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株初心者は身近な企業を調べてみよう
「株1(カブワン)」の特集「身近な企業に投資する」では、株初心者にも身近な企業を取り上げて、株式投資の面白さや、投資対象を選ぶ時の視点・考え方をお伝えしたいと思います。
55歳の主婦・相場翔子(アイバ・ショウコ)さんは、ネット証券の口座開設をしたばかりです。株式投資を本格的に始めようかどうかまだ躊躇しています。そこで、自分の住んでいるマンションのオーナーであり、ファンドマネージャー歴35年の65歳、株1博士(カブワンハカセ)に相談することにしました。
相場さんは、株1博士に株式投資へ入門するにあたって、どのように投資対象を選択すればよいかを聞いています。ちょっと聞き耳を立ててみましょうか。今回は、皆さんにもなじみの深いアップル社のiPhoneについて話をしているようですよ。
iPhoneで起きた大変化
相場:博士、技術で私たちの生活が変わるなんて言う話を耳にすることがありますが、そんなことって本当にあるの?
株1博士:うーん、そうだなぁ。では、私たちに身近なiPhoneを例にみてみようか。
相場:iPhoneって、ほんと便利よね。何回買い換えたかしら。はじめは、ガラケー(フィーチャーフォンのこと)の方が使いやすいと思っていたけれど、いまではすっかり手放せない存在になった感じです。私なんか暇さえあれば見てしまっているわ。
株1博士:実は気付いていない人もいるかもしれないが、iPhoneは大きな技術革新によって生み出されたものなのだ。
相場:えっ、いったい何が変わったというの。改めて気にしたことがないし、ただ単に気づいていないだけかも。
株1博士:それはそうかもしれないな。なんせiPhoneの中身の話だからなぁ。日ごろスマートフォンでやり取りしている情報や、スマートフォンに搭載されているカメラで撮影した写真の画像データなどは、メモリ(NANDフラッシュメモリ)とよばれる半導体に記憶されている。iPhoneをはじめとするスマートフォンはもちろんのこと、最近ではPCでもそのメモリが良く使われるようになってきている。
相場:そのNANDフラッシュメモリが出てくる前は何に記憶させていたの。
株1博士:ハードディスクドライブ(HDD)という磁気ディスクに記憶させていたんだ。ほら、いまでもテレビの録画はハードディスクを使っているだろう。
相場:でも、テレビの録画に使っているハードディスクって結構大きいわよね。あんなに大きければ、スマートフォンに使うどころではないでしょう。
株1博士:さすがにテレビの録画に使っているハードディスクは1テラというような大容量になっているので、どうしても大きくならざるを得ないが、そのハードディスクドライブも相当に小型化されてきたんだよ。例えば、10円玉とは言わないが500円玉ぐらいの大きさのものも開発されたしなぁ。
相場:そんなに小さなハードディスクなら携帯電話にも載せられるわね。
株1博士:ところが、ハードディスクドライブは、簡単に言うと、磁気ディスクに情報を記憶させて、その円盤をモーターで回転させて、ヘッダでその情報を読み込むという基礎的な仕組みになっている。つまり、機械仕掛けなので壊れたり、半導体と比べるとそもそも重かったりする。
スマートフォンが普及して日本電産はどうなった?サンディスクはどうなった?
相場:確かに、持ち運ぶことを考えると、半導体メモリの方が便利というわけね。
株1博士:アップルも同じことを考えたんだろうな。iPhoneの原型ともいえるiPodはハードディスクドライブを使っていたのだが、iPhoneではNANDフラッシュメモリを使ったんだよ。
相場:技術変化で新しい商品が生まれたというわけね。確かにスマートフォンが重かったら日常生活で使いにくいものね。いま、スマートフォンを誰もが手にして四六時中操作している背景には、動態であるハードディスクから静態の半導体への画期的なシフトがあったということですね。でも、ハードディスクを扱っていた企業は仕事がなくなったんじゃないの。
株1博士:相場さん、今日もさすがの気づきだなぁ。本当に株初心者なの?実は、その議論は、プロの投資家の間ではずっと以前からあった議論なんだ。特に、ハードディスクドライブのモーターで市場シェアが非常に高かった日本電産は大きな打撃を受けるのではないかという懸念があった。一方で、NANDフラッシュメモリを開発した東芝や共同で事業をしている米国のサンディスクは、大きな恩恵を受けると期待されたんだ。
相場:それで、日本電産はどうなったの。
株1博士:日本電産は、永守重信さんという有名な経営者がいる。彼は、そうした変化をいち早く察知していたのだと思う。民生品のハードディスクが将来困難に直面すると見越して、産業向けや自動車産業向けのモーターの事業を企業買収(M&A)を繰り返しながら大きくしていったんだよ。株価はリーマンショック後に2,000円程度だったが、今では9,000円に近い水準だ。
相場:日本電産は、経営者の正しい判断で苦しくなりそうな状況を乗り越えたと言えるのね。ところで、サンディスクはどうなったの。
株1博士:もちろん株価は上がっているよ。リーマンショック後から見れば、株価は12倍にもなっている。
相場:なるほど。株って、一時的な思い込みだけでなく、こういう基礎的なことを継続的に調べることで大きなリターンを得ることができるのね。
株1博士:その通り。ハードディスクドライブから半導体メモリへの構造変化だけではなく、経営者がどのように考え、どのようにその経営をハンドリングしているかを評価するのが重要だ。年金や投資信託などを運用しているプロの投資家は、そうした調査に時間をかけている。ただ、株式投資に入門したばかりの個人投資家もインターネットが普及したことで、そうした調査レポートを比較的簡単に読めるような時代になってきている。株初心者にも好評のLongine(ロンジン)はその代表的なサービスだよ。
相場:インターネットの普及もサービス革新を支えているインフラなのね。ところで博士、日本電産やサンディスクのような特徴のある会社について勉強するなら、何を見るべきかしら?Longine(ロンジン)は気になるけど、できれば無料がいいわ。
株1博士:むむっ、勉強に時間とお金を惜しんではいかんぞ。ただそうはいっても、株初心者の頃はネット証券が無料で提供してくれる情報で勉強するだけでも十分勉強になるね。相場さんはマネックス証券、au カブコム証券、SMBC日興証券の口座は開設していたかな?これらは主要企業に関するアナリストレポートがかなり充実しているんだ。サンディスクのような米国株に投資する可能性があるなら取扱銘柄数・手数料もナンバー1のマネックス証券がいいだろうね。詳しく知りたければ「投資情報が充実した証券会社は?」「外国株式に強い証券会社は?」を読んでみるといいと思うよ。
→マネックス証券:JPモルガンの調査レポートなど個別銘柄の情報が充実(無料で口座開設)
→au カブコム証券:三菱UFJモルガンスタンレー証券の調査レポートが読める(無料で口座開設)
→SMBC日興証券:充実の調査部隊を抱える(無料で口座開設)
相場:博士ありがとうございます。無料って素晴らしいわ!
まとめ
株1博士と相場さんの会話はいかがでしたか?今回のポイントは、次の二点でしょうか。
- 技術革新に伴う需要構造の変化の中で利益を伸ばす企業と衰退する企業が出てくる。これは投資のチャンスになる
- 需要構造の変化を経営者がどのようにとらえ、手を打つかによって業績は大きく変わる。思い込みを捨て、継続的に経営者の打ち手をチェックするのが大事
次回はどんな展開になるのでしょうか?ご期待ください!
次回の記事を読む前に、株式投資について1から学びたい方は「株式投資って、一体何のことなの?」をご覧ください!
2015年4月25日 23:10 公開
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