく見かけるが何を表すのかはよくわからない、という方も多いかもしれません。

配当性向は、会社が1年間の儲けから株主に分配している配当金の割合を示す指標です。配当金支払額(1株当たり配当)を当期純利益(1株当たり当期純利益)で割って求めます。計算式は以下です。

配当性向(%)=配当金支払額(1株当たりの配当)÷当期純利益(1株当たりの当期純利益)×100

配当性向を見るうえでひとつ注意したい点があります。それは、配当性向が低いことは、必ずしも悪いことではない、ということです。もし、儲けをすべて分配してしまったら、投資ができません。事業は成長せず、企業価値もあがりませんので、株価も上がらない可能性が高くなります。せっかく投資しているのに、これではもったいないですね。

一般に、成長途上の企業は事業拡大のため、儲けを貯め(内部留保)、投資に回すので、配当性向は低くなる傾向にあります。一方、成熟企業に対しては、高い配当性向を市場は期待するようです。最近では、配当性向の目標値を示している企業もあります。興味があれば、IR情報などを調べてみるといいでしょう。

2.2.2 株式益回り

配当利回りは「株価に対してもらえる配当の割合」であるのに対し、株式益回りは「株価に対して見込める利益の割合」を表します。1株当たり当期純利益を株価で割って求めます。計算式は以下の通りです。

株式益回り(%)=1株あたり当期純利益÷株価

どこかで見た式だと思いませんか?実は、株式益回りは、株価収益率(PER=株価÷1株あたり当期純利益)の逆数(1/PER)なのです。PERは低ければ低いほど、株価が割安と判断されますが、株式益回りは、高ければ高いほど株価が割安だと判断されます。

2.2.3 優待利回り

優待利回りは、株主優待を金額換算した場合の、投資した金額に対する利回りです。

優待利回り(%)=株主優待の金額的価値÷投資金額×100

投資金額としているのは、株主優待は多くの場合、単元株数(100株単位)などに応じてもらえるものだからです。

たとえば、牛丼の吉野家を運営する吉野家ホールディングス(9861)であれば、単元株100株を保有すると、「吉野家」や「はなまるうどん」で使える優待券が、なんと年間6,000円分(3,000円×2回)ももらえます。

6月15日の吉野家ホールディングスの株価(終値)は1,416円。単元株数は100株ですので、最低投資金額は141,600円となります。優待利回りは、6,000円÷141,600円=4.2%。牛丼やうどんが好きな方にはたまらないですね。ちなみに吉野家ホールディングスは2017年2月期、年間配当20円を予定しています。仮に100株持っていたとした場合、配当金は20円×100株=2,000円ですから、優待と合わせた利回りは(2,000円+6,000円)÷141,600円=5.6%となります。

【コラム】トヨタ、みずほ、ドコモ。個人投資家に人気の銘柄の配当利回りは?

個人投資家に人気の銘柄の現在の株価、配当と配当利回りを見ておきましょう。(いずれも2016年6月15日終値で算出、配当利回りは小数点以下第2位を四捨五入)

トヨタ自動車(7203)

株価 5,463円
配当金(会社予想) 未定(2017年3月期)
配当利回り

みずほフィナンシャルグループ(8411)

株価 157.3円
配当金(会社予想) 7.5円(2017年3月期)
配当利回り 4.8%

NTTドコモ(9437)

株価 2,684.5円
配当金(会社予想) 80円(2017年3月期)
配当利回り 3.0%

3 配当をもらうための条件と注意事項

配当利回りのおおよそのイメージは掴んでいただけたかと思います。しかし、配当金を受け取るためには、大前提として押さえておくべきポイントがいくつかあります。配当目的で投資したのにもらえない、あるいは思ったより少ない、ということにならないよう、しっかり確認しておきましょう。

>>株の配当金徹底解説:いつもらえる?税金は?お得銘柄は?

3.1 配当をもらうには権利確定日に株を保有していなければならない

配当をもらうためには、その銘柄の株主であることが必要です。「株主である」とは、この場合、株主名簿に登録(記載)されていることを指します。

配当が年1回支払の場合なら、本決算期末(例えば、3月末や12月末)に株式名簿に登録されていることが絶対条件です。年2回支払の場合は、本決算期末と半年後の中間期末になります。

株主名簿に記載されるためには「権利確定日」と呼ばれる決算期末日(例えば、3月末や12月末)時点でその会社の株式を保有していなければなりません。そのためには、権利確定日から数えて4営業日前までに株式を保有しているか、株式購入の手続きを済ませていることが必要です。

権利確定日から数えて4営業日前の日を「権利付き最終売買日」と言います。そして、権利付き最終日の翌営業日を「権利落ち日」と呼びます。権利落ち日に株式を購入しても、その決算期の配当をもらうことはできません。

2019年の権利確定日と権利付き最終売買日は次の通りです。参考にしていただければと思います(権利確定日が20日の場合と末日の場合を記載)。

権利確定日が20日の場合の権利付き最終売買日 権利確定日が末日の場合の権利付き最終売買日
1月 1月15日 1月28日
2月 2月15日 2月25日
3月 3月15日 3月26日
4月 4月16日 4月24日
5月 5月15日 5月28日
6月 6月17日 6月25日
7月 7月16日 7月26日
8月 8月15日 8月27日
9月 9月17日 9月25日
10月 10月15日 10月28日
11月 11月15日 11月26日
12月 12月17日 12月25日

出所:株1編集部作成

3.2 予想していた配当がもらえないこともある

株主なのに配当がもらえないケースもありえます。配当は利益の分配ですから、会社が利益を出していない場合(赤字の場合)、配当は0円になることがほとんどです。また、利益が出ていても、財務体質が悪化している場合には配当が出ないことがあります。このように、株式会社が株主へ配当を出さないことを「無配」と言います。なお、東証1部に上場している会社の約1割は無配となっています。

ただし、会社が利益を計上していなくても、過去に蓄えた利益(利益剰余金)が潤沢である場合、株主に配当が出されることもあります。しかし、これは非常に稀です。

また、期初には配当を出すと発表していたにもかかわらず、期中の業績悪化などで配当予想が変更されることもあり得ます。業績動向には目配りしておいたほうがよいでしょう。

3.3 配当にも税金がかかる

株主がもらえる配当金は「配当所得」として課税対象となります。現在、上場企業の配当の場合、約20%(正確には20.315%)の税金が課せられます。この課税率は、銀行預金の利息に課せられている税率と同じです。銀行預金の利息が微々たる金額のため、徴収されている税金が目立たないだけなのです。

4 高配当で気になる銘柄にはすかさず投資!便利なネット証券

高配当で気になる銘柄が見つかったら、実際に証券口座を開設して投資してみましょう。証券口座は街中に店舗がある証券会社以外に、近年、手数料の安さやなどで注目を集めるネット証券でも開設できます。ネット証券は口座開設手続きも簡単ですし、もちろん無料なので、まずは口座を作ってみよう、という人にもおすすめです。各社とも手数料やサービスなどさまざまな独自の特徴を打ち出しています。投資スタイルに合わせて選んでみてください。検討にあたっては「一目でわかる、ネット証券会社10社の特徴一覧」もあわせてご参照ください。

4.1 高配当銘柄のスクリーニング機能で選ぶなら楽天証券

高配当というだけでなく、様々な指標と掛け合わせ、スクリーニングして選びたいという方も多いでしょう。そんな方におすすめなのが楽天証券です。

楽天証券に口座を開設し、ログインすると「スーパースクリーナー」というスクリーニングツールを使うことができます。さらに初心者に便利なのが、「楽天おすすめスクリーナー」として、あらかじめ高配当銘柄をスクリーニングしてセットしてくれている点です。

現在「NISA高配当銘柄」として、「配当利回り3%以上、ROE10%以上、時価総額200億円以上」の銘柄をスクリーニングしています。2016年6月15日現在、86社が該当しています。もちろんNISAでなくても投資できますよ。

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4.2 手数料で選ぶならライブスター証券/GMOクリック証券/松井証券

取引手数料の安さなら、断然ネット証券がおすすめです。中でも手数料の安さが際立つのは、ライブスター証券です。

GMOクリック証券は、その次にお手ごろな手数料体系になっています。GMOクリック証券の特長は、もうひとつあります。それは、同社のグループ企業であるGMOインターネット(9449)の株主になると、株主優待でGMOクリック証券での売買手数料が上限5,000円までキャッシュバックされるという点です(半年間)。GMOインターネットに投資するなら、手数料がオトクになる可能性があります。

1回の取引が10万円以内なら、松井証券の手数料無料が光ります(松井証券は1約定ごとのコースがないため、ここでは1日定額の手数料を掲載しています)。

取引ごとの手数料(税抜)比較 – 売買の回数が少ない方向け

証券会社名 10万円 50万円 100万円 300万円
ライブスター証券 80円 180円 340円 600円
GMOクリック証券 88円 241円 436円 834円
au カブコム証券 90円 250円 990円 2,790円
SBI証券 90円 250円 487円 921円
楽天証券 90円 250円 487円 921円
岡三オンライン証券 99円 350円 600円 1,500円
SMBC日興証券 125円 400円 800円 2,000円
マネックス証券 100円 450円 1,000円 3,000円
松井証券 0円 500円 1,000円 3,000円

注:SMBC日興証券の項目は、ダイレクトコースのオンライントレードを利用した場合の手数料を表示
注:マネックス証券は50万円超の取引では成行と指値注文で手数料が異なるが、ここでは成行注文の手数料を表示
注:松井証券の手数料体系は1取引毎ではなく、1日当たりの約定代金合計に対して適用される
注:2018年1月5日現在

出所:各社データをもとに株1編集部作成

>>ライブスター証券の口座開設(無料)
>>GMOクリック証券の口座開設(無料)
>>松井証券の口座開設(無料)

5 まとめ

いかがでしたか?配当利回りは投資金額に対していくら配当をもらえるかを表す指標です。ただし、高ければ高いほどいいとは限りません。また、配当が必ず出るとも限りません。畝に業績と株価との関係を見て判断したいものです。

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