証券会社に口座開設する前に知っておきたい3つのポイント

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株や投資信託の売買をするには証券会社に口座を開設する必要があることは分かったけど、色々と疑問がある方は多いのではないでしょうか?

ここでは、証券口座の基礎知識や開設手順などをまとめてみました。

目次

1 証券口座の基礎知識

1.1 証券口座は投資資金や有価証券の保管場所

株式投資の際に必要になるのが証券口座です。証券口座は、投資のための資金の保管場所であり、購入した株などの有価証券の保管場所でもあるので、株式投資をする場合は必ずどこかの証券会社で証券口座を開設することになります。

ネット証券の場合は、口座開設するとIDとパスワードが提供されるので、それらを使ってネット証券のウェブサイトにログインして、株など金融商品の売買を行います。もちろん、好きな時にPCやスマホで資産の確認ができます。

野村証券や大和証券などの大手証券(総合証券と呼ばれることもあります)で対面(証券会社の本支店の窓口で営業担当者を介して)もしくは電話で株等の取引をしたい方は、口座開設すると、銀行のキャッシュカードのようなプラスチックのカードが送られてきます。証券会社の営業担当者に名前と口座番号を伝えて株など金融商品の売買を行うことになります。

コラム:証券口座のプライバシーは大丈夫なの?
ここで気になるのが、証券口座に預けた資金や有価証券が安全に管理されるかという点です。結論から言うと、証券口座の預け入れた資産には二重の安全対策が講じられており、銀行預金と同レベルでの安全性は確保されるといっても差支え無いように思います。

第一の安全対策は「分別管理」です。証券会社は、証券口座に保管されている資金や金融商品は「顧客資産」として証券会社自身の資産とは区別して保管することが法令で義務付けられており、違反すると罰せられます。基本的には、この「分別管理」の仕組によって投資家の資産は保全されています。

但し、過去の歴史の中で、証券会社によっては経営が苦しくなると、法を犯して顧客の資産を勝手に流用した例が全くないわけではありません。こうした背景もあり、第二の安全対策が講じられています。証券会社が経営破たんした際に、顧客から預かっていた有価証券・金銭の返還が困難になってしまった場合に、一人あたり上限1,000万円の範囲で金銭による補償を行う「日本投資者保護基金」が整備されているのです(銀行預金の場合も元本1,000万円とその利息までは預金保険法で保護されます)。

1.2 大半の証券会社では口座開設・維持管理は無料

個人投資家主の株式売買代金の9割以上はネット証券6社を通じて行われているのですが、これら6社の口座開設、口座管理手数料は全て無料です。個人投資家の売買代金シェアが高い順に6社並べてみましたので、参考になさってください。

1位:SBI証券(2015年4月~2016年3月の個人投資家売買代金シェア42.0%)

>>SBI証券の公式ページはこちら

>>SBI証券の詳細解説を見る

2位:楽天証券(同16.9%)

>>楽天証券の公式ページはこちら

>>楽天証券の詳細解説を見る

3位:松井証券(同14.1%)

>>松井証券の公式ページはこちら

>>松井証券の詳細解説を見る

4位:au カブコム証券(同10.4%)

>>au カブコム証券の公式ページはこちら

>>au カブコム証券の詳細解説を見る

5位:GMOクリック証券(同9.5%)

>>GMOクリック証券の公式ページはこちら

>>GMOクリック証券の詳細を見る

6位:マネックス証券(同6.2%)

>>マネックス証券の公式ページはこちら

>>マネックス証券の詳細解説を見る

参考:徹底比較!ネット証券選びで押えておくべき最重要ポイント

個人投資家の株取引における存在感はすっかり小さくなってしまいましたが、大手証券(総合証券ともいいます)の状況も見てみましょう。こちらについては、会社ごとに対応がまちまちです。例えば、野村証券やSMBC日興証券は口座開設・管理手数料ともに無料になっている一方、大和証券は国内株式の口座管理料を年1,620円(税込)としています。大和証券のサービス利用状況や預かり資産の大きさによって口座管理料が無料になる特典はありますが、基本的には有料という位置づけになっています。

1.3 証券口座の開設は誰でも簡単にできる

証券会社の口座開設のハードルは特段高いものではありません。申し込み時に、本人確認書類(運転免許証、住民基本台帳カード、健康保険証、住民票の写し、在留カード・特別永住者証明書、印鑑登録証明書のいずれか)の提出や勤務先や運用資産規模などの申告は求められますが、一部のお金持ちしか口座開設できないという類のものではなく、多くの方がとても簡単に口座開設をすることができます。

一つ注意事項としては、基本的に1人当たり1証券会社につき1口座となる点です。多くの個人投資家は複数の証券会社に口座開設をして、用途に応じて使い分けているのが実態です。

証券口座の開設は原則20歳以上から可能になります(20歳未満でも既婚者は開設可能)。ただ、多くの証券会社には「未成年口座」というものがあり、20歳未満(未婚者)でも証券取引をできるようになっています。

具体的には、「1.3 大半の証券会社では証券口座の開設・管理は無料」で紹介したネット証券の売買代金上位6社の中で、GMOクリック証券を除く5社で「未成年口座」の開設が可能です。「未成年口座」の開設・管理手数料も無料です。

なお、これら5社すべてにおいて、①親権者がその証券会社に口座を開設済であり、②親権者が「未成年口座」の開設に同意することが必要です。

2 ネット証券の口座開設の手順と注意点

2.1 ネット証券の口座開設の流れ

口座を開設したいネット証券のWebサイトにいって、「口座開設」をクリックします。

ネット証券のガイダンスに沿って、必要事項(主なものを下記に列挙しました)を入力して、画面に表示された各種規定を読んで、本人確認書類を提出したら基本的に手続きは完了です。所要時間は5-10分というところです。最近ですと、スマホで口座開設する方が増えていて、口座開設の半数近くがスマホ経由という証券会社もあるようです。

  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 住所
  • 連絡先
  • 勤務先等
  • 入出金に使用する銀行口座
  • 資産や投資方針に関するアンケート
  • 特定口座
  • マイナンバー(個人番号カード・通知カード)

注1:ネット証券によって口座開設申し込み、あるいは資料請求の段階で入力する事項は多少異なります。
注2:2016年1月から証券会社の口座開設時にマイナンバーの登録が必要になりました。Webやスマートフォンのアプリ経由、または郵送により、個人番号カードまたは通知カードを登録することになります。詳細は「証券会社にマイナンバー?必要な理由と手続きまとめ」をご覧ください。

なお、本人確認書類の提出方法は、①PCやスマホでアップロードして提出する、②証券会社から送られてくる封筒に本人確認書類を同封して返送する、という二種類があり、①の方が郵送にかかる時間を短縮できる分、早く口座開設ができます。

実際の口座開設画面を使った解説を見たい方は、こちらを参考にしてください。

株初心者も写真で分かる、SBI証券の口座開設:PC編

株初心者も写真で分かる、楽天証券の口座開設:PC編

株初心者も写真で分かる、SBI証券の口座開設:スマホ編

株初心者も写真で分かる、楽天証券の口座開設:スマホ編

2.2 証券口座開設時に唯一迷う可能性がある「特定口座」

基本的にこの申込み手続きは簡単なのですが、「特定口座」に関する部分は迷う可能性がありますので、次に解説します。証券口座を開設する際には、以下の3つの選択肢が示されます。なんだかよくわかりませんよね。

  1. 特定口座を開設する(源泉徴収あり)
  2. 特定口座を開設する(源泉徴収なし)
  3. 特定口座を開設しない

特定口座とは、取引証券会社が顧客の上場株式や公募株式投資信託などの1年間の取引の結果を「年間取引報告書」にまとめる損益計算サービスをしてくれる口座のことです。従って、特定口座というのは、基本的に便利なものだとご理解ください。

次に源泉徴収のあり/なしについてです。株で利益が出たら税金(2015年8月現在では利益の20%)を支払いますが、確定申告をしたくない人は、利益が出る都度源泉徴収される「特定口座・源泉あり」を選ぶのがいいでしょう。確定申告をしてもいいなら、「特定口座・源泉なし」を選ぶと、証券会社は後でまとめて取引明細を送ってくれますので、それを使って確定申告しましょう。

ただし、会社員の方の場合は、少し面倒ですが「特定口座・源泉なし」が有利な場合もあります。会社員で給与所得以外の収入が20万円以内の場合、その分に関しては確定申告・納税が免除される特例があるのです。給与以外の所得がなければ、株での利益20万円までは実質無税になります。ただ、この特例を利用するなら、「特定口座・源泉なし」を選ばなければなりません。「特定口座・源泉あり」を選択すると、株で得た利益に自動的に課税されてしまい、後から返してもらうことができないためです。

2.3 口座開設申し込みから取引開始までの所要時間は4~7営業日程度

ネット証券の口座開設の申込みから、ログインIDとパスワードを入手して実際に株取引をできるようになるまでに、概ね4営業日(土日祝日は営業日には入りません)から7営業日程かかるとお考えください。証券会社によっても、タイミングによっても多少の違いがあります。

4営業日から7営業日というと随分差があると感じられるかもしれません。この差の背景には証券会社の体制の差もあるのかもしれませんが、大きくは、口座開設申し込み手続きを本人確認書類の提出も含めてPCやスマホを用いてネット上で完結するか、書類を郵送でやりとりするかによって異なるように思います。

ちなみに、株1編集部のメンバーが楽天証券の口座開設をネットで完結した場合は、申込み後4営業日で取引可能になりました。

3 証券会社の選び方

雑音に惑わされずにネット証券を選ぶ方法があるとすれば、みなさんのニーズ(何をやりたいか)から考えていくことです。ぼんやりしたイメージでも全然問題ありません。「最初はちょっと怖いから勉強しながら」とか、「いやいや僕はデイトレやりたい」とか、そんな感じで十分です。

徹底比較!ネット証券選びで押えておくべき最重要ポイント」で選び方のポイントをじっくり解説しているので、参考にしてみてください。

株初心者の方が投資を始める際には、一つ一つが冒険ですから、まずは頻繁な取引は控えて、少額投資で、知識をつけながらじっくり前進したいものです。その意味では、「少額投資での手数料がそこそこ安く、情報や商品ラインナップが充実している証券会社」が適当です。手数料が「そこそこ安く」と書いたのは、手数料以上に情報や商品ラインナップの方が重要だからです。初心者の方は、知識と経験を積み重ねていく必要があり、また、考えた結果株ではなく、プロに運用をお任せできる投資信託を選ばれることもままあるためです。

軸になる証券会社を絞り込んで紹介するとすれば、以下の3社ではないでしょうか。まずは以下を参考に1社口座開設してみて、足りない部分があれば、他の証券会社で補うのが良いでしょう。個人投資家の多くは3口座程度の証券口座を使い分ける傾向があるように思います。

SBI証券

>>SBI証券の公式ページはこちら

>>SBI証券の詳細解説を見る

楽天証券

>>楽天証券の公式ページはこちら

>>楽天証券の詳細解説を見る

マネックス証券

>>マネックス証券の公式ページはこちら

>>マネックス証券の詳細解説を見る

参考:株初心者向けの証券会社は?

4 まとめ

証券口座に関する疑問は解消しましたか?ネット証券は口座開設・管理が無料ですし、口座開設の難易度は高くありません。しつこい営業電話がかかってくることもありませんので、気軽に試してみてください。

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