「割安」であることを示す物差し(定規)があると助かる
このように、株式投資の鉄則は「安く買って、高く売る」ですが、“安く買う”基準は非常に難しいのが実情です。何が割安で、どういう状況になると割安なのか、「株式投資での「割安」を考える(銘柄の違い)」、「株式投資での「割安」を考える(時期の違い)」で見た例では、的確に判断できませんでした。唯一、スパッと判断した例が“マグロはイワシより割安”でしたが、それも、明確な数字に基づいたものではなく、経験から判断した“肌感覚”に近いものがありました。もちろん、みなさんも経験を積んでいく中で、こうした“肌感覚”は重要になってきますが、先ずは、「割安である」ことを示す具体的な“物差し(定規)”があるに越したことはありません。
株価バリュエーションという物差しを使おう
株式投資では、こうした“物差し(定規)”として、株価バリュエーションという指標を用いています。株価バリュエーションには幾つかの種類がありますが、この指標を用いることで、異なる銘柄との比較(イワシ、マグロ、アワビの比較)、過去と現在の比較(半年前のマグロと、今のマグロの比較)が可能になります。もっとも、日々刻々と株価が変わる株式相場においては、必ずしもこの株価バリュエーションが100%正しく機能するとは限りません。割安の株価がもっと下がったり、割高の株価がもっと上がったりするケースは多々あります。それでも、株価バリュエーションを用いて、割安か割高かを判断する習慣を身に付けることは、非常に重要です。
重要な株価バリュエーションは「PER」と「PBR」
株価バリュエーションには幾つもの種類があり、運用のプロと言われている機関投資家(資産運用会社、各種金融機関など)が社内で使用している独自のものを含めたら、数え切れません。その中で、基本的で尚且つ重要度の高いのは、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)の2つです。ある意味、この2つだけを習得理解すれば、十分とも言えましょう。次の章「まずはPERを知ろう」「次にPBRを知ろう」では、この2つを中心に、株価バリュエーションを説明していきます。
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